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中村 靖幸 院長の独自取材記事

中村クリニック

(さいたま市南区/南浦和駅)

最終更新日:2019/08/28

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南浦和の住宅街の一角にある「中村クリニック」は、内視鏡検査から生活習慣病まで幅広い診療が可能なクリニック。地域のホームドクターとして、子どもから高齢者まで家族ぐるみで利用している患者も多い。開業したのは2006年。浦和生まれの中村靖幸院長が、あえて駅から遠い場所を選んでオープンした。「その場限りの患者さんを多く診るのではなく、患者さんと長い信頼関係を築いて、ファミリーで利用していただけるようなクリニックにしたかったのです」と、中村院長は語る。さまざまな症状を持つ患者でも、できる限りワンストップで診療できるよう、ホームドクターに必要なスキルを大学時代から磨き続けたという。ほんわかと包み込むような雰囲気を持つ中村院長に、さまざまな話を聞いた。
(取材日2014年5月14日)

子どもの頃の病気がきっかけとなり、医師の道へ

南浦和にクリニックを開業されたきっかけは?

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私は浦和生まれの浦和育ちなので、親や親戚が周辺にたくさんいるのです。だいぶ高齢で医者のフォローが必要な年代ですので、その親や親戚を診れる自宅近くの範囲で、なおかつ駅からあまり近くない場所ということでここを選びました。駅からわざと遠い所を選んだのは、「駅に近くて便利だから、ちょっと診てもらおう」という患者さんではなく、ずっと長いお付き合いができる患者さんにここを選んで来ていただきたかったからです。じっくり話をしながら診療をするので、1日に診ることができるのは、せいぜい70組ほどですね。それでも1時間以上お待たせしてしまうことがあるので、「そんなに待てない」という方は、予約をしていただければ30分ほどで診療できることが多いです。

ドクターの道をめざされた動機は、何だったのでしょうか?

私は幼少の頃に結核を患っていて、そのことで何度も病院に行く機会がありました。苦い薬を飲んだり、注射をされたり、そんなことを繰り返しながら、いつしか「自分なら患者さんにこんなやり方で診療をしてあげたい」という想いを描くようになったのです。どんな薬を使って、どんな治療をすれば元気で長生きできるのか、医師になって追求してみたいと思いました。私の父は学校の教師でしたので、医者の家系ではなかったのですが、そんな想いから医師への道を選びました。漢方を積極的に取り入れているのも、そのほうが患者にとって良いと判断したからです。

漢方を導入されているのですね。

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ええ、漢方は風邪の諸症状などにも、とても良く効きますね。西洋医薬の場合は、痛みがあれば痛み止めを処方するという具合ですが、漢方の場合は「この痛みにはこの薬」というように、痛みの種類によって処方できます。例えば風邪の場合、患者さんが来られる度に症状に合わせて違う漢方薬を処方できるので、治りも早いのです。その話を聞いて、最近は妊婦さんがよく来られます。漢方だけを処方すれば、おなかの赤ちゃんにも負担が少ないと考えられますから。

誰でも気軽に受けられる、痛みの少ない内視鏡検査

検査設備が充実していると伺いましたが?

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地域のかかりつけ医として、患者さんの健康をしっかりチェックできることが大切ですので、検査にも力を入れています。麻酔をして、痛みがなく内視鏡検査を受けられるのですが、その際はしばらく当院でお休みいただく必要があります。そのため、院内にベッドをいくつか用意し、検査後ゆっくりと休んでからご帰宅いただけるようにしました。もちろん麻酔なしでも検査は可能ですが、「胃カメラが痛くて、もう検査はこりごり」という方がよくいらっしゃるので、このような体制を取っています。採算を考えると、決して効率の良いやり方ではないですのですが(笑)。私は勤務医時代に消化器外科でがんの手術や内視鏡検査を長く行ってきましたので、安心して検査をお受けいただければと思います。在宅医療の必要性も感じていたので、それも経験しました。現在は当院に長く通って来てくださる患者さんに対して、訪問診療も行っています。

お忙しい中、訪問診療も行っているのですね。

お昼休みの時間を使って、当院に通院できなくなってしまった患者さんを訪問しています。先ほども、90代の女性が診察にいらして、「先生、私の看取りをお願いね」とおっしゃってくださいました。これはホームドクターとして、とてもうれしいことです。この間も、手術ができない状態で抗がん剤治療をしていた患者さんが、いよいよ危ないというときに、家族に入院を勧められたそうです。ところがその方は、「中村先生に診てもらうからいい」と、断固として入院を断ったのです。その旨をご家族からお聞きし、私は了解してすぐに在宅医療を行う手続きを取りました。薬を処方したところ、「先生、楽になったよ。ありがとう」と言われ、私も「それは良かったね」と答えました。それから2〜3日して、夜の10時に呼び出しがあり、駆け付けた後にその方は息を引き取られました。「最期は自分の家で迎えたい」という想いをかなえられ、本当に良かったと思っています。

恩師から教わったことで、先生が一番気を付けていらっしゃることはなんですか?

恩師である高橋宣胖先生から教わった「説明と同意」という言葉です。この高橋教授に私はとことん医者としての心構えをたたき込まれました。教授が口癖のように言っていたのが、「それで患者は納得したのか?」という言葉でした。症状や治療法を、患者に伝えただけではだめなんです。理解し、納得してもらわなければ絶対にOKが出ない。これはなかなか大変でした。どんなに自分の体がつらくても、泣き言ひとつ言わずに患者のために尽くし切った高橋教授の姿は、今も忘れられません。

心から納得する説明を受けられるかかりつけ医に相談を

先生は子どもの頃、どんなお子さんだったのですか?

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私の場合は病気もあったので、子ども時代は決して楽しいことばかりではありませんでした。友だちにいじめられたこともありましたね。でも、友だちに遊んでもらえずに落ち込んでいる私を見て、母が「友達と遊べないなら、その時間に一生懸命勉強をして、勉強で勝てばいいんだよ」と教えてくれたのです。それからは「大人になったら医者になるんだ」と思いながら必死になって勉強しました。病気の私を支えてくれた母には、心から感謝しています。

今後の展望をお聞かせいただけますか?

このままの体制を続けたいですね。実は当院は、この小さなクリニックでも私や家内を含めるとスタッフが10人もいるんです。ひとりのスタッフが突然休んでも、残りのメンバーで十分やっていけるよう、サブのスタッフまで雇っていますから。スタッフにとっては居心地が悪くないようで、婦長も開業当初からずっと頑張ってくれています。私は、たとえ病院であっても、ひとつの商売としてお客さまをもてなす気持ちは大切だと思っています。そのためには、スタッフの人数を充実させることも必要なのです。私の母は、私が子どもの頃に不動産業を営んでいたのですが、その母の影響で「商売とは何か」ということを肌で実感するチャンスがありました。上から目線で威張るのではなく、お客さまとして大切にもてなす姿勢は、クリニックでも同じだと思います。

ドクターズ・ファイル読者へのメッセージをお願いします。

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ホームドクターを決める際は、ご自分が心から納得できる説明をしてくれるドクターを選んだほうが良いと思います。きちんと患者さんの目を見て、しっかりと丁寧に説明してくれるドクターかどうか。そしてご自身と相性が良いかどうかも大切ですね。医師と患者の間に深い信頼関係があってこそ、良い医療を行うこともできるのです。「この先生におまかせすれば安心」と思えれば、きっと末永く良いお付き合いができるでしょう。

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