内海 大輔 院長の独自取材記事
うちうみ歯科クリニック
(練馬区/江古田駅)
最終更新日:2024/07/02

生まれ育った練馬の地で地域のかかりつけ歯科医院をめざす「うちうみ歯科クリニック」の内海大輔院長。虫歯や歯周病の治療のほか予防歯科、根管治療、入れ歯やインプラント治療まで幅広く対応している。中でも日本歯周病学会歯周病専門医として力を入れているのが歯周病治療だ。予防はもちろん外科処置など専門性の高い治療にも対応する。診療モットーは「人を診る」ことだと語る内海院長だが、あらためてそう思うようになったのは、どのようないきさつがあったのか。子どもたちと陶芸教室で作った作品などがさりげなく飾られているアットホームな院内で詳しく話を聞いた。
(取材日2023年6月27日)
生まれ育った練馬で地域のかかりつけ歯科医院をめざす
まず、地元で開業した思いについて聞かせてください。

子どもの頃から知っている人が多い地元で開業するというのは、知らない場所以上に覚悟も必要でした。でも、町に根づき地域の人たちに支えられながら、誠実に歯科医療を提供していきたいという思いは当時も今も変わりません。やはり、患者さんは近隣にお住まいの方が多いですね。年齢層は0歳から90歳代までと幅広く、この頃は一人の患者さんの診療をきっかけに、その方の知り合いや家族が来院するケースも増えている気がします。当院は地域のかかりつけ歯科医院をめざしていますので、ご家族の健康管理の一助となれるのはとてもうれしいことです。
どのような訴えの患者さんが多いのでしょうか。
虫歯や歯周病のほか「歯が痛い」「歯が折れた」などの緊急を要するものやメンテナンスなどさまざまです。最近はインプラント治療を希望する方も増えていますね。歯は使い方によって削れたり割れたりするのですが、歯に強い力が加わるのは食事ではなく、むしろ歯ぎしりや食いしばりの場合もあります。歯を長持ちさせるには、さまざまな場面で歯にかかる強い力をコントロールしていく必要があるんですね。人生100年時代が到来しても生涯にわたって自分の歯を使うため、虫歯や歯周病の予防に加えて、噛む力のコントロールにも力を入れていきたいと思っています。
治療の流れについて教えてください。

患者さん一人ひとりの要望に応じて治療を行っています。急な痛みで来院した患者さんへの虫歯治療などを行う一方で「口の中全体の健康が気になる」という場合も対応可能です。そういった患者さんには、まず口腔内写真やエックス線の撮影、歯型の採取、歯周ポケットの測定などの各種検査を実施。収集したデータに基づいて虫歯や歯周病、顎の関節、噛み合わせ、歯並びなどに問題がないか診断します。口の中の現状、治療方法、予防法などを患者さんにじっくりと説明しますが、だいたい30分はかけるでしょうか。そして、患者さんのご希望とすり合わせたら治療開始です。ただ、忘れてはいけないのは歯の健康を保つのに一番影響しているのは自宅でのケアや食事という点。歯磨きや口腔ケアの方法、どんなものをどのタイミングで食べたら良いのか等、治療と予防を並行して進めていくのが当院のスタイルです。
歯周病治療の専門家として予防から専門的治療まで対応
歯周病を専門にしたきっかけを教えてください。

昭和大学歯学部を卒業後に同大学大学院歯学研究科歯周病学専攻に進み、卒業後は大学病院や都内の歯科医院で経験を積んで、日本歯周病学会歯周病専門医を取得しました。歯周病は成人の日本人の約8割が罹患しているといわれていますが、悪化しなければ症状が出ないため自分ではなかなか気づきません。だからこそ、治療だけではなく予防も非常に重要だと、大学時代に先生方の診療を見る中でも痛感しました。予防に注力し、早期からたくさんの人たちの口の中の健康をサポートしたいと考えたのが、歯周病を専門にしたきっかけです。
こちらではどのように歯周病治療を行っていますか。
歯周病治療は専門分野なので特に力を入れていて、進行度合いに応じた治療を行っています。歯科衛生士による歯周ポケットの検査やクリーニングはもちろん、進行した歯周病に対しては歯周組織再生療法も可能です。また、不正咬合、喫煙などは歯周病の進行を加速させてしまうことがあります。このようなリスクをお持ちの患者さんに対しては、矯正治療による噛み合わせの調整、禁煙指導なども行います。なかなか自覚が難しい歯周病ですが「歯磨きをすると出血する」「口臭が気になる」「歯肉が痩せた」「歯が揺れる」「食べ物が歯と歯の間に詰まる」などの症状がある場合は、できるだけ早く受診してください。
治療のための新しい機器も導入したと伺いました。

患者さんの負担が少なく外科処置に近い効果が期待できるレーザー治療器を導入しました。これにより、これまで外科処置が難しかった高齢の方や、どうしても手術には抵抗があるという方へも外科処置に近い治療ができるようになりました。また、同時期に口腔内3Dスキャナーも導入したのですが、マウスピース型装置を用いた矯正や、3D画像をお見せしながらの患者さんへの説明などに役立てていますね。さらに、より精度が高いクラスBの滅菌器も取り入れました。今後とも気を緩めることなく感染症対策にも取り組んでいきたいと思っています。
技術や知識だけでなく人を診る治療を心がける
診療で心がけていることはありますか?

「人を診る」ことですね。きっかけとなったのは、3年前の大晦日、家族旅行のスキーで大けがをして一人でタクシーに乗って病院に行った経験です。知らない町の知らない病院で不安な中、運転手さんや看護師さんの優しさが身にしみました。一方、医師がエックス線画像ばかりを見て、自分と向き合ってくれない印象を受け、残念でした。それまでの私は「歯科医師は、知識と技術があれば患者さんは満足してくれる」と思っていましたが、自らが患者になったことであらためて、医療従事者には人としてのぬくもりが一番大切だとわかったのです。以来、温かな診療を提供するためにユニフォームも青からピンクに変え、冷たい印象を与えないよう工夫をして患者さん一人ひとりの価値観を重視するようにしています。患者さんに寄り添う大切さはよく言われますが、こればかりは自分が患者にならないと身にしみませんよね。
スタッフとの連携も大切にしていると伺いました。
例えば、患者さんが最初に接する受付のあり方から大事だと思うんです。初めて来た患者さんが受付でひどい対応をされたら「もう来たくないな」と、思ってしまうかもしれませんよね。待合室から診察室へも、つえをついている方などはゆっくりと案内するなど、そういうところ一つ一つを大切にしていこうとスタッフとも話しています。診療に関しても歯科医師、歯科衛生士それぞれに得意な処置や分野があるので、チームで患者さんを診るようにしているのも当院の特徴の一つといえるでしょう。スタッフ一同、笑顔はもちろんあいさつも忘れません。私自身、診察の際には「おはようございます◯◯さん」と、お名前を呼びかけるようにしているのですが、今後も続けていきたいですね。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

これからも「何かあったらあそこに行こう」と、思ってもらえるような地域のかかりつけ歯科医院を目標にしていきたいです。新型コロナウイルス感染症の流行下で通院が途絶えてしまい、もし久しぶりに来てくれた方の口の中が大変なことになっていたら、悔しいです。「また行きたい」という場所になれるよう、スタッフ一丸となって力を合わせていきますので、ぜひ定期的にお顔を見せてください。今、特に痛い場所がなくても、自分の口の中がどうなっているのか、興味を持ってのぞいてみることから始めてみませんか。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/22万円~、歯周組織再生療法/8万8000円~、矯正/3万3000円~、セラミックによる補綴治療/4万4000円~、ホワイトニング/5500円~