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田中和之 院長の独自取材記事

田中クリニック

(新宿区/高田馬場駅)

最終更新日:2019/12/17

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「患者さんの『こころのかかりつけ医』になりたい」と話す田中和之先生が院長を務める「田中クリニック」。日本ではまだまだ足を運びにくいイメージの心療内科だが、そのイメージを変えて行きたいと、高田馬場駅から徒歩30秒の場所に開業した。「気軽に友人宅に遊びに来るように足を運んで欲しい」というコンセプトの院内は、クリニックというよりも上品で温かい家庭のような雰囲気がある。広く美しい待合室や診療室には、統一感のあるアンティーク調の家具が置かれ、飾り棚には磁器やクリスタルの人形などが品良く並んでいる。診察室の大きな窓からは電車が行き交う情景が見え、診療机は大きめの食卓テーブルで家族団欒をイメージさせる。優しく物静かながらも内に温かな信念が感じられる田中先生は、大学病院で若年層から高齢者のうつ病や認知症などあらゆる疾患の診療で経験を積んだ精神科の医師。院内のスタッフが強い信頼関係で結ばれ、患者が自然と自分の話を聞いて欲しくなるような雰囲気があるクリニックだ。「患者への思いやり」を大切にしている田中先生に、こころの悩みとの向き合い方や医療にかける思いを伺った。
(取材日2014年2月8日)

友人宅のような空間で相談できる「こころのかかりつけ医」

どのような思いをこめてクリニックを開設されましたか?

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欧米諸国においては「こころのかかりつけ医」を持つことがあたり前となっています。日本では内科のかかりつけ医を持つ方は多くても、心療内科や精神科というと、昔と比べると大分そのハードルは低くなったといえ「抵抗がある」、「なんとなく行きにくい」と考える方も多いのではないでしょうか。日本のそうした土壌を変えていけるように、「患者さんのこころのかかりつけ医になりたい」との思いでこのクリニックを立ち上げました。友人の家に行って悩み事を相談するように、心に関する悩みを安心して気軽にお話いただける空間にするため、内装や家具などのインテリアは家庭にいるような雰囲気を心がけました。診察机も家庭のリビングにあるテーブルでお迎えします。患者さんには「ここでコーヒー飲んだら美味しそうね」「病院らしくない雰囲気」などとおっしゃって頂いています。

どのような患者さんが来院されていますか?

欧米諸国においては「こころのかかりつけ医」を持つことがあたり前となっています。日本では内科のかかりつけ医を持つ方は多くても、心療内科や精神科というと、昔と比べると大分そのハードルは低くなったといえ「抵抗がある」、「なんとなく行きにくい」と考える方も多いのではないでしょうか。日本のそうした土壌を変えていけるように、「患者さんのこころのかかりつけ医になりたい」との思いでこのクリニックを立ち上げました。友人の家に行って悩み事を相談するように、心に関する悩みを安心して気軽にお話いただける空間にするため、内装や家具などのインテリアは家庭にいるような雰囲気を心がけました。診察机も家庭のリビングにあるテーブルでお迎えします。患者さんには「ここでコーヒー飲んだら美味しそうね」「病院らしくない雰囲気」などとおっしゃって頂いています。

心療内科ということで緊張して来院される方もいらっしゃるのでは?

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初めていらっしゃる方のときにはお互いに緊張していますから、あせらず時間をかけてゆっくり信頼関係を築いていくことを大切にしています。まず患者さんの心の悩みやご相談事をじっくりお聞きすることと、患者さんの立場に立って、誠実に思いやりをもって診療することを心がけています。心療内科の薬を一度飲むとずっと飲まなくてはいけないのではと心配なさる方もいらっしゃいますが、薬が必要な場合は、薬について説明をして納得していただいた上で処方します。快方に向かえば薬の量が減り、薬を必要とされなくなる方もいます。私自身、つらい思いをした時に人に話を聞いてもらいアドバイスされたことで気持ちが楽になった経験があります。話を急かさずに丁寧に話を聞いてさしあげると、患者さんが満足そうに診察室を出ていかれます。患者さんがポジティブになれる精神科の医師でありたいといつも思っています。

患者への思いやりを大切に信頼関係を築く

先生はなぜ精神科の医師を志したのですか?

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幼い頃からおばあちゃん子で、自分から話すことより人の話を聞くのが好きでした。ある時、祖母が病気で入院したのですが、いつも担当医が来るのを心待ちにしていました。私も会ってみたら、とても穏やかで素晴らしい方で、それをきっかけに医師という仕事への憧れを持つようになりました。その後、晴れて医大生となったのですが、祖父が亡くなったため、祖母は一人暮らしをするようになりました。落ち込んだ様子の祖母が、話を聞いてあげたり何気ない会話をするうちに明るく元気になっていくんです。たとえすぐに解決できることでなくても誰かに話を聞いてもらうだけでも人間は安心して笑顔になるんだという事に気づき、すごい事だと思いました。また、大学の実習で、病院の精神科で患者さんの話を聞いていると、「こういう考え方もあるんだ」「物事のとらえ方は人々によってさまざまなんだ」ととても勉強になりました。患者さんのお話を聞くのが楽しみで、あっという間に時間が過ぎていき、その時に「精神科は自分に合っているのでは」と思いました。実は、院内の家具やカーぺット、カーテン、ティーカップやクリスタルの置物のコレクションなどは、私が医師になったことを喜び応援してくれていた祖母が生前大切に使っていたもので、私自身のお守りのような存在です。

これまで大学病院等で精神科の医師として研鑽を積んでこられたのですね。

大学卒業後、神奈川県川崎市にある聖マリアンナ医科大学附属病院で研修医として2年間、精神科以外にも内科、救命救急センター、小児科を経験しました。当時、精神科で指導してくださった先生に言われた言葉を今も覚えています。「精神科の医師も人間だから、いやなこともあればイライラしたりすることもある。しかし、患者さんと接する時は気持ちを切り替えて、穏やかにフラットな気持ちで接することが大切だよ」。その言葉を今でも心に留めて診察をしています。その後、聖マリアンナ医科大学病院の関連病院である神奈川県平塚市の富士見台病院を経て、心療内科、精神科と老人内科専門の足利富士見台病院に8年間勤務しました。病棟と外来の両方でうつ病等の気分障害や認知症など、若い方からご高齢の方まで幅広く診させていただきました。当時、認知症で入院されているご高齢の男性に「薬にも水にも毒が入っているから飲まない」と言われたことがありました。お話しをしても納得できない様子だったので、私は思わず患者さんの湯飲みを取って水を飲みました。「ほら、大丈夫ですよ」と言うと、患者さんは「あんた、すごいな。わかったよ」と納得して薬を飲んでくれました。周囲にいた医師や看護師は私の行動に驚いていましたが、自分なりのやり方で患者さんと真摯に向かいあえば心は通じる、信頼関係をこうして築いていけばいいのかなと学ばせていただく出来事でした。

診療ではどのようなことを心がけていらっしゃいますか?

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患者さんが困っている症状や、不安に思っている事をしっかりとお聞きし、症状によって必要性が高い方には薬を処方します。心療内科を受診したら必ず薬を飲まないといけないのでは不安に思っている方もいらっしゃると思いますが、当院ではそのようなことはありません。投薬せずに治療できることもありますし、薬が必要な場合でも、必要以上の薬はお出ししておりません。薬に抵抗感がある方には、薬を飲むことによってどのような効果が期待できるかと、薬の副作用をしっかりご説明し、緊急性がなければまず少し考えて頂いて、御本人が納得して薬を飲むことを決めてから処方をするという方法をとっております。また、初めて来院される方の中にはご自分のことをさらけ出すということに抵抗のある方もいらっしゃいます。お互いに信頼関係が出来てきて初めて話せるという事もあると思いますので、初診時は診察上必要なことは伺いますが「すべてを話さなくてもいいんですよと」お伝えしています。つらい表情で来院された患者さんが、話をしたあと笑顔で帰っていかれるのを見るのはうれしいですね。

専門知識が必要な高齢者の精神医療を行う

高齢者の治療と家族のサポートにも力を注がれているのですね。

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そうですね。勤務医時代、専門的な知識、経験等も必要と考え、精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医に加え、祖母の影響もあってご高齢の方を診療したいとの気持ちが強く、老年精神医学について専門的な勉強を続けてきました。ご高齢の方は若い方と比べて身体の合併症も多く、薬の副作用などが出やすく、専門的な治療が必要です。老年精神医学の専門家として、ご高齢の方のお悩みを解決し、自宅で介護されているご家族の負担や日々の頑張りに応えられるような医療を提供していきたいと思います。自宅での24時間介護をされるご家族は本当に大変です。ご家族だけでの介護では限界がありますから、介護保険の申請、在宅で受けられる支援サービス、公的支援など他者の力を借りられるようにあらゆるサポートをさせていただきたいと思います。新宿区の公的機関である新宿区高齢者総合相談センターとも連携を密にして、高齢者の方々が住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を続けられるように医療による支援を続けていきたいです。

スタッフの皆さんが明るく温かい雰囲気で、先生とのチームワークが感じられます。

そう言っていただけると嬉しいです。当院のスタッフは、私にとって宝物です。昔から仲が良く信頼できる仲間が、私をいつもサポートしてくれるので大変心強いです。受付に男女両方がいるので、患者さんも話をしやすい環境ではないかと思います。

受診を考えている方へのメッセージをお願いします。

最近は、「自分はうつ病でないか」と悩まれて来院される方もよくいらっしゃいます。診療をすると、うつ病の場合もそうでない場合もあります。まじめで几帳面な方が多く、目標を高く設定して「今日はここまでやらないと」と何でも頑張ってしまうのです。そして、できなかったら自分を責めて苦しんでしまう傾向があります。私自身もそういう傾向がありますので、患者さんの気持ちがよく理解できます。掲げた目標を急に変更する事は難しいかと思いますが、目標を少し下げて、「ある程度一生懸命にやったからいいのでは」と考えるのが大切、といったことをアドバイスします。少し見方を変えるだけで気持ちが楽になることもあります。がまんしないで早い段階でご相談していただけたら、投薬治療まですることなく症状に対処できることもありますし、治療期間が短くすむこともあります。心療内科というとどうしても身構えてしまう方が多いようですが、「こんなこと聞いたらおかしいかな?」「この位のことで診察は受けなくていいのでは?」など思わずに我慢せず、限界まで待たずにどうか気楽な気持ちでいらして欲しいと思います。「友人の家にちょっと話を聞いてもらいにいく」くらいの気持ちでお越し下さい。

先生ご自身は心身の健康のためにどうリフレッシュされていますか?

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今の一番の楽しみはゆっくりと寝ることですね(笑)。自宅ではアロマを焚き、お気に入りの紅茶やハーブティーを丁寧に淹れてリラックスします。そして、美しいものを見ることが私のリフレッシュ法です。四季折々の花が好きで、クリニックの花もいつも私が活けています。街で食器や陶磁器などウインドウショッピングして、その造形美に触れ、歴史に思いを馳せることも心の栄養になります。忙しくても好きなものに触れる時間を大切にして、自分自身が元気に穏やかな気持ちで患者さんに接することを心がけています。

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