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高橋 理惠 院長の独自取材記事

そらクリニック外苑前

(港区/外苑前駅)

最終更新日:2021/10/12

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都心にありながら緑が多く、女性が多く集まる外苑前。2012年、この地に開業した「そらクリニック外苑前」は、女性医師による女性のためのメンタルクリニックだ。総合病院や都立病院で長年、精神科・心療内科の医師として診察を続けてきた高橋理惠院長が向き合うのは、不眠や不安や軽度のうつに悩む女性たち。高橋院長は彼女たちに、生活リズムを整え、心地いい、楽しいと感じられることを生活に取り入れるよう勧めるという。また高橋院長自身も毎日丁寧な生活を心がけている。「季節の移り変わりを感じたり旬のものを食べたりして、五感を働かせて生きることこそ、心と体を健やかに保つ方法だと思います」と語る高橋院長。日々、自然体で暮らす高橋院長に、医療にかける想いや熱意について話を聞いた。

(取材日2013年10月23日)

思春期の頃から心の動きに興味があり、精神科の道へ

まずは、医師をめざしたきっかけを教えてください。

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私の父は、内科の開業医でした。そのため、幼い頃から医療の世界が身近にあり、両親から「将来は医師になったら?」と勧められることもありました。初めは医師という職業に興味が向かなかったのですが、よく考えてみると女性でも一生続けられる仕事ですし、そう悪くないのでは、と思うようになりました。関心を持ったのは心療内科。もともと思春期の頃から自分の心の中のことを考えるのが好きだったので、感情のあり方や性格について考えるのは私にとって自然な思考の流れでした。両親は内科医師になってほしかったようですが、私は「心療内科は『内科』と名前がついているし、心と体の両方を見られるんだよ」と説得して(笑)、心療内科を選びました。

大学卒業後の経歴を教えてください。

山形大学を卒業後、東邦大学心療内科に入局。都立墨東病院にて研修を受け、その後、都立松澤病院の常勤医を経てクリニック東陽町に勤務しました。当初は心療内科の医師をめざしていましたが、東邦大学の心療内科にいた時、「精神科も勉強したい」と感じました。心療内科は日本独特の科目で主に心身症を扱います。でも実際に診察室を訪れる患者さんたちは、心身症ばかりでなく神経症やうつ病、精神病などさまざまな問題を抱えています。心を診る医師としては、幅広い知識と経験が必要と考え精神科の勉強をして、日本精神神経学会精神科専門医の資格も取りました。また開業前に長く診療所に勤務し一般内科も併せて診療してきたことは良い経験になっています。

先生が考える「精神科医師」のやりがいとは?

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大学時代に先輩から「患者さんから感謝してほしいと思うなら、精神科の医師にならないほうがいいよ」と言われたことがあります。治るという経過がはっきりわかる疾患を扱う科ではないし、自分の病気を意識できないなど精神疾患特有の事情があるからです。人によっては、感謝されないことに失望することもあるでしょう。でも私はもともと感謝されることがやりがいというような考えはありませんでした。もちろん患者さんがお元気になられるのは喜ばしいことです。でもそれ以上に私がこの仕事が好きだと感じるのは、患者さんの心のひだに入り込み、その方の人生に寄り添う時。私の医療的知識や技術と、私が大切にしている人生の知恵をヒントに「人に寄り添う医療」を実践することが、私にとってのやりがいですね。

女性が元気な街で、女性のためのクリニックを開業

「そらクリニック」という名前の由来を教えてください。

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空は毎日変わりますよね。青空が広がったと思えば、その翌日は大雨が降ったり…。でも、たとえ今日大雨が降ったとしても、いつか必ず晴れる日がやってきます。それは心も同じ。ずっと悲しみや苦しみが続くわけではありません。「晴れる日を一人で待つのがつらい時、気軽に相談に来てもらえる場所でありたい」という思いを込め、また、もともと自然を表す名前にしたいという気持ちがあったので、「そらクリニック」という名前にしました。クリニック内のインテリアも、女性の建築家の方と相談しながら決めたのですが、「自然素材を多く使い、木のぬくもりを生かしたい」というのが、私の希望。草木染めの和紙を使うなど、緑や黄色をワンポイントカラーにあしらい、思いどおりの部屋に仕上がりました。

こちらは女性専用のクリニックなのですね。

開業以前に勤めていたクリニックでは、もちろん男性の患者さんも診察してきましたが、以前から性差医療に興味があり、女性の身体的、脳機能的特徴に基づいた医療を展開したいと考えていました。女性は、家庭や職場などにおいて、自分以外の価値観の中で生きざるを得ないこともありますよね。当然、心には澱がたまるでしょうし、ストレスも蓄積するでしょう。そうした女性特有のこまやかな感情をすくい上げ、同じ女性として、少しでも心を解放するお手伝いができれば、と思っています。開業前から「女性専用のクリニックにしたい」という想いがありましたから、働く女性が足を運びやすい街という基準で候補地をいくつか絞り、その中でも緑が多く、環境的に恵まれたこの街を選びました。私も散歩が大好きなので、ここなら休憩時間に街歩きが楽しめるかな、と思って。

治療におけるモットーを教えてください。

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来院した患者さんには、少しでも笑顔になって帰っていただきたいということです。つらい状況でも、ちょっとホッとすることがあれば、それが心のゆとりにつながっていくものと思います。こちらにいらっしゃる患者さんは、不眠や不安などの軽いうつ病で悩む方が多いのですが、初診の際は30〜40分ほど時間をかけて、じっくりお話を伺います。もちろん、初めからすんなりお話ししていただける患者さんばかりではありませんが、私自身、「誠意を持ち、真摯に接していれば、必ず患者さんに想いが伝わるはず」と考えています。そして「その方にとって、今一番良いことは何か」を一緒に考える。どれだけ長く通っていただいている患者さんでも、接し方の基本は変わりません。常に初心を忘れず、一期一会の気持ちで患者さんに向き合うことで信頼が得られ、それが患者さんの笑顔につながっていくのでは、と思います。

心身を健やかに保つため、五感の導きを大切に生きる

趣味でアロマセラピーを長く続けていらっしゃるそうですね。

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アロマに興味を持ち始めて、もう20年以上になるでしょうか。今でもその日の気分でエッセンシャルオイルを選んで手元に置いています。ご希望があれば時々患者さんにも、私がオイルを調合してお渡しすることもあります。目的に合ったオイルで患者さんが好きな香りを伺ってその場で調合するのですが、香りの希望は毎回一定ではなく、その日の気分や体調で変わります。ですから、エッセンシャルオイルを調合することは、自分の感覚を大事にするきっかけにもなるんです。また、日々のセルフケアの中で自分の体調の変化に気づき、コントロールする助けにもなると思います。

休みの日はどのように過ごされていますか。

都内の、緑がきれいなところや公園などを散歩することが好きですね。花や植物を見ながら歩いていると、季節の移り変わりが感じられますし、その瞬間がシンプルに幸せだと思えるんです。もともと私は、自分の体や心がしっくりくることに敏感で、「気持ちいい」「心地いい」と無条件で思うことを大切にしています。例えば、コットンの洋服は肌触りがとても良く、いつも身につけていたいと思いますし、化学調味料を使わず良い材料で丁寧に作った料理は心からおいしいと感じます。そんなふうに、五感が教えてくれることを大切に毎日生活することが、私自身、心と体を健康に保つ秘訣なのかなと思っています。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

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子育て真っ最中だったり、働き盛りだったりする女性は、自分の感覚を後回しにしがちだと思います。でも本当は、調子が悪い時こそ自分のココロや体の声に耳を傾けることが大事なのです。どれだけ社会が進化しても、人間は地球上の生き物ですし、地球のリズムで生きています。ですから、ご自分の調子がちょっと崩れてきたなと思ったら、まずは、規則正しい生活を心がけ、自分の五感に対して忠実になることを忘れずにいてほしいと思います。もし、何が心地いいのか、気持ちいいのかわからなくなったら、ぜひ、クリニックへ足を運んでみてください。女性は感じたことを言葉にすることで考えを整理していく性質がありますから、悩みを言葉にして、誰かに聞いてもらうだけでも、変化が感じられることがあると思います。

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