岩野 義弘 院長の独自取材記事
岩野歯科クリニック
(世田谷区/成城学園前駅)
最終更新日:2024/10/25

岩野義弘院長が、成城の土地に魅力を感じて開業した「岩野歯科クリニック」は、地域の歯科医療に約12年間貢献した後、移転開業し、2024年5月に新たなスタートを切った。前クリニックからほとんど場所を変えることなく、成城学園前駅から徒歩1分の通り沿いの好立地に移転し、より広い場所で、より多くの設備を備えて生まれ変わった。患者を家族のように思い、常に研鑽を欠かさない岩野院長が、今回どのような考えのもとで再スタートを切ったのか。新たなクリニックやスタッフの特徴、診療の際に心がけていることなども含めて、改めて話を聞いた。
(取材日2024年9月19日)
移転により一層広く、研鑽しやすい空間へと進化
移転を決めた理由やきっかけをお聞かせください。

以前のクリニックが手狭になったのが理由です。当院は成城で開業してから約12年間、私や歯科衛生士たちの専門分野である歯周病の治療と予防に取り組んできました。歯周病は治療だけでなく、メンテナンスも重要です。そのため定期検診の患者さんも年々増えていくのですが、前クリニックは診療台が4台しかなかったため、初診を含めてだんだん予約が取りにくくなってしまいました。そこで移転を考え、より広い物件を探すことにしたのです。私は成城が好きでこの街に開業したので、移転してもここを離れたくありませんでした。しばらく成城エリアで希望に合う場所を探していたところ、今回運良く成城学園前駅から徒歩1分の通り沿いの物件に空きが出たため、移転に踏みきった次第です。
新しいクリニックの構造や導入した設備について教えてください。
1階に診療台が2台、2階には4台あり、全室個室です。さらに各診療台にはすべてモニターがあり、タブレットも2台ずつ設置。患者さんが診療台に座ったまま説明を受けられるよう、タブレットの画面はモニターにミラーリングできる設定にしています。移転とともに紙でのデータ管理を廃止し、診療を完全にデジタル化したのも特徴で、患者さんの情報を一元管理できる電子カルテやウェブ予約システムも導入しました。そして、設備で最もこだわったのは、プロジェクターを使ってプレゼンテーションするために、ボタン昇降式のスクリーンを天井に埋め込んだことですね。当院では毎週月曜に勉強会を開催していて、移転に伴い新たなメンバーも加わりましたので、教育や、患者さんの治療がどのように進んでいるかを把握する目的で活用しています。
教育や共有の場も大切にされているのですね。

当院では検査や問題点の抽出、治療計画の立案、患者さんへの説明、治療方針のご相談などを、歯科医師はもちろん歯科衛生士も担当制で行っています。だからこそ、自分の受け持ち患者さんの治療の進捗を共有し合う時間を昔から大切にしているんです。また、自分で考えて行動し、その結果どれだけ改善につながったかをプレゼンテーションすることは非常に重要だと考えています。人前で発表することでアドバイスをもらえたり、他のメンバーの刺激になったりと、全員のレベル向上につながりますからね。診療にはみんな一生懸命で、歯磨き指導一つとっても、画一的にならないように個人の状態に合わせたケアを創意工夫しています。私たちがめざすのは、クリニック全体で治療の質を底上げし、患者さんに利益をもたらす「全員がプロフェッショナルな歯科クリニック」。そのためにも大勢で情報共有ができる広い空間が欲しかったので、満足しています。
最小限の通院回数で最大限の効果をめざす治療に注力
診療で心がけていることは何ですか?

お口のトラブルが再発しないよう、痛いところだけでなく口腔内全体を丁寧に診査し、歯周病治療をベースとした総合的な診療を心がけています。したがって、当院ではじっくり時間をかけて治療することもあり、一度の診療に3時間かかるケースも珍しくありません。このような「最小限の通院回数で最大限の効果をめざす治療」は、忙しい患者さんに喜んでいただけるのではないでしょうか。とはいえ、すべての診療を私一人では行えませんので、やはりスタッフ一人ひとりのレベルアップは必要です。当院では歯周病に関する専門的に学ぶ意志がある人のみを採用しているため、全員が高い志を持ち、外部の勉強会などにも積極的に参加しています。大事な時間を使って知識を深め、技術を磨くスタッフの協力があってこそ、当院の診療は成り立っているんです。
総合的な治療のために、検査も重視しているのでしょうか?
はい。まずお口の写真はかなり多く撮ります。口腔内だけでなく、口を閉じた状態の顔写真や笑顔の写真、さらに姿勢を確認するために立っている写真も正面・横向きで撮影します。加えて、顎関節に問題がありそうなら専用の測定器を使って顎運動をチェックし、歯科用CTでも顎関節に特化した検査を実施。他にもエックス線撮影や歯茎の詳細な検査などを必ず行います。そして検査結果を、患者さんになるべくわかりやすくお話しするのも重要です。言葉だけでは十分に伝わらないので、いかに視覚化できるかを考え、また患者さんがきちんと理解されているかも確認しながら説明にあたっています。
ご専門である歯周病治療の重要性について教えてください。

歯周病は糖尿病をはじめ、さまざまな全身疾患と関連があります。中でも糖尿病は重度の歯周病の方にとってリスクが高い病気です。だからこそ、私たちがしっかり歯周病治療に取り組めば、ひいては患者さんの全身を健康な状態に導くことも可能なはず。そうした考えのもと丁寧な歯周病治療に努めています。また、歯周病は改善した口腔内環境を維持するためのメンテナンスも不可欠です。担当歯科衛生士は患者さんの健康や生活に関わる立場であるため、普段との変化に気づきやすく、急な体調不良時は医科につなげることも可能です。他にも毎回お会いする中でアプローチできることは多く、歯科衛生士が禁煙を継続できるようサポートすることもあります。患者さんの身近で寄り添い、健康維持・改善に寄与できるのは歯科医院ならではの強みなので、歯周病の方はぜひ治療とメンテナンスを受けていただきたいですね。
トラブルと無縁の、長持ちするインプラント治療を追求
もう一つのご専門であるインプラント治療は、どんなところに惹かれて学ばれたのですか?

失った歯を補うための方法として、インプラント治療以外には、入れ歯やブリッジなどが挙げられます。しかしブリッジには健康な歯を削ったり神経を取ったりする必要があり、入れ歯の場合はばねがかかっている歯の寿命が縮まるなどの問題も発生する可能性があります。反面、インプラント治療は他の歯を傷つけず、単独の治療によって機能回復をめざせるのが大きなメリットです。見た目もまるで天然の歯のようで、インプラントが噛む力を負担するようになれば、患者さんのQOLも大きく向上するでしょう。このように、周囲の歯に影響を与えずに機能性・審美性の回復が見込める点を魅力に感じて、インプラント治療を勉強しました。
インプラント治療におけるこだわりも伺います。
インプラント治療は入れて終わりではなく、その後なるべく長く維持を図ることが重要です。そのために、まずは将来インプラント周囲炎にならないよう、歯周病がある方には必ず先に歯周病治療を実施しています。加えてインプラントの埋入位置は非常にシビアで、少しでもずれると問題が起きてしまうので、入念に検査した上で治療計画を立てています。当院ではCTと口腔内スキャナーのデータを照合してシミュレーションを行い、審美的・機能的に適切といえるかぶせ物の位置を決定。そしてかぶせ物の位置に対し、インプラントをどこに埋入するのかを考えます。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

専門である歯周病とインプラント治療はもちろん、すべての治療において良質な医療をご提供できると自負していますので、お困り事などがあればご相談ください。また、最近は新たに総入れ歯の勉強も始めました。総入れ歯は一から噛み合わせを作るという観点でとても大事な分野であり、今後はインプラント治療の途中で一旦入れ歯を入れる時など、適切な場面で役立てられたら幸いです。そしてこれからも患者さん一人ひとりのお口の環境や全身状態に合わせて治療を行えるよう日々精進してまいります。移転によって予約が取りやすくなりました。ホスピタリティーの精神を持ったスタッフもお待ちしていますので、ぜひお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/55万1000円(検査費用・サージカルガイド・一次手術・補綴上部構造 ※オプションによって異なる)、ホワイトニング/3万8500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。