金光 寛承 院長の独自取材記事
武蔵小金井クリニック
(小金井市/武蔵小金井駅)
最終更新日:2024/06/19

武蔵小金井駅より徒歩2分の位置にある「武蔵小金井クリニック」。一歩足を踏み入れると、ホテルのロビーのような優雅な空間が広がる。絵画が飾られた受付、クラシカルなソファーとゆったりした空間のある待合室など、一見してクリニックとは思えないほどの豪華さ。これは1991年に金光寛承(かねみつ・ひろよし)院長が開業した時からこだわってきたホスピタリティーによるもの。「当クリニックでは、真に寄り添える診療を実現するために、患者さんを“患者さま”と呼ぶよう徹底しています」との言葉どおり、独自の取り組みにこだわっている。検査の際に女性患者が気にならないようレディースデーを設け、番号で待ち時間がわかるシステムを導入するなど、診療のサービス化を徹底してきた。金光院長にクリニックの特徴や診療への想いを聞いた。
(取材日2024年3月13日)
長きにわたって患者に寄り添う診療を実践
開業から30年以上たちますが、振り返っていかがですか?

1991年にこの武蔵小金井に開業してから、もう33年が経過します。もともと臨床志望だったことから、母校である大学の系列病院で勤務していたんですね。当時の診療環境は今とは大違いで、風邪の方、喘息の発作を伴っている方、肝不全ですぐにも腹水を抜かなければならない方が、一様に同じ場所で診察の順番を待っていたんです。このことから、高度な医療設備を備えた病院は、即時処置、高度医療が必要な方の治療に専念し、風邪や高血圧など比較的病状が安定している方はクリニックで診るような分担の仕組みを考えるようになりました。後に病診連携医療と呼ばれる考え方ですが、それを実現するために開業し、今に至ります。この間、新型コロナウイルスの感染拡大や、私自身の考え方の変化などもあり、医師として成熟の極みを感じています。
これまでの医師人生を振り返り、どのような変化を感じておられますか?
もともと当院は大学病院の外来と同等、あるいは、それ以上のレベルで診療を行うことをめざしてきました。ですので、日本消化器病学会消化器病専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本循環器学会循環器専門医に加えて、糖尿病、内分泌系の専門家も在籍しています。また、高度な治療を支えるための検査機器・設備もそろえています。そんな中、高度な医療だけでなく、真に患者さまに寄り添うことの本質が、私の診療に現れてきた気がします。37歳の時に開業しましたので、当時からお付き合いのある患者さまは、70~80代と、後期高齢者が増えてきています。医療費や社会保障費といった経済面で患者が圧迫されないよう、また治療から足が遠のかないよう、新しい課題に向き合っています。
患者さんに寄り添うというのは具体的にどういうことでしょうか?

私は、医師が大事にすべきことは5つあると考えています。医師として人格者であること、揺るぎない価値観を持っていること、医療における高い能力を維持していること、治療に対するセンスを持っていること。そして最も重要なのが、医師の仕事が好きであることです。正直に申し上げて、若い頃には高齢者のお考えやお気持ちがわからないこともありました。しかし、今、自分も年齢を重ね、患者さまの考えや気持ちが今まで以上にわかるようになったんです。ですから今、治療の話だけでなく世間話までするようになり、皆さまとの対話が楽しくて、好きで仕方がない自分がいます。立場の垣根を越えて、1対1の人間同士で、本当に相手のためになることをさせていただきたいという強い気持ちを持って診療に臨んでいます。
女性スタッフのみで健康診断を行うレディースデー
毎月1回のレディースデーについて伺います。

当クリニックは、1階が一般外来で、2階は総合健診部門になっており、2階では人間ドック、健康診断を行っています。月に1度のレディースデーでは、医師、検査技師、看護師、職員などすべて女性スタッフを配置し、女性が安心して検査を受けられる環境を整えています。婦人科の先生もいますので、乳がん、子宮がんなど女性特有の病気の検診、相談もしていただくことができます。ちなみに、健康診断、人間ドックでは、院内感染防止のため、使い捨てのスリッパを使用しています。当日お使いいただいたスリッパは、付属のポーチに入れてお持ち帰りいただくこともできます。
他に、患者さんのために行っていることはありますか?
当クリニックの基本スタンスとして、こちらが「診てあげる」のではなく、「診させていただいている」のだ、という意識を職員全員が持つことを大事にしています。これは開業当時から徹底していますね。ですので、まず患者さまをお待たせしたり、不安にさせたりしないために、30分以上お待たせしないように配慮しています。また個人情報保護の観点から、お名前ではなく受付でお渡しした番号で診察室へお呼びするようにしています。受付番号は診察室ごとに表示されますので、待ち時間もわかりやすくなっています。他にも、医師を指名できる制度を導入しています。どの先生も優秀ですが、人間どうしても相性はあるものです。ですから、受付で指名をしていただければ、希望する医師の診察が受けられるようにしていますね。
予防医学の観点で、特に工夫していることなどはありますか?

近年、医療機器のデジタル化が進んでおり、患者さまのエックス線写真や検査画像が見やすくなっています。診療中に、画像データを見ながら説明をしたりしますが、例えば、胃カメラを飲んで異常のない画像が撮れたら、「よかったら画像を転送しますので、お持ち帰りください」とお渡しすることもできるんです。これは、「今のあなたの胃はとてもきれいですから、このまま内臓に負荷をかけず、保っていきましょうね」というメッセージでもあります。百聞は一見に如かずで、画像をお見せすることで患者さまご自身の予防意識向上につなげたいと考えています。それに画像が手元にあれば、当クリニック以外の病院にかかるときや、数年後に再受診するときに医師に見せれば、状況比較しやすくなりますからね。
患者に心身、経済面での負担をかけない工夫を重ねる
33年の年月をかけて理想とする医療環境を構築し、それが患者さんたちにも浸透しているように感じます。

おかげさまでご理解くださる患者さまが多いのは間違いありません。でも、より突き詰めていくことも考えています。例えば、経済的な懸念から、保険診療のみにとどまっている患者さまも少なくないのですが、本当にその方にとって必要な検査や診療をするとなると、保険診療の枠に縛られないほうが提案の幅は広がるんです。その場合、オーダーメイド診療になりますから、患者さまに合った予防を提案でき、早期発見にもつながります。病気がある程度進んでから対応するだけでは、費用面、心身の苦痛という面で大変になりますから、いかにオーダーメイド診療に近づけるよう経営努力を重ねていくかが、目下の課題です。
ご多忙かと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?
最近は、ダンスを趣味としている甥っ子と一緒に、ライブをするのが息抜きになっています。私はギターを担当し、J-POP、K-POPなどを演奏するんです。たまに、私が若い頃によく聞いたフォークソングの名曲なども入れてみたり(笑)。20代の若者とセッションをすることは、とても良い刺激になっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

何かあったとき、いざというとき、信頼できるかかりつけ医がいると安心するものです。元気なうちに、自分と気が合って意思の疎通がしやすいかかりつけ医を持つことをお勧めします。そして、受診の際には正確に状況を伝えられるよう、ぜひ記録を取っておいてください。例えば、発熱があるとき、いつから発熱したかなど、できるだけ詳しくご報告をいただければ、医師の対応精度が上がっていきます。あとは、不安のあまり、医師に一気にまくしたててしゃべらずに、落ち着いて、質問と答えのキャッチボールをするようにしてください。こういうコツを心得ておくと、今まで以上にスムーズに診療を受けることができますよ。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万4000円~
頭部CTスキャン/1万3200円~
胃の内視鏡検査/5500円