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菊地邦夫 院長の独自取材記事

菊地脳神経外科・整形外科

(小金井市/東小金井駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR中央線東小金井駅から徒歩7分のところにある「菊地脳神経外科・整形外科」。院長の菊地邦夫氏は、地域に根ざしたかかりつけ医として30年以上、この地で診療を続けてきた。専門性の高い脳神経外科を標榜しながら幅広い主訴に対応してきた理由は、東洋医学の漢方などを取り入れた治療を実施しているためだ。菊地院長は、中医学を学ぶために上海へ留学した経験がある。東洋と西洋医学のメリットを最大限に活かし、デメリットを相互補完しながら治療を行っている。しかし、患者たちが足しげくここへ通う最大の理由は他でもない、菊地院長の人柄である。診療前の待合室に入ってきた患者に、菊地院長はいつも優しい笑顔で声を掛ける。患者に名前で呼び掛け、「今日は歩きかい?珍しいねえ」と話し掛ける何気ない言葉の中には、病気だけでなく、生活やバックグラウンドにまで向き合ってきた真摯な姿勢と優しさが伝わる。思えば語られる朴訥な言葉の奥にはいつも、この優しさがあった。そんな菊地院長のこれまでの経緯を伺った。
(取材日2014年7月23日)

東洋・西洋医学の両眼を持ち、より高いレベルの健康を目指す

開業までの経緯を教えてください。

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内科の医師だった父がここで開業していました。ですから、この場所が私の実家です。電気の開発者を夢見ていた高校2年のときに父が他界し、母の希望に従って医師を目指すことにしました。大学は、父と同じ東京慈恵会医大へ進みました。時代は安保闘争真っ盛り。医学連闘争の渦中で新聞部員として活動していたため、卒業はしたものの医師国家試験はボイコット。医師免許を取得したのは卒業から半年後のことでした。その後はそのまま大学の医局で脳神経外科に進みました。

どうして脳神経外科に進まれたのですか?

人は脳で行動する生き物です。そこには人間本来の妙味があるように思いました。でも実際は難しかった。人は決められたパターンに当てはめられるような単純なものではありませんからね。患者さんの頭にメスを入れておきながら治すことのできない無力感は、やがて疑問に変わっていきました。ちょうどその頃、病院で中医学を学ぶ上海への留学生を募集していました。すかさず挙手して留学が決まり、東洋医学の門を叩いたのです。当時の上海は今とは大違い。まだまだ国交が結ばれたばかりで日本人もほとんどいない状況でした。私は病院のサポートを受けながら、通訳を伴って勉学に励みました。始めは戸惑いましたが、すぐに中医学の有用性を実感することになりました。西洋医学が病気の原因を突き止め、特定箇所を薬や手術で取り除いて治療するのに対し、悪い部分だけでなく全身の状態を診てアプローチしていく治療法には驚きました。鍼灸を学び、日本に戻ってからは保険の適用内で診療できるようにと、漢方の勉強を続けました。

その後、開業されたのですね。

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父が開業していた跡地とはいえ、他界してからは随分年月が過ぎていましたので、一からのスタートとなりました。地元で幼少期から過ごしてきたことで、昔からの繋がりによってさまざまな患者さんが来てくれて助かりました。でも当時のこの辺りはまだ畑ばかり。脳神経外科の専門性を求める人などほとんど居ませんでしたので、毎日、風邪や腰痛などで来院される患者さんばかり診ていましたね。脳神経外科の医師として専門的な治療に臨むばかりの私にとって、どんな症状でも診なければならないという状況は特異でしたが、中医学の知識や薬が大いに役立ちました。開業時には一通りの漢方薬を揃えていましたので、しっかりと患者さんの話を聞きながら全身を診て漢方薬を処方し、皆さんのかかりつけ医となるべく診療に励んでおりました。

認知症診療の窓口を設け、患者の生活全般を支援する

認知症の患者さんのために月に2度、専門の医師による相談日を設けられているのですね。

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以前は通常の外来で認知症患者さんの診療を行っていたのですが、待ち時間を少しでも減らし、患者さんやご家族の負担を軽減しようと、初診、再診の1回目までの患者さんを対象に、専門の窓口を設けました。今では、介護保険の説明申請を初診の1日で行えるようにしています。担当は、内科の医師であり、杏林大学で高齢者診療に従事した経験のあるベテランの医師です。介護保険の受給は、患者さんやご家族にとって重要な問題です。しかしご本人に面接を行うと、どうしても出来ないことより出来ることばかりを強調して話してしまう。正しいケア段階が把握できない状況でした。私たちはそうした高齢者をサポートするために、医師や言語聴覚士、理学療法士、併設する「リハビリケアプランきくち」のケアマネージャーらと連携をとりながら、患者さんの治療に当たっています。診察前には、コミュニケーションのプロである言語聴覚士が、患者さんの伝えたいことを把握して、医師やスタッフに伝えてくれます。その後、先進のマルチスライスCTによる画像診断と血液検査を行い、認知症診療の担当医による診察を行います。当院は脳神経外科ですので、検査によって除外した疾病を診断したら、そのまま治療にあたっていただくことができるという利便性が喜ばれています。

リハビリケアプランきくちができた背景は、どのようなものですか?

病院というのはあくまで治療の場なので、治療の必要が無くなれば、もう通院することはありませんよね。超高齢化社会が始まり、老老介護などのさまざまな問題が身近なものになってきた中、患者さんの中には孤独を感じられる方もいらっしゃいます。また、認知症患者さんのご家族は、とても大変な毎日を過ごされていますよね。そんな時に、一時的にでもイベントやレクリエーションなどを通じて笑ったり、話したりする時間を過ごされるのはとてもいい。病院に併設しているということで、安心して活用していただきたいですね。

診療において最も大切にされていることはどんなことですか?

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人の身体は痛いところが悪いとは限りません。それに、個人にはそれぞれの持って生まれた体質があります。私が実践するのは、病気を個人特有のものして、症状のある部分を体全体から診察することです。そのため、症状が無くなれば良かったということではなく、本来の生き生きとした生活を送るために必要な、調和のとれた健康な体に戻すことを目標にしています。全身のバランスを整えるためには東洋医学が有効と考え、漢方などを使って症状の改善に努めています。認知症の患者さんの興奮を抑えるときなどに、体に負担の少ない漢方薬を使うのも有効だと思います。

次世代への課題を残しつつ、日々の診療に全力で向き合う

待合室に子供の姿がありました。ご高齢の方ばかりのイメージを持っていたので意外でした。

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整形外科の患者さんか、ご家族の付き添い、もしくは、頭を強く打ったりして脳神経外科の診療を待たれているのかもしれませんね。たまにお子さんがいらっしゃると、どうにも気になってしまいますね。診察中に泣き声が聞こえてくると、順番を先にしてでも早く終わらせてあげたくなってしまうのです(笑)。

どんな趣味をお持ちなのですか?

昔からゴルフが好きなので、休診日である木曜日に医師会の友人らと、埼玉や山梨のゴルフ場へ行ってコースを回っています。とは言っても実際はコースを回りながら飲むお酒が楽しみというのが本当のところ(笑)。ビールやウィスキーを飲みながらのゴルフは良いですね。それ以外は、寝ているか、妻の買い物につき合うかくらいです。特に健康的に気をつけていることもないし、医者の不養生を体現した生活を送っていますね。認知症診療を行っている医師が息子の嫁なので、健康に気をつけろ!といつも怒られているのです(笑)。

今後の展望などがあれば教えてください。

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私ももう73歳になりました。60歳で退職する予定がもうこの年です(笑)。関東中央病院で勤務医として働いている息子が、脳神経外科の医師として当院でも診察を行っています。できれば早く次の世代にバトンタッチしたいというのが本音です。だけどそれまでは今来て下さっている患者さんのためにもしっかりとしていなければならない。長生きは目標ではありませんが、医師として働ける内は、精一杯皆様の健康を応援していけるようにがんばります。

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