全国のドクター9,438人の想いを取材
クリニック・病院 160,466件の情報を掲載(2022年9月29日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 千代田区
  4. 内幸町駅
  5. 原プレスセンタークリニック
  6. 原 茂子 院長

原 茂子 院長の独自取材記事

原プレスセンタークリニック

(千代田区/内幸町駅)

最終更新日:2022/05/30

40669 top

都営三田線・内幸町駅、東京メトロ各線の霞ケ関駅・虎ノ門駅、JR山手線・新橋駅から近い官公庁街に、報道関連の会社が集う日本プレスセンタービルがある。そのビルの地下、さまざまなクリニックが軒を連ねる医療フロアの一角に2013年4月に開業したのが「原プレスセンタークリニック」。腎疾患を専門とする原茂子院長は、明るい笑顔と優しい口調が印象的な先生だ。日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医の資格も持つ腎臓疾患診療のスペシャリストであり、約40年にわたって勤務した虎の門病院では部長を務めた経験も持つ。インタビューでは、70歳で開業するに至った経緯やクリニックの特色などについてじっくりと話してもらった。

(取材日2014年4月7日/更新日2022年3月15日)

40年以上腎疾患診療に携わるスペシャリスト

医師をめざしたきっかけを教えてください。

20220525 1

兄から「これからは女性も自立して生活していくことが大事なので、医師になったらどうだろうか」とアドバイスをされたのがきっかけです。名古屋大学医学部に進学した当時、女性の医学生は100人中7人程度しかいませんでした。私が大学生の頃は学生運動が盛んで、当時インターン制が廃止になったことへの抗議として、同期生のほとんどが医師国家試験をボイコットしていました。そのため、私も大学を卒業した年には国家試験を受けず、同期生と一緒に名古屋大学の関連病院を回って自主的インターンを行っていました。そして、神経内科を回った時に虎の門病院で研修を受けられた先生がいらして「臨床をやりたいと思うのなら、虎の門病院へ行きなさい」と助言してくださったのです。医師国家試験に合格すると、すぐに虎の門病院の採用試験を受け、その後はずっと虎の門病院で40年近く診療を続けました。

腎疾患を専門にしようと思った理由は何ですか?

虎の門病院には卒業後にレジデント制といって、各科をローテーションしてトレーニングする制度があります。内科だけでも神経内科や呼吸器科など7科くらいあって、一通り回った中で、最終的に腎疾患治療を専門にすることに決めました。かつて、末期の腎疾患は尿毒症で亡くなってしまう病気でしたが、1967年頃から日本で末期の腎疾患の患者さんに透析治療が行われるようになり、当時虎の門病院には三村信英先生という、透析治療に先駆的に取り組まれている先生がいらしたのです。私はこの先生のもとで学ばせていただき、腎疾患の治療、透析治療を専門とする臨床医になることを決意しました。その後、子育てのときも私が中断することなく医師を続けられたのは家族の支えがあったことが大きいです。

虎の門病院勤務を経て、開業に至るまでの経緯を教えてください。

2

2014年4月に70歳で当院を開業しました。虎の門病院時代は透析治療に力を入れてきたのですが、だんだんと透析に入る前の段階も診たいと思うようになってきて。ちょうど、このビルで開業していた「中澤プレスセンタークリニック」の中澤英樹先生の勧めがあったこともあり、「自分のやりたかった診療ができるなら」と開業を決意しました。中澤先生は虎の門病院時代の部長仲間で、「ここで一緒にやろうよ」と背中を押してくださいました。同じフロアにいる虎の門病院の元部長仲間である中田紘一郎先生など医師仲間がいたのが心強かったですね。当院にいる看護師や臨床検査技師、受付事務などのスタッフも虎の門病院に勤務していた方々です。同じ病院出身ということで、患者さんへの接し方や医療に対する考え方が共有できています。開業できたのも今日まで診療を続けられているのも、周囲のサポートがあってこそです。

医師仲間やスタッフと協力し合い、上質な医療を提供

こちらの特徴を教えてください。

20220525 3

腎機能低下の原因には、腎炎や糖尿病だけでなく、生活習慣病や腫瘍などさまざまな病気が潜んでいることも。病気を早期発見するためには定期検査が大切です。当院は迅速に測定できる機器を導入しており、血液検査や尿検査の結果を50分ぐらいでお伝えできるよう努めています。1〜2週間後に結果を話すより、その日のうちにきちんと結果を出して、適切な診断と治療に導くことが開業医としての使命だと思います。また、虎の門病院と医療連携を行っていますので、入院が必要なとき、MRIやCTなど特殊な検査を行う場合には虎の門病院に紹介しています。同じフロアで開業している仲間の医師ともお互いにサポートし合っています。高齢になると外科、呼吸器、腎臓というふうに、病気が一つだけでないことも多いですから、それぞれの開業医の持つ能力を引き出してお互いにカバーしながら、より質の高い医療を提供していくことを大切にしています。

クリニックの雰囲気づくりで心がけていることは何ですか?

患者さんにとって、アットホームで居心地の良い場所を提供したいと思っています。そのため、森をイメージして壁をグリーンにしたり、癒やされる空間にしました。スタッフのみんなと「ありきたりでない、少し雰囲気のある感じにしたいね」と相談して、随所にアートも散りばめました。また、フクロウをモチーフにしたアイテムを多く置いています。フクロウは学問と知恵の神で、かつてローマ時代のコインに描かれていたこともあります。日本だとフクロウは福を呼び込むイメージがあるので、当院のシンボルマークに採用しました。

やはり腎臓疾患の方が多くいらっしゃいますか?

4

実際には、あまり腎臓病の症状が出ていない方が多いですね。腎臓病というのはかなり悪くならないと症状が出ない病気で、症状が出たときには、すぐに透析が必要になるほど進行しているケースが多いです。だから、いかに腎臓病を未然に防ぐかということが重要になってきます。例えば尿検査の数値が悪くて、再検査のために訪れる患者さんもいます。検診で異常が見つかったら、放っておかずに再検査をすることが早期発見への近道です。また、私は40年にわたり虎の門病院で診療してきたため、長年かかりつけとして診ている腎臓病や膠原病の患者さんも多いです。一つの疾患、一人の患者さんを長く診ていると、病気全体の流れを把握することができます。

長年の経験に甘んじず積極的に新しい医療を取り入れる

医師として心がけていることは何ですか?

5

昔、虎の門病院の院長をされていた冲中重雄(おきなか・しげお)先生が述べられた「書かれた医学は過去の医学であり、目前に悩む患者の中に明日の医学の教科書の中身がある」という言葉があります。悩んでいる患者さんに対して、新しい医療を行っていくことが必要であるという考え方です。自分自身が年をとってくると、知識もマンネリ化しやすくなってきます。絶えず自分の姿勢や考え方をリニューアルしていかなければならないと思っています。医師になりたての頃に、あるイギリス人作家の小説を読んだことがあります。一つの診断を巡ってベテランと若手の医師の意見が対立するストーリーなのですが、たいへん感銘を受けました。時代が変わっても絶えず切磋琢磨し、知識を深めていくことが重要なのだと今も実感しています。

女性である先生の活躍の秘訣を教えてください。

虎の門病院時代に冲中重雄先生をはじめ、三村信英先生や、たくさんの素晴らしい先生方に出会えたことが大きいです。患者さんから教えられたことも多いですし、虎の門病院以外の先生から学ぶ機会もあり、皆さんの支えのおかげで、虎の門病院では臨床で部長になることができました。当時、女性が部長になることは少なかったんですよ。また学術的な関わりの中で、責任ある役割を担う機会もありました。与えられた仕事を引き受け、自分なりに頑張った結果だと思っています。今では女性に責任ある立場を与える風潮が高まっていますが、女医さんの中には結婚して家庭に入るなどして辞めてしまう方がまだ多くいらっしゃいます。私は現在、日本女性腎臓病医の会の顧問をしており、腎臓病を専門にしたい女医さんをサポートしています。これからも医学の世界で頑張る女医さんを応援していきたいですね。

ご趣味や健康のために実践されていることは?

6

趣味は働くことかもしれないです(笑)。虎の門病院で透析治療に関わっていましたから休日というのがなく土日もどちらかは病院に出ていました。でも、休日には美術館や音楽会に行ったり、本を読んで過ごしたりと気分転換を図っていました。健康で気をつけていることは、しっかり食べることと、よく歩くこと。食事は腹八分目でバランス良く、を心がけています。ウォーキングは一日7000歩が目標です。

Access