丸茂 元三 院長の独自取材記事
丸茂レディースクリニック
(港区/六本木一丁目駅)
最終更新日:2025/04/15

「丸茂(まるも)レディースクリニック」は、東京メトロ六本木一丁目駅直結の泉ガーデンタワー4階にある。妊婦健診をはじめ、女性のさまざまな不調にも対応している。院長の丸茂元三(まるも・げんぞう)先生は、日本超音波医学会超音波専門医の資格を持つエコー検査のスペシャリスト。診療では妊婦健診の度に4Dエコー検査でおなかの赤ちゃんの姿を見ることができる。「赤ちゃんと視覚的にふれあうことが、妊娠の実感や深い愛情へとつながるのです」と優しくほほ笑む丸茂院長。4Dエコー検査に力を入れる同院の取り組みや診療内容、妊娠時期の過ごし方などについて話を聞いた。
(取材日2025年3月14日)
4Dエコー検査で出産前から赤ちゃんとの絆を深める
このクリニックの特徴を教えてください。

新型4Dエコー検査ができることでしょうか。通常は2Dエコーで検査を行うので断面の画像しか見ることができません。しかし4Dエコーの画像は、3Dエコーにより赤ちゃんが立体的に映るだけでなく、おなかの中で元気に動き回っている姿を見ることができるので、妊婦さんの喜ぶ顔の輝きが違います。おなかにいる時から赤ちゃんを見ることで、妊娠の実感が湧き、安心にもつながるほか、絆や愛情も深まるようですね。4Dエコーは10週目から検査可能で、20週目以降くらいから顔の表情もわかります。指しゃぶりやおしっこをしている姿なども動画で確認でき、とても愛らしいですよ。当院は32週まで妊婦健診を行っていますが、健診ごとに4Dエコー画像を見ていただき、検査後は録画したDVDをお持ち帰りいただくこともできます。妊婦健診の度におなかの赤ちゃんの4Dエコーを見ることができるクリニックは珍しいと思います。
超音波をご専門にされたきっかけは何でしょうか。3Dエコーと4Dエコーの違いも教えてください。
生命の不思議や神秘に興味があったことと、人の役に立ちたいという思いから医師になりました。大学の医学部卒業後に入職した東京大学医学部附属病院で、超音波グループに入ったのです。その頃は3Dエコーが出始めの時で、これを使って何ができるだろうかと研究に励みました。超音波はMRIのように見たい部位を取り出して見ることができるため妊婦さんに協力してもらって、赤ちゃんの脳の成長状態や、臓器に異常がないかなどをさまざまな検査項目について研究しました。3Dエコーと4Dエコーの違いは、どちらも立体画像なのですが、その立体画像をつなぎ合わせることで、時間の要素が入り、動画となったものが4Dエコーなのです。協力していただいた最後に4D画像をお見せした時の、妊婦さんの喜ばれる姿に感動しましたね。
胎児の健診、「胎児スクリーニング検査」とはどのようなものですか?

この検査は脳や心臓を含めた全身の臓器について構造的な異常がないかを超音波で調べるもので、異常が見つかった場合、出生後に適切な医療介入の計画を立てることができるというメリットがあります。検査は妊娠12週から14週の初期と、20週から24週の中期と2回に分けて行い、初期では全体の6割の状態が確認できます。中期が赤ちゃんの状態を最も見やすい時期で、ほぼ全体を問題なく確認ができます。この時期を過ぎると、骨がしっかりしてきて超音波を跳ね返して骨の影になるところは映らなくなるため、そうなる前に検査を行う必要があります。
セミオープンシステムで妊娠・出産をサポート
分娩は扱っていらっしゃいませんが、出産する病院と連携を取るシステムに登録されているそうですね。

当院は分娩を扱わない代わりに、セミオープンシステムに登録しています。これは、妊婦さんに妊娠10週目頃に出産する病院を決めてもらい、お産はそちらで行うが、出産までの妊婦健診は当院のような近場の産婦人科に通うというシステムです。妊婦健診は12週から32週まで通っていただけます。早産などのリスクが生じても、出産する病院と連携しているので安心です。大学病院や総合病院などの大規模病院は、母体に危険が及ぶ可能性が高いハイリスクの妊婦さんを多く受け入れており、順調な方には余分な時間を割けません。当院のような地域の開業医がリスクの少ない妊婦さんを受け入れることで、大規模病院の負担軽減にもつながるのです。大規模病院は待ち時間が長く大変な時もありますが、クリニックではゆっくり診察をしてもらうことができます。これはまさに大規模病院、開業医、妊婦さんの三者の利にかなったシステムなのです。
印象に残るエピソードを教えてください。
以前、生まれた赤ちゃんが心臓の疾患を持っていて、出産後すぐに手術をしたものの、亡くなってしまった例がありました。赤ちゃんはお母さんが抱くことなく亡くなってしまったのですが、4Dエコーの画像を撮っていたため、胎内を元気に動き回る赤ちゃんの姿を残すことができて良かったと言ってもらえたことが、今も心に残っていますね。
妊娠中はどのような過ごし方をすると良いのでしょう。

例えば、妊娠中に食べ物の嗜好が変わる方がいます。普段納豆をあまり食べないお母さんが、妊娠中はなぜかずっと食べていて、出産後は食べなくなった。すると子どもは大の納豆好き。第2子を妊娠したときは、バナナが好きではなかったのにバナナをたくさん食べるようになった。すると子どもがバナナ好きだった。不思議ですよね。この話をすると皆さん、「お母さんが食べていたものを子どもが好きになった」とおっしゃいますが、私はその逆だと思います。お子さんが望んでいたものを、お母さんが食べさせられていた。そのほうが話が合う。お母さんのやりたいと思ったことが、実は子どもの望むことなんです。このように考えると、胎教になると思って嫌々クラシック音楽を聞いてもストレスになるだけ。お母さんが楽しんで妊娠生活を送ることが、赤ちゃんにとって最も幸せなことだと僕は考えます。
女性一生のライフステージを支える医療を
院内について教えてください。優しい色合いが印象的です。

不安を抱えている妊婦さんや患者さんがリラックスできるよう、ピンクを基調とした、やわらかな色合いの院内にするように努めました。弟が内装デザイナーをしているため、細かい注文も聞いてもらうことができたのです。クリニックのロゴマークの黄色い花は赤ちゃん、赤い丸は子宮を表していて、これは子宮の中にいる赤ちゃんをイメージしました。黄色い花はフクジュソウをデザインしたものです。私の故郷の長野県では、寒い季節が終わり、春になると最初に咲く可憐な花が、このフクジュソウなんです。また、このマークは赤い丸の中に「も」の字が書かれていて、よく見ると「まるも」と読むことができるのです。
妊婦健診以外も幅広く対応されているそうですね。
婦人科診療や産後ケアも広く行っています。産後は尿漏れや頻尿、膀胱炎などのトラブルに見舞われることがありますが、その治療にも対応しています。超音波の技術を生かした卵巣腫瘍の検査や、乳がん検診も行っています。特に若い方は乳腺組織が発達しているためエックス線を使用するマンモグラフィ検査よりも超音波検査のほうが異常を発見する確率が高いので、ぜひ受けてほしいですね。当院では生理痛、妊娠、産後のケア、更年期と女性の一生に寄り添った治療を行っているので、不安がある時は一人で悩まず、どんなことでも相談していただけたらと思います。
最後に出産を控えている方へのメッセージをお願いします。

妊婦さんがここに来て良かったと思えるクリニックでありたいですね。「赤ちゃんの笑顔は世界を救う」と思っています。妊婦さんたちには4Dエコーの画像で赤ちゃんの元気な姿と笑顔を見てもらいながら、妊娠生活を楽しく幸せに過ごしてほしいと願っています。このクリニックは駅と直結しているので、雨の日も濡れずに来られるというメリットもあります。妊娠中の検査も幅広く対応していますので、気軽に頼っていただけるとうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは骨盤低筋トレーニング/30分6600円、女性用の総合検診/ブライダルチェック3万6300円~・レディースチェック2万6400円~・更年期コース3万3000円・性行為感染症検査2万2000円~、人間ドック/2万6400円~