沼澤 秀之 院長の独自取材記事
沼澤デンタルクリニック
(小金井市/武蔵小金井駅)
最終更新日:2023/06/20
武蔵小金井駅から徒歩3分。前原坂上交差点近くのビル1階と2階にあるのが「沼澤デンタルクリニック」だ。同院の沼澤秀之院長は、歯科大学大学院を卒業後、インプラント治療を専門とするクリニックに勤務して研鑽を積んだのち、同院の院長に就任。以来、予防歯科とインプラント治療を2本の柱に、一般歯科から矯正治療、審美歯科、訪問歯科診療まで幅広く診療している。「スタッフ全員で、患者さんの健康を支えられるように努めていきたい」と気さくに語る沼澤院長に、最近リニューアルを終えた同院について、その狙いや地域の歯科医療にかける思いを聞いた。
(取材日2019年9月17日/更新日2023年5月26日)
より通いやすい環境にするべく院内をリニューアル
最近、リニューアルをしたと伺いました。
はい。当院は予防歯科とインプラント治療を2本の柱にしているのですが、新患の方が来て治療をして、その後にメンテナンスを続けていくと必然的に患者さんは増えていきます。そんな中で、今までは12台のユニットで診療をしていたのですが、いっぱいになってしまって。移転も含めて考えていた時に、1階が空くということで拡張し、現在は全部で19台のユニットになりました。もう一つの目的は、1階になることでバリアフリーにできることです。車いすの方やベビーカーを連れたお母さんも、移動のことを心配せずにご利用いただけるようになりました。キッズスペースがある個室の診察室も3つに増やし、待合室には2階建てのキッズハウスも作りました。さらに、マイクロスコープや医療用の洗浄機、ヨーロッパ基準でクラスBの滅菌器も新たに導入しました。
ほかに、変わったことはありますか?
バリアフリーを生かすために車による患者さんの送迎を始めました。今のところ週に2日ですが、介護福祉士の資格を持つドライバーが自宅まで迎えに行き患者さんをお連れして、診療後は自宅まで送ります。この地域には意外と坂がありますから、一人では通院できない高齢の方も移動手段さえ確保すれば大丈夫という方も少なくありません。当院では訪問歯科診療もしておりますが、それだと機材も限られて満足のいく治療をするのが難しいところがあるんです。いずれは高齢の方だけでなく、同じような状況に置かれている障害のある方の治療にも取り組んでいきたいと考えています。
予防歯科について教えていただけますか?
虫歯や歯周病にならないよう予防をしていくことです。治療も大切ですが、悪くならない口の環境をつくっていくことが本当に重要で、何歳になっても自分の歯で食事を楽しみたいと思ったら予防歯科は必要不可欠だと考えています。当院では、患者さんの了承を得た上で、最初にエックス線撮影を10枚と口腔内の写真撮影、歯周病の検査を行い、そのデータをもとに口の中の状態を診断します。そうすることで「虫歯はなくても歯石が多い」「表面はきれいでも裏に茶渋がついている」など、患者さんが知らなかったことを客観的に示していきます。そして、必要な治療を行った後も定期的にメンテナンスに通っていただき、歯科衛生士によるクリーニングやブラッシング指導を行い、お口の健康を保っていくことをめざしています。
予防歯科とインプラント治療を2本の柱に診療
インプラント治療についても教えてください。
私は、インプラント治療のエキスパートである三好敬三先生が院長を務める「三好デンタルクリニック」に勤務し専門性の高いインプラント治療を学び、今も全国の歯科医師によるインプラント治療の研究グループで勉強しています。世界的なインプラントメーカーのインプラントを用いた手術の指導も行っており、低侵襲なサージカルガイドを用いたインプラントの設計、治療法を広く伝えています。ガイドを使用したインプラント手術は腫れや痛みも最小限にとどめられ安全に配慮した治療が可能です。当院では、歯科用CTや3D治療シミュレーション、ガイデッドサージェリーを導入し、無切開で行うフラップレスと呼ばれる術式や、顎の骨の薄い方でも骨を造成することなくショートインプラントや傾斜埋入などで行うグラフトレスと呼ばれる術式で行うことで、安全に配慮しながら手術時間が短く、患者さんの身体的負担も少ないインプラント治療をめざしています。
予防とインプラント、なぜこの2つが柱なのでしょうか?
口の中の健康を保つには、「感染のコントロール」と「力のコントロール」の両方が必要不可欠だと考えるからです。失ってしまった歯を義歯やブリッジで補うのでは、ほかの歯に負担をかけることになり、噛み合わせの破壊につながりかねません。しかし、骨と直接結合を図るインプラントなら天然の自分の歯のようにしっかりと噛むことも望め、それによって「力のコントロール」も促せます。そして、インプラント治療の前にはクリーニングを徹底することが重要です。インプラントの周辺を清潔に保てなければ、やがてインプラント周囲炎などのトラブルにつながり、せっかく入れたインプラントが駄目になってしまうこともあります。しかし、この2つを同じ歯科医院で両立させていくのは難しいことだと思います。だからこそ、予防歯科とインプラント治療の双方を当院の中で両立させるのが私のテーマなのです。
小児歯科にも力を入れているそうですね。
やはり予防の観点からです。予防歯科とは、歯科医師や歯科衛生士が、お口の健康を守るための技術を患者さんに身につけてもらうための取り組みでもあります。小さい頃は歯科医院に通われていたお子さんが、中学生や高校生になると足が遠のいてしまうことが多いのですが、その前に口の中を健康に保つ習慣をしっかり身につけてほしいと思っています。ですから、小さいうちからの指導や習慣づくりが大切で、その頃からどうして虫歯になるのか、どうしたら防げるのかを理解してもらえればそれは一生の宝になるでしょう。当院では、お子さんが永久歯に生え変わったタイミングで、虫歯のリスクを調べるための唾液検査を提案しています。自分のリスクを知っておけば、歯磨きを続けるモチベーションにもつながるでしょう。虫歯の予防は一筋縄ではいかない難しいものだからこそ、虫歯になりやすいかどうかを事前に親御さんも知る必要があると思います。
スタッフ全員で、患者の健康を支えられるように
先生は、なぜ歯科医師を志したのですか?
実は祖父と父、兄が歯科医師なんです。育った環境の影響が一番かもしれません。ただ、高校2年生頃までは料理人になりたかったんですよ(笑)。日本料理店を営んでいる知り合いがいて、格好良いなと。子どもの頃から釣り好きだったので、自分で魚を釣ってさばいて調理している姿に憧れていました。進路を決める時期になって、両親からは大学進学を勧められて、悩んだ末に兄と同じ東京歯科大学に進学しました。高校が理系クラスでもともと生物学や生理学が好きだったので、授業は楽しかったですね。手先が器用だったので実習でも手応えを感じ、大学3年を過ぎる頃には歯科医師に向いているかもしれないと思うようになりました。
どのようにリフレッシュしていますか?
釣りが好きですね。もう7年くらい前から、相模湾でキハダマグロを追いかけているのですが、1回も釣れてないんです。だんだんつらくなってきたところで、一緒に行く仲間が今年釣ってもっとつらくなってしまったりして(笑)。始めたときに5年釣れないのも当たり前と聞いていたのですが、もう7年になってしまいました。ばくちみたいなものですから難しいですけど、やっぱり釣りたいですね。
今後の展望を教えてください。
地域で信頼される歯科医院を追求していきます。そのためには、自分以外の歯科医師や歯科衛生士など、スタッフの存在が欠かせません。最近、クリニックづくりやスタッフ管理についての話をしてほしいとか、文字媒体を通しての情報発信の依頼などをよくいただくんです。2019年12月に歯科雑誌社の後押しもあり、「開業医だからわかる スタッフが辞めない歯科医院の作り方」という書籍を発売しました。スタッフとともに患者さんのために働ける健全な医院運営のノウハウを発信しています。外から見ても参考にしたいクリニックだと思っていただけているのであれば私自身もうれしいですし、患者さんにもメリットがあると思います。現状を維持すると同時に、知識や技術を高めていくための活動も、自分だけでなくスタッフも含めてしていきたいですね。これからもスタッフ全員で、患者さんの健康を支えられるように努めていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正治療/70万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/30万円~、インプラント治療/1本45万円~、ジルコニアクラウン/5万円~、メタルボンド/10万円、オールセラミック/12万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。