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服部 庸一郎 院長の独自取材記事

医療法人社団新洋和会 吉祥寺睡眠メディカルクリニック

(武蔵野市/吉祥寺駅)

最終更新日:2021/10/12

服部庸一郎院長 医療法人社団新洋和会 吉祥寺睡眠メディカルクリニック main

吉祥寺駅北口を出てすぐのビル4階にあるのが「吉祥寺睡眠メディカルクリニック」。睡眠時無呼吸症候群を専門に治療するクリニックとして2011年に開業した。院内には、シックな待合室と診療室、精密検査を行う個室が4つあり、まるでホテルのような雰囲気が漂う。「睡眠時無呼吸症候群の疑いがあれば、予防医学の観点からも早めに受診し、治療を受けていただきたいですね。そのためにも気軽に来院できる雰囲気を大切にしています」と服部庸一郎院長。睡眠時無呼吸症候群は、生活に支障を来すだけでなく、高血圧や循環器疾患の原因にもなり得る。そう語る院長に、一泊で行う精密検査やCPAPなどの治療法について話を聞いた。

(取材日2013年9月5日/更新日2021年2月5日)

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断・治療を行う専門家

まず、貴院の特徴を教えてください。

服部庸一郎院長 医療法人社団新洋和会 吉祥寺睡眠メディカルクリニック1

当院では、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査から精密検査、診断、治療まですべてに対応しています。当院のある武蔵野市の方にはもちろん、関連クリニックが新宿と町田にあるので、JR中央線や京王井の頭線の沿線、その近郊にお住まいの方も受診しやすいと思います。この病気は診療の対象にしているクリニックが少なく、精密検査は専門の病院に行かれる方が多いと思います。そのため、他院で簡易検査をした後、当院を紹介されて精密検査を受ける方もいますよ。

睡眠時無呼吸症候群とは、どんな病気なのですか?

睡眠中に10秒以上呼吸が止まった状態を、1時間あたり5回以上と断続的に繰り返す病気で、いびき・日中の眠気・熟睡感の欠如などさまざまな症状を引き起こします。また、うつ病を発症・合併するケースもあります。この病気を放置すると、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病に加え、不整脈などの原因になるほか、低酸素状態から動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まります。特に重症の人は突然死のリスクもありますが、自覚症状がないので注意が必要です。受診される方は、ご家族、ご友人からいびきを指摘された方や、日中に眠くなり、接触事故などを起こされた職業ドライバーの方が多いですね。近年、認知度は高まってきましたが、検査や治療についてはまだよく知られていないと思います。検査も治療もすべて保険診療で行えますから、まずは検査をお勧めします。

簡易検査、精密検査の内容を教えてください。

服部庸一郎院長 医療法人社団新洋和会 吉祥寺睡眠メディカルクリニック2

はい。簡易検査は、寝ている間に血液中の酸素濃度を測定するもので、患者さんに専用の機器をお貸しし、ご自宅で行ってもらいます。検査機器は腕時計のようなごく小型のもので、夜寝る前にスイッチを入れて朝起きたら測定終了です。その検査結果が正常範囲を超えてしまうようであれば、当院で一泊して行う精密検査「終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)」をご案内します。精密検査では、脳波や眼球の動きから胸・腹部や足の動き、心拍数、血液中の酸素濃度、口や鼻の空気の流れなどを調べます。検査当日は19時半〜20時頃に来院していただき、個室でセンサーをつけて眠っている間に記録をとり、朝には終了しますから、そのまま出勤していただくことも可能ですよ。また、検査の結果は2週間後に出ます。

睡眠の質を高め、合併症予防が期待できるCPAP治療

睡眠時無呼吸症候群はどのように治療するのですか?

服部庸一郎院長 医療法人社団新洋和会 吉祥寺睡眠メディカルクリニック3

治療方法は検査結果によって決まります。結果は、1時間あたりの平均無呼吸数と平均低呼吸数の和で表される無呼吸低呼吸指数によって、軽症・中等症・重症に分けられ、その指数が20回を超えるとCPAP(持続陽圧呼吸)治療が保険対象となります。CPAPとは、夜寝る前に鼻にマスクを着け一定の圧力で気道を拡げ、空気の通り道を確保する治療法で、治療機器をお貸しし毎晩ご自宅で行ってもらいます。保険適用では月に1回の外来受診が義務づけられており、データが記録されるSDカードで無呼吸の数や睡眠時間を管理します。CPAP治療に該当しない軽症でも日常生活に支障のある方には、顎や舌の落ち込みの軽減を目的としたマウスピースの着用をお勧めしています。専用のマウスピースを作る歯科医院もご紹介していますよ。また、口蓋などの形状が病気の原因になっている場合は、ご相談の上で手術を行う病院もご紹介します。

患者それぞれの状況に応じた治療法があるのですね。

服部庸一郎院長 医療法人社団新洋和会 吉祥寺睡眠メディカルクリニック4

はい。しかし、これらの治療はすべて対症療法で、睡眠時無呼吸症候群に特効薬はありません。長期経過で起こる心疾患や脳卒中など、合併症の予防を目的に治療を続けていただくことになります。空気の通り道が確保され、睡眠が分断されなくなると、睡眠の質の改善が期待できるので、皆さん前向きに治療を続けていらっしゃいますよ。CPAPの治療機器は手のひらに乗るほどの小型サイズなので、出張や旅行の時も邪魔にならないと思います。

治療を続けることが、睡眠の質の確保につながるのですね。

そうですね。慢性的な睡眠障害があっても、それが自分の睡眠だと思いがちです。そのため治療して初めて、よく眠れていなかったことに気づく方もいます。特に重症の方は、頻尿にもなりやすいのでご注意ください。また、睡眠時無呼吸症候群は心筋梗塞を引き起こす高血圧の原因にもなり得ます。最近は、心筋梗塞で病院に入院されている方が、医師から当院の精密検査を紹介されるなど、医療の現場でも予防医学の認知が高まっているのはうれしいですね。睡眠時無呼吸症候群は怖い病気ですが、きちんと治療を続けることで睡眠の質の確保につながります。今後も、多くの方が意欲的に生活できるよう、病気とうまく付き合うためのサポートをしていきたいですね。

病気の認知度を高め、多くの人の健やかな生活に貢献

睡眠時無呼吸症候群を専門にされたきっかけを教えてください。

服部庸一郎院長 医療法人社団新洋和会 吉祥寺睡眠メディカルクリニック5

私は医学部を卒業後、大学病院の内科に勤務しながらさまざまな患者さんの診療をした後、病気のメカニズムを研究するために大学院に進みました。その頃、当院の理事長で新宿睡眠メディカルクリニックの瀬野浦院長と知り合い、予防医学に興味を持つようになったんです。大学院修了後、医局から出向した病院で救急医療に携わったことや、がんや生活習慣病の患者さんを診たことも、予防医学への関心をますます深めるきっかけとなり、睡眠時無呼吸症候群を専門にすることにしました。

休日はどのように過ごしていますか。

高校・大学時代はテニス部に所属していたので、基本的に体を動かすことが好きなんです。最近は子どもと一緒に自転車で、まだ行ったことのない公園を探して遊んでいます。子どもも探検気分が味わえるので、とても楽しみにしているようです。子どもたちと一緒に体を動かしたり、休日を積極的に活動したりすることが自分自身のリフレッシュにもつながっていると思います。忙しい日々の中であっても、家族と過ごす時間は大切です。子どもたちが大きくなったら、一緒にテニスも楽しみたいですね。

受診を検討されている人たちへメッセージをいただけますか。

今、睡眠時無呼吸症候群の人は、200万人以上いるといわれています。この病気は、形態的な問題で起こる場合もあり、顎が小さい日本人はなりやすいともいえます。性別では男性2〜3に対し、女性1といわれますが、臨床の現場では男性7に対して女性1といわれています。女性は自覚症状がない方や受診することに抵抗感がある方も多いでしょう。また、発症のピークは男女で違い、男性は40代以降が多いのに対し、女性は60代以降に多いようです。退職したご主人が家で過ごすようになり、妻のいびきや睡眠中の呼吸に違和感を覚え、受診を勧めたという例もあります。当院では女性の方も気軽に来院できるような雰囲気を大切にしていますので、ぜひご相談ください。

最後に、これからの展望をお聞かせください。

服部庸一郎院長 医療法人社団新洋和会 吉祥寺睡眠メディカルクリニック6

この病気の認知度が高まったのは、今から18年前に新幹線の運転士さんが眠気に襲われ、急停止して事故を免れた出来事が報道されてからです。業務上のトラブルを招く危険性が高い職業には、検査を義務づけている企業も増えています。ただ、ご自分で睡眠時無呼吸症候群に気づくのは難しいものです。当院では、この病気の周知にも力を入れ、地域の方々に講演もさせていただいています。これからもJR中央線・井の頭線沿線および東京西部エリアの専門クリニックとして、地元の医院の先生たちとも連携しながら病気の認知度を高め、一人でも多くの方の健やかな生活に貢献していきたいですね。

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