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原茂子 院長の独自取材記事

原プレスセンタークリニック

(千代田区/内幸町駅)

最終更新日:2020/04/01

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都営三田線・内幸町駅、東京メトロ各線の霞ヶ関駅・虎ノ門駅、JR山手線・新橋駅から近い官公庁街に報道界の拠点として知られる日本プレスセンタービルがある。そのビルの地下は医療フロアとなっており、さまざまなクリニックが軒を連ねている。その一画にある「原プレスセンタークリニック」は2013年4月に開業した、まだ新しくきれいなクリニック。腎疾患を専門とする原茂子院長は明るい笑顔と優しい口調が印象的な先生だ。約40年にわたって勤務した虎の門病院では女性初の部長を務め、日本腎臓学会や日本透析医学会では名誉会員に認定されている、素晴らしい経歴の持ち主である。インタビューでは、70歳で開業するに至った経緯やクリニックの特色などについてじっくりと語っていただいた。
(取材日2014年4月7日)

虎の門病院で40年間診療してきた、腎疾患のスペシャリスト

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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兄から「これからは女性も自立して生活していくことが大事なので、医師になったらどうだろうか」とアドバイスをされたのがきっかけです。名古屋大学の医学部に進学した当時、女性の医学生は100人中7人程度しかいませんでした。私が大学生の頃は学生運動が盛んで、当時インターン制が廃止になったことへ抗議する意思表示として、同期生のほとんどが医師国家試験をボイコットしていました。そのため、私も大学を卒業した年には国家試験を受けずに、自分で名古屋大学の関連病院をまわって自主的インターンを行っていました。そして、神経内科をまわった時に虎の門病院で研修を受けられた先生がいらして「臨床をやりたいと思うのなら、虎の門病院へ行きなさい」と助言してくださったのです。医師国家試験に合格すると、すぐに虎の門病院の採用試験を受け、その後はずっと虎の門病院で40年近く診療を続けました。

腎疾患を専門にしようと思った理由は何ですか?

虎の門病院には卒業後にレジデント制といって、各科をローテーションしてトレーニングする制度があります。内科だけでも神経内科や呼吸器科など7科くらいあって、一通りまわった中で、最終的に腎疾患治療を専門にすることに決めました。それまでは、末期の腎疾患は尿毒症で亡くなってしまう病気でしたが昭和42年頃から日本で末期の腎疾患の患者さんに透析治療が行われるようになり、当時虎の門病院で三村信英先生がその治療を先駆けて行っていました。私はこの先生のもとで学ばせていただき、腎疾患の治療、透析治療を専門にした臨床医になることを決意しました。その後、子育てのときも私が中断することなく医師を続けてこられたのは家族の支えがあったことが大きいです。

虎の門病院勤務を経て、開業に至るまでの経緯を教えてください。

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昨年の4月に70歳でこのクリニックを開業しました。虎の門病院にいた頃は、透析治療に力を入れてきたのですが、だんだんと透析治療ではなくて、透析に入る前の段階の診療も行いたいと思うようになりました。ちょうど、このビルで最初に開業された『中澤プレスセンタークリニック』の中澤英樹先生の勧めがあったこともあり、「自分のやりたかった診療ができるなら」と開業を決意しました。中澤英樹先生は虎の門病院時代の部長仲間で、「ここで一緒にやろうよ」と、背中を押してくださいました。やはり同じフロアにいる虎の門病院の元部長仲間である中田紘一郎先生などドクター仲間がいたのが心強かったですね。クリニックにいる看護師や検査技師、受付の事務などのスタッフも虎の門病院に勤務していた方々です。同じ病院出身ということで、患者さんに対する接し方や医療に対する考え方が共有できています。開業できたのも、みんなの協力とサポートがあったからこそ今日に至っています。

ドクター仲間やスタッフと協力し合い、上質な医療を提供

このクリニックの特徴を教えてください。

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腎機能が低下する原因には、腎炎や糖尿病だけでなく、生活習慣病や腫瘍などさまざまな病気が潜んでいることもあります。病気を早期発見するためには定期的に検査しておくことが大切です。当院では、迅速に測定できる機器を導入しているため、血液検査や尿検査の結果が20〜30分と短時間でわかります。1〜2週間後に検査結果を話すよりは、その日のうちにきちんと結果を出して、適切な診断と治療に導くことが開業医としての使命だと思います。また当院は、虎の門病院と医療連携を行っていますので、入院が必要なときや、MRIやCTなど特殊な検査を行う場合には虎の門病院を紹介しています。プレスセンターの同じフロアでは仲間のドクターが開業しているため、お互いにサポートし合っています。だんだん高齢化していくと外科、呼吸器、腎臓というふうに、病気がひとつだけでないことも多いです。そのため、それぞれの開業医の持っている能力を引き出してお互いにカバーしながら、より質の高い医療を提供していくことが大切だと思っています。

クリニックの雰囲気作りで心がけていることは何ですか?

患者さんにとって、アットホームで居心地のよい場所を提供したいと思っています。そのため、クリニックは森をイメージして入口に観葉植物を置いたり、壁をグリーンにしたり、癒される空間にしました。スタッフのみんなと「ありきたりのものではない、少し雰囲気のある感じにしたいね」と相談して、随所にアートも散りばめました。また、クリニックではフクロウをモチーフにしたアイテムを多く置いています。フクロウは学問と知恵の神さまで、かつてローマ時代のコインに描かれていたこともあります。日本だとフクロウは福を呼び込むイメージがあるので、クリニックのシンボルマークに採用しました。

やはり腎臓疾患の患者さんが多くいらっしゃいますか?

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実際には、あまり腎臓病の症状が出ていない方が多いです。腎臓病というのはかなり悪くならないと症状が出ない病気です。ある意味、症状が出たときには、すぐに透析が必要になるほど進行してしまっているケースが多いです。だから、いかに腎臓病を未然に防ぐかということが重要になってきます。例えば尿検査の数値が悪くて、再検査のために訪れる患者さんもいます。検診で異常が見つかったら、放っておかずに再検査をすることが早期発見への近道です。また、私は40年にわたり虎の門病院で診療してきたため、腎臓病や膠原病など長年かかりつけの患者さんも多いです。ひとつの疾患、一人の患者さんを長きに渡って診ていると、病気全体の流れを把握することができます。

長年の経験に甘んじず、積極的に新しい医療を取り入れる

医師として心がけていることは何ですか?

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昔、虎の門病院の院長をされていた冲中重雄(おきなか・しげお)先生の言葉に「書かれた医学は過去の医学であり、目前に悩む患者の中に明日の医学の教科書の中身がある」という言葉があります。悩んでいる患者さんに対して、新しい医療を行っていくことが必要であるという考え方です。自分自身が年をとってくると、知識もマンネリ化しやすくなってきます。絶えず自分の姿勢や考え方をリニューアルしていかなければならないと思っています。医師になりたての頃に、アーサー・ヘイリーの『最後の診断』という本を読んだことがあります。ベテランのドクターと若手のドクターがひとつの診断を巡って意見が対立するストーリーなのですが、大変感銘を受けました。時代が変わっても絶えず切磋琢磨し続けて、知識を深めていくことが重要なのだと、今も実感しています。

女性である先生がご活躍されている秘訣を教えてください。

虎の門病院時代に冲中重雄先生をはじめ、三村信英先生や、たくさんの素晴らしいドクターに出会えたことが大きいと思います。患者さんから教えられたことも多いですし、学会活動を通じて、虎の門病院以外の先生から学ぶ機会もありました。皆さんが支えてくださったおかげで、虎の門病院では臨床で女性初となる部長になることができ、日本腎臓学会と日本透析医学会では名誉会員に認定していただきました。与えられた機会を引き受けて、自分なりに頑張ってきた結果だと思っています。今では女性にも責任あるポジションを与えようとする風潮が高まっていますが、女医さんの中には結婚して家庭に入るなどして辞めてしまう方がまだ多くいらっしゃいます。私は現在、日本女性腎臓病医の会の会長をしており、腎臓病を専門にしたい女医さんをサポートしています。これからも医学の世界で頑張る女医さんを応援していきたいですね。

先生のご趣味や健康のために実践されていることは?

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趣味は働くことかもしれないですね(笑)。虎の門病院で透析治療に関わっていましたから休日というのがなく土日もどちらかは病院に出ていました。でも、休みの日には美術館や音楽会に行ったり、本を読んで過ごすなど気分転換をはかっていました。健康で気をつけていることは、しっかり食べることと、よく歩くこと。食事は腹八分目でバランスよく、を心がけています。ウオーキングはできれば一日7000歩を目標としています。

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