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櫻井 丈 院長の独自取材記事

医療法人 社団 理桜会 向ヶ丘胃腸・肛門クリニック

(川崎市多摩区/向ヶ丘遊園駅)

最終更新日:2019/08/28

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院内図を見ると、まるでスパのように男女のスペースがくっきり分かれている「向ヶ丘胃腸・肛門クリニック」。その理由は、患者が恥ずかしさを理由に来院を控えてしまうことがないよう、徹底したプライバシー管理を行ったためだ。最初から最後まで男女が顔を合わせないで検査できるほか、検査後に患者が入るリカバリールームに至るまで個室という徹底ぶりだ。また同院の無痛内視鏡検査では、麻酔を使う必要がないほど痛みの少ない短時間での検査を可能にしている。「……これなら内視鏡やってもいいかも」と患者に思わせるクリニック作りをめざしたという櫻井丈院長。医師をめざし、消化器外科を専門に選んだ裏にはがん予防への深い思いがあった。そんな櫻井院長の医療にかける熱い思いを伺った。
(取材日2014年4月7日)

胃がん、大腸がんは予防できる!専門医ならではの自信

無痛内視鏡検査とはどんな検査ですか?

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大腸のカメラは力量の差が強く出る検査です。麻酔を大量に使い、無痛内視鏡検査と標榜しても、患者さんの負担が大きいですよね。そこで当院では、希望がない限りは麻酔は一切使わないようにしています。実際に、これまでに来院された患者さんに麻酔を使ったのは2分の1程度です。使わなくても大丈夫なほどのつらさなのです。僕がクリニック名を「向ヶ丘胃腸・肛門クリニック」としたのも、自分の自信のある分野だけを、責任を持って提供したいという考えがあってのことでした。正確な診断や安全に検査を行うということにおいて、専門外の医師が内視鏡検査を実施するのは、実は相当なリスクが伴う行為です。本当に早期の胃がんを発見するためには、専門の医師を選ぶことは大事なことなんですよ。

麻酔を使わなくても痛くないのはどうしてですか?

腸に必要以上に空気を入れたり、内視鏡を押し入れたりしなければ、実は麻酔を使わなくても痛みはほとんどありません。当院では空気の注入量を抑えるために、空気を使った視野の確保をせずに、先端フードという内視鏡に付ける透明なキャップを使用しています。そして、注入する空気は血液に吸収されやすい二酸化炭素。これにより、検査後にお腹が張ったり、おならがたくさん出たりすることもなくなり、検査中はもちろん、検査後の患者さんの負担も軽減しています。

大腸のカメラの検査はどのくらいの時間がかかりますか?

病変の数によりますが、平均10〜15分くらいです。大腸検査ではいったん奥までカメラを入れ、それを引き抜きながら観察します。引き抜く速度は途中にある病変の数で変わるため、時間の目安となるのは奥までカメラを入れるのに要した時間。その平均が10分くらいです。なにも病変がない方は、その後5分程度で引き上げられます。奥に到達するまで2分、引き上げるのに4分と、最速6分で終わったこともあります。難しい症例の方ですと、30分前後かかったこともあります。速ければ良い、というものではなく、患者さんが苦しまないようにどんな工夫ができるかが大切だと思っています。内視鏡の洗浄は日本消化器内視鏡学会から正式に承認されている消毒方法を取っています。これですべての病原菌が除去できるのです。さらに、処置具については消毒して繰り返し使っているイメージもあるかと思いますが、コストはかさみますが当院では安全性を最大限優先して人の血液が付着する器具はすべて使い捨てにしています。

指導医の資格を多数お持ちの先生ですが、胃腸の最先端の医療について教えてください。

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若いうちにピロリ菌を除去することで胃がんの患者数を10分の1にすることができることがわかっています。つまり、ほとんどの胃がんがピロリ菌による感染症なのです。ピロリ菌は3歳から5歳の間にほとんどの方が感染します。そのため、何歳でピロリ菌を除菌したかが大事になってきます。70歳で除菌したとしても、それまで60年以上ピロリ菌に痛めつけられてしまった胃の発がんリスクを抑えるのは困難です。しかし、30歳で除去すれば、ピロリ菌が原因で胃がんになることはほぼなくなります。大腸がんも似たようなことが言えます。大腸がんはポリープが育ってがん化することが解明されています。現在、市町村で行われている便鮮血検査では、大腸がんを未然に防ぐことはできません。しかし、内視鏡を使ってポリープががんになる前に除去すれば、大腸がんも発症を10分の1にできるのです。

もう母のような患者を出さないために…… がん予防にかける思い

先生が治療のうえで大事にしていることはなんですか?

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手術前に、患者さんとの信頼関係を作ることを何よりも大事にしています。現代の医師は、手術などの処置をする際に「こういうことも起こり得る」という合併症の話ばかりになってしまいがちだと感じます。しかし、手術を前に不安でいっぱいの患者さんにそういったことばかり話すのは、あまり良いことではありません。だから、僕は患者さんに「今から言うことは立場上、言わないといけないけれど、もしも合併症が起こっても、適切な処置を施すことができます。だから、僕に任せてくださいね」とお声をかけ、できる限り安心してもらうように心がけています。また、日帰り手術の際には、私直通の携帯電話の番号をお教えしているんです。万が一、合併症が起きた場合は電話を頂ければ、連携関係にある聖マリアンナ医科大学病院と川崎市立多摩病院まで僕が処置のために駆けつけます。

信頼関係を大事にするのはなぜでしょうか?

人と話すことが好きで、患者さんとはよく雑談をしていました。勤務医として働きだしたころから朝早く病棟に行くようにしていたんです。朝8時からカンファレンスが始まってしまい、病棟の患者さんとお話ができなかったからです。朝7時前には病棟に行って、1時間ほど診察や雑談をしていました。結果的に、その時の会話が患者さんとの人間関係を作っていたと気が付いたんです。主治医という立場になっていくにつれ、そういうものを強く意識し始めた頃です。手術をするから信頼関係が生まれるのではなく、その前に「この人に命を預けよう」と思ってもらえるかどうか。僕がこうして病院を離れて、大学病院という肩書きがなくても僕のところに来て下さる患者さんの中には、そういった命の契りを結んで下さった方も多く、心が救われる思いです。これまで一生懸命やってきたことが全て報われた気がしました。

先生が開業されたきっかけは何だったのですか?

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実は、僕は母をピロリ菌が原因の胃がんで亡くしています。母はがんが見つかってから、2年半しか生きられなかったんです。そんな状態になるまで何をやってたんだろうと、当時は自分のことをすごく責めました。どうしてもっときちんと検査をしてあげられなかったのかと。母はがんが見つかってからすぐに入院し、抗がん剤治療を開始しました。放っておけば3週間程度しか持たないような状態でしたが、その一か八かの抗がん剤治療がすごく効いたんです。肝臓を摘出したらがん細胞がなくなり、半年ほどまた抗がん剤治療をした後、胃を全部摘出して、一見治ったかのように見えたんです。ですが、現実はやはり甘くなく…骨や頭にも転移していました。そうして母は亡くなりました。メスの限界を感じたというか、ものすごく敗北感を味わった日々でしたね。実はそれまで、長年大学で勤務していましたから、僕はこの先も大学病院の中で生きていくのだと思っていました。でも、母のがんがあってから意識が変わったんです。がんを予防できる手段があるのに、みんなやっていない。それを知らない。だからこそ、もっともっとがんになる前の段階で、みんなを救ってあげられたらと思ったんです。がんになってからの処置じゃなく、その前の水際でしっかりと防ぐ仕事をもっともっとやりたい。大腸の検査はつらくて苦しい、恥ずかしいと敬遠され、これまで早期発見のチャンスが逃されてきました。だからこそ、当院を開業するにあたってそういったつらさ・恥ずかしさを極力なくす設計を考え抜きました。とにかく誰もが気軽に内視鏡検査を受けられる場を作りたいんです。

女性のがん死亡率1位は大腸がん 2年に1度は検査を

先生が医師をめざすようになったのは、いつ頃でしたか?

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小学校1年生の頃には、もう医者になりたいと作文に書いていました。父が医師をやっていた影響ですね。その頃は、医師がどういうものかもあまりよくわかっていませんでした。しかし、僕が野球で頭を切る怪我をした時に、たまたま家にいた父がその傷を縫ってくれたことがありました。ぱっくり割れて、血がだらだら出ていたのに、あっというまにきれいになって、しかもその処置が痛くなかった。その時、父、そして医師のすごさを身に染みて感じました。専門は父と同じ消化器外科を選びました。もう一度初めに戻ってどれかを選べ、と言われてもまた消化器を選ぶほど、僕はこの科でできることに意義を感じています。がんの死亡率で高いのは胃がん・肺がん・大腸がんの3つ。しかし、先ほど述べたとおり、胃がん・大腸がんはやり方次第でものすごく減らすことのできるがんです。がんを減らせる臓器というのはそんなに多くはありません。そこに携わっていられることに、価値を感じるのです。

休日はどんなことをしてリフレッシュしているのですか?

マラソンですね。不規則な生活で体重が増えたことがあり、8年前から走り始めました。しかしただ走るだけではつらいので、その時に半年後のハーフマラソンに目標を置いたんです。それ以後はフルマラソンを年1回、ハーフマラソンも年2回くらいのペースで定期的にチャレンジしています。陸上競技の医療ボランティアとしても参加していますよ。実際、去年の大阪マラソンでも参加してきました。医療ボランティアには、テントで待機するパターンと、走りながら具合の悪い人を見つけるパターンがあります。実は先日の東京マラソンでタレントの松村邦洋さんが倒れたときに最初に気が付いたのも、医療ボランティアとして参加していた僕の後輩だったんです。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

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女性がかかるがんの死亡率1位は、実は大腸がんです。そして2位が胃がんです。しかし、その認識が女性にまだあまりないように感じています。乳がん・子宮がんならば気を付ける方は多いですが、大腸がんになるとなぜか多くの方が「大丈夫」と思い込んでしまうようです。確かに、40代から50代の女性の乳がんの罹患率はと高いですが、乳がんは社会的な関心もあり検診が普及していて早期に発見される例が増えてきています。しかも、ホルモン療法・放射線療法・抗がん剤と治療法も多くあり、それで命を落とす人は本当に少なくなりました。しかし、大腸がんは、外科的な手術以外に治療法が未だにほとんどありません。したがって、より早期に発見することが大事なんですね。さらに言ってしまえば、がんを作らなければ一番良いのです。40歳を越えたら、1度は大腸の検査を受けてください。おそらくポリープの1つや2つ出てくる方が大半だと思いますが、そのポリープを取ってしまえば、2年間は大腸がんの心配をしなくてもいいんです。さらに30代〜40代の女性の方は、意外と痔のご相談に来られる方が多いです。実は女性の2人に1人は何らかの痔を持っていると言われているんですよ。人に言うのが恥ずかしくてこっそり薬局で薬を買って処置している方も多いですが、塗り薬だけでは治らないケースもたくさんあります。男女が鉢合わせない、徹底したプライバシー管理を行っている構造の当院なら、気兼ねなく来ていただけるのではないかと思います。大腸の検査をする際に、合わせて痔も治療できますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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