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櫻井 丈 院長の独自取材記事

向ヶ丘胃腸・肛門クリニック

(川崎市多摩区/向ヶ丘遊園駅)

最終更新日:2020/04/09

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駅から徒歩2分という立地にある「向ヶ丘胃腸・肛門クリニック」。受付から診療、リカバリー室まで男女別に分けられている。内視鏡検査を受診しやすいよう環境を整えた院内づくりからも、櫻井丈院長の予防に対する熱い思いが感じられた。櫻井院長は、大学病院で経験を培ってきたが、がんの早期発見に努め、一人でも多くの患者の命を救いたいという思いから開業。患者思いで診療に熱心なドクターだ。そんな櫻井院長に医療にかける思いをたっぷりと語ってもらった。
(取材日2019年4月26日)

母の死を経て、患者の命を救うべく開業を決意

最初に、医師をめざしたきっかけを伺えますか?

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大学病院の消化器外科で医師をしていた父の影響が大きいですね。僕が小さい頃、一度、けがをして父に縫ってもらったことがあったのですが、そのときに、傷痕がきれいになっているのを見て、外科ってかっこいい仕事だなと思いました。また、目に見える形で病気を治すことができるところに、外科の面白さを感じ、大学卒業後は消化器外科の道に進みました。開業に至るまで大学病院に勤務し、内視鏡検査、手術、外来、会議、講義と多岐にわたる業務に携わってきました。患者さんとのミスマッチを防ぐ意味だけでなく、僕自身、患者さんと話をするのが好きで、当時、忙しくとも病棟には朝早くに行ってコミュニケーションを取っていました。それが僕にとっての楽しみでもありましたね。

その後、開業を決意されたのはなぜでしょうか?

当初、開業を考えていなかったのですが、母がピロリ菌を原因とする胃がんを患ったことがきっかけとしてあります。僕の家は、父も兄も大規模病院の外科の医師だったのですが、母は治療に際し、僕のところで治療を受けることを選んでくれたので、その思いに応えるべく、力を尽くしました。けれど、母は亡くなってしまい、そのとき、メスで人を救えないこともある、というのを思い知ったのです。そのような状態になる前に患者さんが気軽に内視鏡検査を受診し、がんを早期発見できる環境があれば、もっと多くの患者さんの命を救えるのではないかと思いました。それまで母の治療のために僕は生きてきたところがあったので、しばらく喪失感が大きくあったのですが、その思いを実現すべく、母の亡くなった翌年にはこちらで開業しました。

開業に際してこだわった点はありますか?

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以前の勤務先の聖マリアンナ医科大学病院で診療していた患者さんを引き続き診られるよう、その近くで開業したいと思いました。現在はこの地域にお住まいの方だけでなく、逗子や箱根といった遠方からも患者さんがお越しになります。当院はクチコミでの来院がたいへん多いですね。開業に際して、患者さんが検査を受診しやすい環境を整えるべく、院内づくりにこだわり、男女別に受付、診療室を分けました。検査着で院内を歩くので、特に女性の患者さんは安心してご利用いただけると思います。また、大腸内視鏡検査では空気がおなかに入り、検査後おならが出やすくなるので、お休みいただくリカバリールームは個室になっています。女性だけでなく男性の患者さんにも、プライバシーを配慮した院内づくりになっていると思います。

怖くない内視鏡検査を行えるように凝らされた工夫

改めて、こちらではどのような診療を行っているか伺えますか?

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消化器の診療を中心に、主に胃、大腸の内視鏡検査を行っています。当院にかかっている患者さんで持病のある方は、併せて体全体を見て診療させていただいています。若いうちは自分ががんになることを考えにくいかもしれませんが、30代以降になると身体に不調をきたすようになります。ちょっとでも不安がよぎったら、内視鏡検査を受けていただきたいですね。当院では、中学生から95歳の患者さんが内視鏡検査を受診しています。中学生の患者さんでも問題なく検査を受けていらっしゃいますよ。

怖くない内視鏡検査の工夫とはどのようなものでしょうか?

内視鏡検査に際し、鎮静剤の使用は患者さんにお選びいただいています。最近は、ぐっすり眠っている間に検査を受けることを望まれる患者さんが多いですね。一方で、基本的に検査自体に痛みはほぼありませんので、当院では痛み止めは使用しません。腸を押したり伸ばすことなく内視鏡を挿入し、注入する空気は血液に吸収されやすい二酸化炭素を用いるので痛みを和らげ、また検査後におなかが張ったり、おならが出るのも抑えます。それから検査を行うにあたって重要なのが、看護師のサポートです。当院には内視鏡について専門的に学んだ看護師が3人おり、その他のスタッフも長年一緒に勤務し、専門性を備えています。検査が初めての患者さんにも、安心して受診いただけると思います。

では、どのようなタイミングで検査を受診したら良いでしょうか。

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胃に潜むピロリ菌は若いうちに除去する必要があります。20代までにピロリ菌の有無を検査し、発見した場合も除去してしまえば、その後ピロリ菌による胃がんの発症は防ぐことが期待できるといわれています。早めに手を打つことで、将来の安心を手に入れることにつながるので、20代のうちに一度、胃の内視鏡検査を行うことをお勧めします。大腸内視鏡については、検診で引っかかった場合、また血便が出た場合は年齢を問わず受診ください。また、40歳から70歳の男女になると約半数が大腸がん、または大腸がんに発展する可能性のあるポリープ(腺腫)を抱えているという日本における臨床試験の報告があります。40歳になったら、3、4年に一度は受診いただきたいですね。定期的な内視鏡検査の受診が、自分の命を守ることになるのです。

患者のクチコミで広がる予防に対する意識

その他、がんの早期発見に向け、取り組まれていることがあれば教えてください。

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今まで大腸内視鏡検査を怖がり、頭ごなしに拒んできた患者さんが検査を行った結果、がんが見つかり、治療につながった例というのを幾度となく見てきました。そうした患者さんに、僕はあるミッションをお願いしています。それは、実際の大腸内視鏡検査は苦しくないこと、そのおかげで病気の治療ができたこと、この2点について最低5人に伝える、というものです。必ずしもその検査を当院で受けていただく必要はなく、内視鏡の受診者数の裾野を広げるために患者さんにお願いしています。そこには、患者さんのクチコミを通じ、一人でも多くの患者さんをがんから救いたいという強い思いがあります。皆さん快く応じてくださっているのがうれしいですね。

診療する際に心がけていることは何ですか?

朝6時にはここへ出勤し、開院前にその日に来院する患者さんの検査データやカルテをチェックしています。検査結果の画面を見ながら患者さんを診察するのは失礼だと思うのと、そうして事前に患者さんの情報を頭に入れておけば、診察中に患者さんと向き合って話をする時間を長く取ることができるからです。患者数が増え、一人に割ける診療時間も限られますが、患者さんからはありがたいことにご理解いただけています。その声を聞く度に、これまでの自分の努力は無駄ではなかった、と思い返すことができますね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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開業当初、10年後に内視鏡検査数が3000件に到達することを目標としていましたが、おかげさまで、それは3年目には達成することができました。現在、年間3200件ほどの検査を行っており、それが今のマンパワーでは限界と考えています。このままでは、大規模病院で検査を受診するのと同じくらいお待たせしてしまう状態になりかねませんので、患者さんになるべく早く検査の予約をお取りいただけるよう、効率を見直し、改善を図れるように努めているところです。しかしながら、それぐらい患者さんにとってどこで検査を受けるか、というのは重要な問題なのだと再認識させられました。このクリニックを選んでくださることに感謝するとともに、これからも変わらず誠意を持って診療に取り組んでいきたいと思っております。

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