男性にも現れる更年期障害
適切な診断と自信を取り戻せる治療を
美馬レディースクリニック
(港区/赤坂駅)
最終更新日:2025/09/08


- 保険診療
閉経前後の女性を中心に、心身にさまざまな不調が現れる更年期障害。女性ならではの悩みというイメージが強いが、実は男性の更年期障害もあることはあまり知られていない。男性の更年期障害はLOH症候群とも呼び、女性と同様、ほてりや発汗、疲労感といった体の症状だけでなく、気持ちの落ち込みや不安感などの心の症状、性機能障害が現れる。長年、男性の更年期障害と向き合ってきた「美馬レディースクリニック」の美馬博史院長は、「男性の更年期障害は心因性の場合が多く、不安や悩みを吐き出せる場所が必要なんです」と語る。心療内科も標榜する同院では、男性の更年期障害について広く発信しながら、カウンセリングを中心とした治療で症状の改善に力を注いでいる。男性の更年期障害の特徴や受診のタイミング、同院で行う診療などについて尋ねた。
(取材日2025年8月8日)
目次
40歳を目安に始まった不調があれば、内分泌科や心療内科、そして男性更年期障害が専門の医師に相談を
- Q男性の更年期障害とは、どのような病気ですか?
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A
▲以前より多くの男性更年期障害の治療にあたっている美馬院長
加齢やストレスによる男性ホルモンの一種テストステロンの低下で引き起こされるのが男性の更年期障害です。これはLOH症候群とも呼ばれ、男性も女性と同様にさまざまな心身の不調が現れます。体の症状としては、発汗やほてり、関節痛、筋肉痛、疲労感、頻尿、内臓脂肪の増加、骨密度の減少のほか、勃起不全や性欲の低下などの性機能障害が挙げられます。そして、仕事や趣味に対する意欲がなくなったり、イライラや不安が募って睡眠不足になったりと、精神的にも不安定になりやすいのが特徴です。男性の更年期障害は心因型が多い傾向にあり、気持ちの落ち込みがうつや自殺願望につながることも少なくありません。
- Q適切な受診のタイミングについても教えてください。
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A
▲「この先生だったら頼れる、治せる」と思える医師を頼ってほしい
男性ホルモンは中高年以降、年齢とともに徐々に減少していきます。そのため、40歳以降の男性であれば誰でも更年期障害になる可能性があります。40歳を越えて心身の不調を感じ始めたら、性別に関わらず更年期障害を疑い、医療機関にご相談ください。更年期障害が現れるタイミングや不調の種類、症状の強さは人によって異なりますので、ご自分が少しでも不安に感じる症状があれば、我慢せずに相談いただくことをお勧めします。一般内科などでは男性の更年期障害の診断が難しいこともあるため、内分泌科や心療内科で、できれば当院のように男性の更年期障害を専門に診ている医師がいるクリニックを選ぶと良いでしょう。
- Qこちらではどのような診療を行っているのですか?
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A
▲ホルモン剤に頼りすぎず、同院ならではの角度から治療にあたる
まずは問診や臨床心理テストを行い、症状が更年期障害によるものかどうかを診断します。更年期障害とわかったら、自律神経調整剤や男性ホルモンなどの薬による治療やカウンセリングによって症状の改善を図っていきます。男性の更年期障害は心因型が多いことから、当院ではカウンセリングをメインに治療を進めています。また、年を重ねるにつれて見た目に気を使わなくなってしまう男性もいるため、髪型や服装のアドバイスを通じて、まずは見た目から自信を持ってもらえるよう働きかけていますね。必要に応じて薬を処方することもあるのですが、前立腺がんのリスクなどを考慮して、男性ホルモン剤はなるべく使わずに済む治療に努めています。
- Q男性の更年期障害の診療において、大切にされていることは?
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A
▲患者との信頼関係を大切にし、何でも話せる存在になりたい
中高年以降の男性は、一家の大黒柱であったり仕事でも重要なポジションにいたりする方も多く、心身の不調があっても周りに話しづらいと感じてしまいがちです。それをため込むことで少しずつ追い詰められ、うつや自殺願望につながってしまうのです。ですから、更年期障害の患者さんがいらしたら、しっかりと相槌を打ちながら話に耳を傾けるようにしています。「ここなら何でも聞いてくれるな」と安心していただける雰囲気づくりも心がけていますね。こうした丁寧なコミュニケーションを通じて患者さんとの信頼関係を築くことで、気持ちが追い詰められる前にご相談に来ていただける環境がつくれているのかなと感じています。
- Q早期発見のためには、家族や周囲のサポートも重要ですね。
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A
▲婦人科から心療内科まで掲げ、男女ともに頼れるクリニック
近年、女性の更年期障害への理解が深まる一方、男性の更年期障害についてはまだまだ知られていないのが現状です。まずは一人でも多くの方に男性の更年期障害の存在を知ってもらいたいです。女性のほうが更年期障害に対しては敏感だと思いますので、もし友人や家族に当てはまる傾向があれば、医療機関の受診を勧めるなど背中を押してあげてほしいですね。当院にも、ご夫婦でご相談に来られる方が多くいらっしゃるんですよ。更年期障害によって心身の不調が続くとQOL、つまり生活の質の低下につながりかねないため、できるだけ早くご相談いただきたいですね。