全国のドクター9,208人の想いを取材
クリニック・病院 159,001件の情報を掲載(2024年3月19日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 練馬区
  4. 江古田駅
  5. ほさか歯科クリニック
  6. 穂坂 康朗 院長

穂坂 康朗 院長の独自取材記事

ほさか歯科クリニック

(練馬区/江古田駅)

最終更新日:2023/12/25

穂坂康朗院長 ほさか歯科クリニック main

西武池袋線江古田駅から徒歩6分、有楽町線小竹向原駅から徒歩10分。にぎやかな駅前を抜けたところに立つ白い建物が、「ほさか歯科クリニック」だ。開業から約70年にわたって地域住民の歯の健康を守り続けてきた同院を、2012年に3代目として継いだのが穂坂康朗(ほさか・やすお)院長。歯科一般や専門の歯周病に加え、入れ歯やインプラント治療、審美歯科など、地域のかかりつけの歯科クリニックとして幅広く診療しながら、患者のセルフケア意識の向上のためにブラッシング指導も積極的に行う。これまで親知らずの2本が虫歯になって抜いただけで、それ以外は虫歯になったことがないという穂坂院長に、力を入れている歯周病治療のことやこれまでの歩みについて話を聞いた。

(取材日2019年6月5日/更新日2023年12月20日)

歯周病の治療と予防に力を入れる

クリニックを紹介していただけますか?

穂坂康朗院長 ほさか歯科クリニック1

当院は70年ほど前に祖父がこの場所で開業してから私で3代目になります。ここが生まれ育った実家ですので、私にとっても安らげる場所です。私が継いで改装してからは、だいぶ様変わりはしましたけどね。今、取材を受けているこの部屋は物置きになっていたところなんです。診療としては、虫歯治療などの歯科一般に加え、私の専門である歯周病治療、入れ歯やインプラント治療、審美歯科など、地域のかかりつけの歯科クリニックとして幅広く対応しています。設備的には、歯科用CTがあるのが特徴ですね。歯周病の検査でも、顎の骨全体の状態を立体的に見る必要があるので、歯科用CTは必須なんですよ。

力を入れていることは、何ですか?

歯周病の治療と予防です。歯周病は、虫歯とともに歯を失う大きな原因ですし、放置しておいたら1年後には確実に悪くなってしまうような状態でも、定期的にメンテナンスをすれば悪化するのを何年か先に延ばせるようになります。歯周病は、虫歯治療のように削って詰めて終わりではなく、歯科衛生士による定期クリーニングと自分で口の中をしっかりきれいにするといった患者さんの日頃の努力、これらすべてがそろわないと治りません。ですから当院では、初診の患者さんには、了承を取った上でまずは歯周病の検査をしてから歯科衛生士がブラッシング指導をして、患者さんに正しいブラッシングが身について、歯周組織の状態を整えてから、治療を始めるようにしています。

そのために、取り組んでいることはありますか?

穂坂康朗院長 ほさか歯科クリニック2

歯周病の治療をする人に対してはアニメーションなども使って、なぜ歯周病になるのかや、どんな治療をするのか。歯周ポケットが深い人は、自分の歯磨きだけでなく、歯科衛生士によるクリーニングをしないと良くならないことや自宅での正しいブラッシングを身につけることの大切さを歯科衛生士から話してもらい、そのあとに私からもう一度、説明するようにしています。それに、患者さんのモチベーションを保つには、歯科衛生士の力が8〜9割ですから、例えば、「お口のお掃除に来ましょうね」とやわらかく話して気軽に来てもらえるようにするのと、「歯石を取りに来ないと治りませんよ」と強めに意識づけをするのと、どちらがその患者さんに伝わるのかといったことも考えるよう、歯科衛生士にはお願いしています。当院には、ベテランも含めた3人の歯科衛生士がいますが、みんなよくやってくれています。

クリニックに来ていない時間こそ大事

患者さんに求めていることを教えてください。

穂坂康朗院長 ほさか歯科クリニック3

繰り返しになりますが、私が治療をしても患者さんに良くなろうという意識がなければ、良い結果は得られないというのが正直なところです。治療の間は通院もするので歯磨きも気をつけるのですが、治療を終えた後は、その状態を維持しようという意識がだんだん薄れてきて、再発してしまう方もいます。そうならないためにも、皆さんにはぜひ歯磨きのプロになってほしい。特に注意したいのが、一度身につけた正しいブラッシングに、変な癖がついてしまうことです。そういう意味では、クリニックに来ていないときのほうが大事で、30分~1時間来ていただいて、歯肉のチェックとブラッシング指導、クリーニングを受けていただくだけで、歯の健康がまたしばらく保たれるわけです。ですから、ブラッシング指導だけでもいいので来てほしいですね。

ほかの治療については、いかがでしょうか?

歯科保存学を学んでいた見地から言うと、たとえ入れ歯やインプラントを入れても、患者さんは自分の歯が残っている部分で噛もうとすることが多いのです。歯の根元には、歯根膜といって噛み応えを感じる組織があり、食べ物を噛むことによって、この部分である種の幸福感を感じるともいわれています。つまり、どんなに精巧な補綴を入れても、人間というのは自分の歯で噛もうとする生き物なんです。ですから私は、インプラントが考えられることがあっても、健康な親知らずが残っていたら、できるだけそれを移植する方法を選びますし、義歯で十分使いこなせるのであれば義歯をお勧めします。インプラントは、手術や経済的な面など患者さんへの負担も大きいですから、それらも考慮しながら、最もふさわしい治療計画を一緒になって考えています。

忘れられないエピソードは、ありますか?

穂坂康朗院長 ほさか歯科クリニック4

亡くなった母親の形見のダイヤモンドを、歯に埋めてほしいと頼まれたことがありました。虫歯でもない歯を削るのは抵抗があったのですが、その方にとっては大切なもので、これからも肌身離さず身につけていたいということで、上顎の犬歯に埋めました。いわゆる治療ではありませんが、その患者さんの「ご希望」は、まさに「希望」だと思い知らされ、それからさらに患者さんの立場に立った治療を考えるようになりましたね。また、研修医時代ですが、歯周病の手術の終盤に麻酔が切れて、患者さんが少し痛がっていたのに続けてしまったことがありました。治療は無事終わったのですが、当然あとで患者さんに「痛かったじゃないか」と叱られました。それからは患者さんが痛がることにとても敏感になり、できる限り痛みに配慮しながら治療を行うよう心がけています。

歯周病で困る人を、少しでも減らしていきたい

先生は、なぜ歯科医師を志したのですか?

穂坂康朗院長 ほさか歯科クリニック5

私はここが実家で、歯科医師としての父の姿をずっと見てきました。幼い頃の私には父の職業が具体的にどんなものかわかりませんでしたが、患者さんから「ありがとうございました」と言われているのを見て、尊敬される仕事なんだろうとは思っていました。それに母が歯科衛生士で、家事の合間をぬって父の診療の手伝いをしていました。そんな環境でしたから、歯科医師になるのが自然なことでした。それで歯科大学に入って大学院も出て、大学病院にのべ20年勤務して、歯周病に加えて補綴や口腔外科などの研鑽も続けていました。しかし、父が15年ほど前に脳梗塞を患い、診療も難しくなってきたため継ごうと決心し、院内も改装して、「ほさか歯科クリニック」として開業したんです。その父も亡くなり、昔の話を聞ける先輩がいなくなって少し寂しい思いです。

なぜ、歯周病を専門にしたのでしょうか?

大学ではさまざまなことを勉強しましたが、その中で一番理解が難しく奥が深いと思ったのが歯周病なんです。義歯治療であれば、はっきりと目に見える変化がありますが、歯周病治療は、歯石を取って歯茎が引き締まるというように、治るといっても見た目の変化は微々たるものです。このように、成果としては細かい分野のほうが実は面白いのではないかということ。そして、その治療によって歯が少しでも長く残せるのであれば、それは素晴らしいことだと思ったのです。実際に、矯正や義歯などすべての治療の入り口に歯周病治療がくるというのがわかり、その重要性を再認識したことも大きいですね。

最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

穂坂康朗院長 ほさか歯科クリニック6

開業するにあたり私は、祖父、そして父が診療してきたここ以外は考えませんでした。場所と一緒に歴史を受け継ぎたかったからです。ただ、かつては商店街だったこの場所も住宅街に変わり、近隣にはマンションも増え、若いご夫婦も多くなってきたように思います。それでも地域の皆さまに、おいしく食事ができる快適なお口の状態を少しでも長く維持できるようメンテナンスや治療のご提案をするのは、おそらく祖父の代から変わっていないことだと思います。それを続けながら、歯周病で悩む人をできる限り少なくしたいですね。今後は、矯正治療やインプラント治療も充実させ、患者さんのお口を総合的に治療できる環境を整えたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

【インプラント治療】検査・診断料/3万円、インプラント手術/1歯につき20万円、二次手術/5万円、仮歯/1歯につき1万円、インプラント上部構造物/1歯につき15万円~
【歯周病治療】フラップ手術/1歯につき2万円(※歯周組織再生療法を行う場合はプラス5万円)
【審美歯科】セラミックの詰め物/5万円、セラミックのかぶせ物/12万円、ラミネートベニア/10万円 (いずれも税抜き価格です)

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

Access