田中クリニック

田中クリニック

田中和之 院長

頼れるドクター

40639 df 1 main 1392792275

患者への思いやりを大切に信頼関係を築く

―先生はなぜ精神科医を志したのですか?

幼い頃からおばあちゃん子で、自分から話すことより人の話を聞くのが好きでした。ある時、祖母が病気で入院したのですが、いつも担当医が来るのを心待ちにしていました。私も会ってみたら、とても穏やかで素晴らしい方で、それをきっかけに医師という仕事への憧れを持つようになりました。その後、晴れて医大生となったのですが、祖父が亡くなったため、祖母は一人暮らしをするようになりました。落ち込んだ様子の祖母が、話を聞いてあげたり何気ない会話をするうちに明るく元気になっていくんです。たとえすぐに解決できることでなくても誰かに話を聞いてもらうだけでも人間は安心して笑顔になるんだという事に気づき、すごい事だと思いました。また、大学の実習で、病院の精神科で患者さんの話を聞いていると、「こういう考え方もあるんだ」「物事のとらえ方は人々によってさまざまなんだ」ととても勉強になりました。患者さんのお話を聞くのが楽しみで、あっという間に時間が過ぎていき、その時に「精神科医は自分に合っているのでは」と思いました。実は、院内の家具やカーぺット、カーテン、ティーカップやクリスタルの置物のコレクションなどは、私が精神科医になったことを喜び応援してくれていた祖母が生前大切に使っていたもので、私自身のお守りのような存在です。

―これまで大学病院等で精神科医として研鑽を積んでこられたのですね。

大学卒業後、神奈川県川崎市にある聖マリアンナ医科大学附属病院で研修医として2年間、精神科以外にも内科、救命救急センター、小児科を経験しました。当時、精神科で指導してくださった先生に言われた言葉を今も覚えています。「精神科医も人間だから、いやなこともあればイライラしたりすることもある。しかし、患者さんと接する時は気持ちを切り替えて、穏やかにフラットな気持ちで接することが大切だよ」。その言葉を今でも心に留めて診察をしています。その後、聖マリアンナ医科大学病院の関連病院である神奈川県平塚市の富士見台病院を経て、心療内科、精神科と老人内科専門の足利富士見台病院に8年間勤務しました。病棟と外来の両方でうつ病等の気分障害や認知症など、若い方からご高齢の方まで幅広く診させていただきました。当時、認知症で入院されているご高齢の男性に「薬にも水にも毒が入っているから飲まない」と言われたことがありました。お話しをしても納得できない様子だったので、私は思わず患者さんの湯飲みを取って水を飲みました。「ほら、大丈夫ですよ」と言うと、患者さんは「あんた、すごいな。わかったよ」と納得して薬を飲んでくれました。周囲にいた医師や看護師は私の行動に驚いていましたが、自分なりのやり方で患者さんと真摯に向かいあえば心は通じる、信頼関係をこうして築いていけばいいのかなと学ばせていただく出来事でした。

―診療ではどのようなことを心がけていらっしゃいますか?

患者さんが困っている症状や、不安に思っている事をしっかりとお聞きし、症状によって必要性が高い方には薬を処方します。心療内科を受診したら必ず薬を飲まないといけないのでは不安に思っている方もいらっしゃると思いますが、当院ではそのようなことはありません。投薬せずに治療できることもありますし、薬が必要な場合でも、必要以上の薬はお出ししておりません。薬に抵抗感がある方には、薬を飲むことによってどのように症状が安定するのかと、薬の副作用をしっかりご説明し、緊急性がなければまず少し考えて頂いて、御本人が納得して薬を飲むことを決めてから処方をするという方法をとっております。また、初めて来院される方の中にはご自分のことをさらけ出すということに抵抗のある方もいらっしゃいます。お互いに信頼関係が出来てきて初めて話せるという事もあると思いますので、初診時は診察上必要なことは伺いますが「すべてを話さなくてもいいんですよと」お伝えすると安心されますね。つらい表情で来院された患者さんが、話をしたあと笑顔で帰っていかれるのを見るのはうれしいですね。

記事更新日:2016/01/24


Access