田中 亜季郎 理事長の独自取材記事
田中歯科医院
(多摩市/小田急多摩センター駅)
最終更新日:2024/05/29
小田急多摩センター駅と京王多摩センター駅の両駅から7分ほど歩いたビルの3階にある「田中歯科医院」。現在は、2代目の田中亜季郎理事長を中心に、歯科一般から歯周病、予防歯科、歯科口腔外科、インプラント治療、矯正歯科などまで幅広く診療している。田中理事長はインプラント治療を得意としている他、対話を重視したコンサルテーションを大切に、口腔内から全身の健康までをトータルに考えた治療計画の立案に力を注ぐ。さらには、近隣に「田中歯科医院第二診療室」と小児歯科医院「キッズデンタルパーク」の2つの分院も展開し、訪問歯科診療にも取り組むんでいる。「小さな頃から高齢者までの歯科医療ニーズに対応できるフレキシブルなクリニックをめざしています」と話す田中理事長に、同院の診療について詳しく話を聞いた。
(取材日2024年3月5日)
生涯において再治療が必要ない治療をめざす
最初にクリニックを紹介していただけますか?
虫歯治療などの歯科一般から歯周病、予防歯科、顎関節症などの歯科口腔外科、インプラント治療、入れ歯、審美歯科、矯正歯科、訪問歯科診療などまで幅広く診療しています。歯科用CTやレーザー、マイクロスコープなど先進の機器も導入しています。また、当法人で「田中歯科医院第二診療室」と、小児の予防歯科が専門の「キッズデンタルパーク」を近隣で運営しています。当院と田中歯科医院第二診療室では主に成人の患者さんを、キッズデンタルパークではお子さんを対象に、そもそもインプラントなどの治療が必要にならないようにな環境をつくることをめざした診療に取り組んでいます。いずれのクリニックでも、口腔内だけではなく全身の健康状態をチェックしてアドバイスし、症状を未然に防ぐことを大切にしています。
早速ですが、読者に伝えたいことがあるそうですね。
皆さんは、今までに同じ歯を何回も治療した経験はありませんか? これまで多くの患者さんを診てきましたが、カウンセリングでお話を聞いても、今まで自分がどのような治療を受けてきたのか覚えていない方はとても多いんです。そして虫歯ができたら、その都度治療を行うケースが多いと思います。ですが、そのような対症療法ではなくて、原因をちゃんと突き止めて治療をしないと再治療の繰り返しになってしまうのです。そのような方には、自分が再治療を繰り返すような治療を受けていることを気づいてほしいですし、悪くなる原因を知った上で治療に入ることを大切にしてほしいと思います。当院が考えているエビデンスベースの治療は、その時に必要な処置をすべて行います。何よりもめざしているのは、生涯において2度3度治療することのない、継続して歯を使えるような治療です。
その上で力を入れていることはありますか?
インプラント治療です。私たちが行っているインプラント治療は、トップダウントリートメントという考え方で、理想的な場所にインプラントを埋入するために、骨が足りないのなら造成したり、歯茎が足りないのであれば移植をしたりして、理想の場所にインプラントを埋入することで、再治療にならないよう治療することをめざしています。確かに費用や期間がかかることもありますし、腫れや痛みが出ることがないとは言えません。でも、費用も安く短期間で終わる治療をして、再治療が必要になったときに言い訳ができるようなことをするよりも、1回で長持ちするように治療することが、より患者さんの健康のためになると考えています。
患者の「デンタルIQ」を高める診療に努める
その他、こちらで行っているインプラント治療の特徴はありますか?
コンピューターガイドシステムを採用しています。歯科用CTで撮影した患者さんのデータをコンピューター上で3Dにし、神経や血管の位置を見ながら、インプラントを埋入するポジションを細かく設計します。それをもとにサージカルガイドと呼ばれる補助器具を製作し、インプラント埋入手術で使用します。患者さんのお口のデータが、そのままサージカルガイドに反映されるので、コンピューター上の設計と口の中の現状、インプラントの配置がずれることなく、治療することがめざせます。このシステムによって、インプラント治療の精度や安全性への配慮は大幅に向上しました。しかし、何事にも絶対はありません。サージカルガイドを使わなくても、安全にインプラント手術ができるような知識や経験、技術を持ち、何かの違和感やトラブルが発生しそうなときに、敏感にそれに気づき、対処できることが重要だと考えています。
歯周病治療についてはいかがでしょう。
歯周病に関してはレーザーを使用した痛みに配慮した治療と、より進行した歯周病に対する歯周組織再生療法に力を入れています。特に、歯周組織再生療法は数年ほど前から薬剤などがかなり進化して痛みも少なくなってきました。外科的治療が必要ない患者さんは歯科衛生士がケアすることになりますが、大事なのは患者さんのモチベーションを上げてもらうこと。そのため、治療前と治療後に写真撮影をして経過を可視化し、患者さんにも確認していただけるようにしています。
その他、力を入れて取り組んでいることはありますか?
患者さんのデンタルIQを高めて、健康で長持ちさせるような口内環境づくりを行っています。そのためには対症療法だけではなく、患者さんの噛み合わせや習癖、生活習慣まで把握する必要があります。そのため初診時に、一眼レフカメラで口腔内や顔貌、笑った時の前歯の長さ、口角など、首から上の写真をすべて撮影させていただきます。そして、次回に1~2時間と長めの予約を入れていただいてカウンセリングを行い、一人ひとりの患者さんに適した治療計画を立てていきます。その際には、例えば出身地の話から入って歯の磨き方や日頃の習慣などまでを話していただけるような「対話」を心がけています。患者さんとは、トータルで本当に何時間も話をし、お互いの家族や趣味の話もしながら、信頼関係を築くことを心がけています。
患者との信頼関係を築くことを大切に
カウンセリングは、具体的にどのように進めているのですか?
例えば、インプラント治療が必要な場合でも、まずは今の口の中の全体の状態や考えられる原因を説明します。それで、ダメになっているからインプラントをしましょうではなくて、なんでダメになってしまったのか。そのままでインプラントを入れたら、それもまたダメになる可能性が高いですから、原因からちゃんと対処してインプラントをしましょうとお話しします。いきなりインプラント治療の提案をされたら、多くの場合驚いたり躊躇したりすると思いますが、日頃から患者さんといろいろな話をして信頼関係を築いていくことによってそこをカバーできればと思っています。患者さんとの関係づくりはすごく大切にしていて、だからこそ一緒に治療に前向きに取り組んでくれる患者さんが多いのかもしれません。
ところで先生は歯科医師になる前に別の仕事をされていたそうですね。
実は、高校を卒業してからダンサーを派遣する会社を起こして経営していたんです。しかし永続的にやっていくには難しく、同時に社会貢献を考えた時に、元気に楽しく歯科医師をしている父の姿を見て歯科医師になろうと決意しました。それから丸1年間は猛勉強して父が卒業した歯科大学に入学し、卒業後はすぐに父のもとで仕事を始めることに。性格上、好きなことしか長続きしないタイプなので、歯科医師という職業をもっと好きになるために自分が一番勉強できる環境を考えた末の選択でした。歯科業界でもなかなか珍しいケースだと思います。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
歯科医療の形態も刻々と変化しています。そうした時代の流れの中で、クリニックも現代のニーズに合ったかたちに変えていかなければならないと思うんです。将来的には近隣に移転して、設備ももっと充実させたいですね。そして、私が胸を張って治療に取り組んでいるように、患者さんにも「私は田中歯科医院に通院しているから安心だ」と胸を張って言っていただけるような診療をめざしたいと考えています。また、私は自分の家族や仲間を診療できる歯科医師になることが医療人としての第一歩だと考えています。ですから当院に一歩足を踏み入れてくださった患者さんも、自分の家族だと思って診察しているんです。安心安全な歯科治療を提案できるよう努力しています。口の中に不具合がなくとも、お口の健康づくりのためにぜひ一度足を運んでみてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周組織再生療法/5万円
インプラント(1本)/27万5000円~
骨造成/20万円~
歯肉移植/20万円~
矯正歯科/小児矯正:40万円~、成人矯正:85万円~
ホワイトニング/3万円~
※症例によって異なる場合がございますので、詳細はクリニックにお問い合わせください。