松下 秀一郎 院長の独自取材記事
松下歯科クリニック
(横浜市緑区/鴨居駅)
最終更新日:2026/06/10
鴨居駅から徒歩10分、駅前エリアと昔ながらの住宅地が隣接する町の一角にある「松下歯科クリニック」。松下秀一郎院長は、2014年の開業以来、予防歯科と歯周病治療を中心に「多様なニーズに応えるかかりつけ医」をめざし、口腔のトータルケアに注力してきたという。患者数の増加に伴い手狭になってきたことから、全面的な改装を実施。より充実した診療環境で、妻で矯正を専門とする松下香織先生やスタッフとともに、患者の10年後、20年後を見据えた診療に取り組む。気さくな語り口と真摯な診療姿勢も印象的な松下院長に、診療の特徴や地域への思いなどについて話を聞いた。
(取材日2026年4月8日)
予防と歯周病治療を軸に、小児矯正・成人矯正にも注力
最近、リニューアルされたと聞きました。

そうです。開業以来、ありがたいことに患者さんが増えて手狭になり、移転を考えていたのですが、近くに良い場所が見つからなかったので、2ヵ月間休診して全面的に改装しました。歯科のマイナスイメージを払拭して、なるべくリラックスして診療を受けていただけるようにというコンセプトはそのままに、クリニックのテーマカラーのグリーンは少しシックな色合いにして落ち着いた雰囲気にしました。ユニットも4台から6台に増え、妻の松下香織先生の診療時間も増やしているので、予約も取りやすくなったと思います。香織先生は一般歯科出身ですが、必要性を感じて矯正の研鑽を積んでおり、今は、矯正と一般診療に対応しています。今回の改装にあたっては香織先生やスタッフの意見をかなり取り入れて、キッズスペースなども工夫したんですよ。
治療面にはどのような特徴がありますか?
開業以来、予防歯科と歯周病治療という診療の柱は変わっておらず、そこが当院の根本的なベースになっています。当初は、この考え方がどこまで理解されるのか不安でしたが、いざ診療を進めていくと、患者さんも定期的なメンテナンスの大切さを理解してくださり、きちんと通ってきてくださる方が増えてきました。リニューアル後もその基本は変わりませんが、今後は、予防歯科を一歩進めて、口腔機能管理にも取り組みたいと考えて、スタッフとともに勉強や準備を進めています。口呼吸など子どもの口腔機能発達不全症や、オーラルフレイルといわれる高齢者の口腔機能低下症に対応できるようにしたいと考えています。また、口腔機能にも関連する小児矯正や、トータルな視点からの成人矯正にも力を入れています。
トータルな視点からの矯正とはどのような治療なのでしょうか。

矯正というと、歯並びの見た目を整えるというイメージがあると思います。もちろん見た目も大切ですが、当院では、将来的に歯や口腔機能を守るという観点から、矯正を考えています。というのも、患者さん本人が気づかない歯並びや噛み合わせの問題から、歯にかかる力のバランスが崩れて、負担のかかる歯が悪くなり、将来的に歯を失う可能性が高いと考えられる場合があるのです。また顎関節症も、歯並びが原因で関節がすり減っている場合も少なくありません。歯にかかる力の負荷は大きいので、バランスが崩れると顎関節にも影響が出るのですね。歯周病でグラグラするようになった歯がある場合にも、噛み合わせのバランスが崩れて、ほかの歯に影響することもあります。ですから、当院では、将来にわたっても口腔全体の健康を守るというトータルな観点から、矯正をご提案しています。
トリートメントコーディネーターによる説明も実施
先進の機器や設備が充実しているのも特徴と聞きました。

そうですね。治療の質を高めることはもちろん、治療の際の患者さんの負担を軽減することに役立つ機器を積極的に取り入れています。例えば、従来の粘土のような印象材を使った型採りの場合、一定の割合でやり直しが発生しますが、当院では、口腔内スキャナーを利用するのでやり直しが少ないですし、患者さんの負担も減ります。2024年6月からインレーという部分的な詰め物の治療における口腔内スキャナーの使用には保険が適用されるようになり、より活用する機会が増えました。インプラント治療でも、口腔内スキャナーやサージカルガイドが活用できる精度の高い機器を導入することで、患者さんの負担を減らして、安心して治療を受けていただけるようにしています。
歯周病治療についても教えてください。
歯を支える歯茎が健康でないと、どのような良い治療を行っても歯を支えることができませんから、すべての歯科処置の土台となるのが歯周病の治療と考えています。どの患者さんにもまず歯周病をチェックし、歯周病の進行度合いが軽度であれば歯石を除去し、必要に応じてブラッシングの指導を行います。歯周病菌がたまる歯周ポケットが深い場合は、歯石の除去に数ヵ月を要することもありますし、さらに進行して歯の保存が難しいと判断した場合は、患者さんの同意を得た上で抜歯して欠損部を補綴します。また、ベーシックな歯周病治療後も状態が悪く、さらに進行して歯や骨が溶けてしまうようなケースでは、歯周組織再生治療を行っています。当院で採用している歯周組織再生治療は、2016年から保険適用になったこともあり、適応する患者さんには積極的にご説明させていただいています。
診療の際、大切にされているのはどのような点ですか?

インフォームドコンセントを重視し、患者さんに安心して治療を受けていただくことが私の診療方針です。ですから、説明はしっかりしているつもりですが、より充実した説明の実施を目的に、トリートメントコーディネーターによる対応を行っています。トリートメントコーディネーターとは多岐にわたる歯科治療について説明し、歯科医師と患者さんの仲介役という役目を担います。最近は、保険診療にもさまざまな材料が導入され、選択肢が増えています。ですから、当院ではトリートメントコーディネーターが、紙やタブレット型端末の資料、模型なども用いて、治療方法や使用する材料、保険診療や自由診療についてわかりやすくお伝えしています。治療が多様化して、患者さんも治療に対する価値観や情報に不安や疑問を持たれることが多いかと思いますので、気軽にご相談いただきたいですね。
子どもから高齢者まで幅広い世代の口腔の健康を守る
ところで、この地で開業された経緯を教えてください。

大学病院の口腔外科に勤務していた頃「自分は幅広く診られる歯のスペシャリストになろう」と思い立ち、都筑区にある歯科医院で約10年間勤務し研鑽を積みました。そこで学んだ「症状にとらわれず、長期的な治療計画を立てる」ことの重要性が、当院の「歯周病を軸にした治療方針」の原点になっています。まずは歯の土台となるところを大切にするという考え方ですね。また、横浜はジャズが盛んな点や港町であることなど、大学時代を過ごした福岡県小倉との共通点が多く、いつの間にか好きな街になっていたことから開業の地に決めました。
今後に向けて、どのような展望がありますか?
開業以来、幅広い年代の患者さんに来ていただき、特に定期検診の患者さんが増え、地域の皆さんの歯科予防に対する意識の高さを感じてきました。リニューアルにより診療環境も拡充することができましたので、予防歯科と歯周病治療を中心に、それぞれの治療をより充実させていきたいですし、口腔機能管理や矯正といった広い視点での口腔の健康づくりにも取り組みたいと思っています。課題としては、患者さんのニーズに十分に応えられるように、歯科衛生士を増員することです。昨今、人材確保は容易ではありませんが、当院の診療方針を理解して、ともに頑張ってくれる仲間を増やしていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は、ファミリー世代も多い駅前エリアと、昔からお住まいの方が多い住宅地エリアが交差するところに位置しているので、小さいお子さんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんが来てくださいます。それぞれの年代に課題があり、それぞれに適した多様な治療法が必要になるので、満遍なく対応できるように勉強してきたことが生かせていると感じています。おかげさまで開業以来、長く通ってくださっている方も多く、お口の状況をしっかり考えて、予防歯科や歯周病治療に取り組んでくださっていることは本当にありがたいと思います。私たちにも日々の診療を積み重ね、患者さんとの信頼関係を育み、この地域のお口の健康管理に貢献してきたという自負があります。引き続き、お口の健康の維持のため、患者さんとともに頑張っていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/小児矯正:27万5000円~、成人矯正:99万円~、審美歯科/オールセラミッククラウン:8万8000円~、インプラント治療/42万9000円~、ホワイトニング/1万6500円~

