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高橋 理惠 院長の独自取材記事

そらクリニック外苑前

(港区/外苑前駅)

最終更新日:2025/01/09

高橋理惠院長 そらクリニック外苑前 main

緑豊かな環境に美しい街並みが広がる港区外苑前。外苑前駅と青山一丁目駅のどちらからもアクセス可能な場所にある「そらクリニック外苑前」は、2012年に開業した女性医師による女性のためのクリニックだ。総合病院や都立病院で長年、精神科・心療内科の医師として研鑽を積んだ高橋理惠院長が向き合うのは、不眠や不安障害、パニック障害や軽度のうつ病に悩む女性たち。高橋院長自身が働く女性としてさまざまな課題に直面してきた経験から、女性特有の悩みに寄り添いたいと考え開業に至ったという。日々、丁寧な生活を心がけ、五感を働かせて生きることこそ、体と心を健やかに保つ方法だと話す高橋院長。その優しい語り口と、温かな日だまりのような雰囲気のクリニックで、同院の特徴やメンタル医療について話を聞いた。

(取材日2024年10月29日)

女性特有の心と体の悩みに向き合うクリニック

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

高橋理惠院長 そらクリニック外苑前1

開業する以前から性差医療に興味があり、女性の身体的、脳機能的特徴に基づいた医療を展開したいと考えていました。女性は家庭や職場において自分以外の価値観の中で生きざるを得ないこともありますよね。その中で、心によどみがたまるでしょうし、ストレスも蓄積するでしょう。身体面においても生理やホルモンバランス、更年期など、ライフステージごとに大きく体が変わることも女性特有の問題です。そうした女性特有のこまやかな感情や体の悩みをすくい上げ、同じ女性として少しでも心を解放するお手伝いができればと考えています。自分の得意分野でもありますし、近年は、日本でもジェンダーの問題が一般的になってきたこともあり、女性が安心して通院できる場所でありたいと思います。そのため、院内には自然素材を多く使い、木のぬくもりを生かした部屋にしており、ビル全体とクリニックのセキュリティーにも配慮しています。

どのような治療に対応されているのですか?

都心のクリニックということもあって、職場でのストレス、家庭や子育て、夫婦関係がきっかけで具合が悪くなられている方や、人前での緊張や電車に乗るのが怖いなどの不安障害の方がほとんどです。治療はガイドラインがあればそれに沿うように、そうでない疾患に対しても症状に合ったお薬を処方することが多いです。中には不安障害などの治療が終わる過程で、お薬の処方はなくなり、ただお話に来るだけという方もいらっしゃいますが、服薬による治療というのが、今の心療内科、精神科の治療の基本だと思います。薬物治療や通常の通院精神療法に限界がある部分は、疾患の理解に向けたサポートや認知療法などを行います。

受診するタイミングの目安があれば教えてください。

高橋理惠院長 そらクリニック外苑前2

気持ちが落ち込むことは誰にでもあると思いますが、健康な方の場合、気持ちの落ち込みや眠れない、食べられないということが何週間も続くということはあまりないと思います。抑うつ気分や不安に加えて不眠や食欲低下など健康を大きく害してしまうような状態が同時に見られる、抑うつ状態が2週間以上続いている、などが受診するタイミングの見極めになると思います。ただ、パニック発作などで、すべきことができない、やりたいことができない方の場合は、あまり我慢せず早めの受診が良いでしょう。以前は、会社に「行くのがつらいけれど、こんなことで受診しても良いのか」とおっしゃる方が多かったのですが、最近は、そのような状態が1ヵ月に何回かあったということで受診を希望される方もいます。メンタルクリニックを受診するハードルが下がっていると感じます。

心が晴れる日を待つのがつらい時は気軽に相談を

先生が医師を志したきっかけは何でしょう?

高橋理惠院長 そらクリニック外苑前3

私の父は内科の開業医でしたので、幼い頃から医療の世界が身近にあり、両親から医師の道を勧められることもありました。最初は医師という職業に興味がなかったのですが、よく考えてみると女性でも一生続けられる仕事ですし「そう悪くないのでは」と思うようになりました。関心を持ったのは心療内科でした。もともと思春期の頃から自分の心の中のことを考えるのが好きだったので、感情の在り方や性格について考えるのは私にとって自然な思考の流れだったんです。両親は内科医師になってほしかったようですが、私は「心療内科は“内科”と名前がついているし、心と体の両方を診られるんだよ」と説得して(笑)、心療内科を専門に選びました。

大学卒業後の経歴を教えてください。

山形大学を卒業後は東邦大学心療内科に入局し、東京都立墨東病院にて臨床を学び、東京都立松沢病院の常勤医を経て、クリニック東陽町に勤務しました。大学では心療内科の医師をめざしていましたが、東邦大学の心療内科で働く中、精神科についても学びたいと感じました。心療内科は日本独特の科目で、主に心身症を扱います。しかし、実際に診察室を訪れる患者さんたちは、心身症ばかりでなく神経症やうつ病、精神病などさまざまな問題を抱えています。心を診る医師としては、幅広い知識と経験が必要と考え精神科を勉強して、日本精神神経学会精神科専門医の資格を取りました。開業前に長く診療所に勤務し、一般内科も併せて診療できたことは良い経験になっています。

「そらクリニック」という院名はとても覚えやすいですね。名前の由来を教えてください。

高橋理惠院長 そらクリニック外苑前4

空は毎日変わりますよね。青空が広がったかと思えば、その翌日は大雨が降ったりすることもあります。でも、たとえ今日大雨が降ったとしても、いつか必ず晴れる日がやってきます。それは心も同じで、ずっと悲しみや苦しみが続くわけではありません。「晴れる日を一人で待つのがつらい時、気軽に相談に来てもらえる場所でありたい」という思いを込め、もともと自然を表す名前にしたかったこともあり、「そら」をクリニック名に冠しました。

五感を大切にして、わくわくすることを見つけてほしい

診療の際、大事にされていることは何でしょう?

高橋理惠院長 そらクリニック外苑前5

来院した患者さんには、少しでも笑顔になって帰っていただきたいと思っています。つらい状況でも、ちょっとホッとすることがあれば、それが心のゆとりにつながっていきます。当院の患者さんは、不眠や不安、軽いうつ状態で悩む方が多く、初診の際は30〜40分ほど時間をかけてじっくりお話を伺います。もちろん、初めからすんなりお話ししていただける患者さんばかりではありませんが、「誠意を持ち、真摯に接していれば、必ず患者さんに想いが伝わるはず」と考えています。そして「その方にとって、今一番良いことは何か」を一緒に考える。どれだけ長く通っていただいている患者さんでも、接し方の基本は変わりません。常に初心を忘れず、一期一会の気持ちで患者さんに向き合うことで信頼が得られ、それが患者さんの笑顔につながっていくのではと考えています。

お忙しい日々だと思いますが、休みの日はどのように過ごされていますか?

劇場でのバレエ鑑賞が20年来の趣味です。キラキラした非日常の世界に憧れがあったのだと思いますが、子どもの頃はバレエを見る機会はあまりなく、たまにお友達の発表会に行く程度でした。自分でチケットを買えるようになったら見に行こうと心に決め、実際に見始めて1~2年ですっかり趣味の域に達しました。診療室で、患者さんに休みの日に何をしているか聞くと、舞台鑑賞が趣味という人は多いですよ。アイドルからミュージカルまで、皆さんさまざまです。好きなことができることは病状を知るにも役立ちますし、今どんな人や舞台が人気なのか若い方から情報収集することは、私の診察の楽しみでもあります。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

高橋理惠院長 そらクリニック外苑前6

子育ての真っ最中であったり、働き盛りだったりする女性は、自分の感覚を後回しにしがちだと思います。でも本当は、調子が悪い時こそ自分の心や体の声に耳を傾けることが大切です。どれだけ社会が進化しても、人間は地球上の生き物ですし、地球のリズムで生きています。ですから、ご自分の調子がちょっと崩れてきたなと思ったら、まずは規則正しい生活を心がけ、自分の五感に対して忠実になることを忘れずにいてほしいと思います。それから、何かワクワクする対象を見つけることができるといいですね。もし、何が心地良いのか、気持ち良いのかわからなくなったら、ぜひ、クリニックへ足を運んでみてください。特に女性は感じたことを言葉にすることで考えを整理していく傾向がありますから、悩みを言葉にして、誰かに聞いてもらうだけでも、変化が感じられることがあると思います。

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