仲山 尚男 院長の独自取材記事
レガデンタルクリニック
(国分寺市／西国分寺駅)
最終更新日：2024/04/03
国分寺市で30年以上診療を続ける「レガデンタルクリニック」。仲山尚男院長は、悪くなった部分だけでなく口の中全体を診て総合的に治療し、適切な予防につなげることで、健康な状態の維持をめざす「総合歯科診療」をコンセプトに掲げ、地域密着型の診療を行ってきた。患者のニーズに応えることを目標に、専門分野を限定せず幅広い診療に注力し、治療後の患者のフォローアップも重視する。「動画による情報発信にも力を入れていきたい」と仲山院長は語り、治療だけに終わらない患者との関係構築をめざしている。丁寧で穏やかな口調でわかりやすく説明する仲山院長に、同院のコンセプトから今伝えたいことまで話を聞いた。
（取材日2024年2月14日）
治療を繰り返さないための根本的な処置とメンテナンス
まず、診療方針や特徴を教えてください。
当院は30年以上同じ場所で診療を続けてきた、地域密着の歯科医院です。駅直結の商業施設にあり、親子や家族で利用される方も多くいらっしゃいます。中にはホームページで当院を知ったと、茨城県や千葉県から通われる患者さんもいますね。遠方から足を運んでくださるのは、当院が「総合歯科診療」というコンセプトを明確にしているからだと思います。総合歯科診療とは悪くなった部分だけではなく口の中全体を診て適切な治療法を検討し、治療を行った後もフォローアップを続けるという、トータルな歯科診療の考え方です。
総合歯科診療についてもう少し教えていただけますか？
虫歯や歯周病になったからと痛みや症状の出ている部分だけを治療しても、原因が間違った歯の磨き方や噛み合わせのバランスの乱れだった場合には、そちらも改善を図らないと同じような症状を繰り返すことが考えられます。口の中全体、さらには全身の健康や生活習慣なども含めて悪くなった原因を考え、根本から正していくことをめざす診療を重視しているんです。そして良い状態を長く維持するには、歯磨きなどを含むご本人の努力と、定期的なメンテナンスでの通院は欠かせないと考えます。少し前までは「メンテナンスに来ない人にはどうアプローチしたらいいのだろう」と半ば諦めかけていました。しかし、それでは医療機関として無責任であると気づき、改めて患者さん一人ひとりに合ったフォローアップ活動も含めて、総合歯科診療に取り組むようになったのです。
どのようにフォローされていますか？
「メンテナンスに来てください」と言うだけでは、なかなか患者さんにその重要性をご理解いただけません。その方がメンテナンスに来るメリットは何かを具体的に伝えることを大切にしています。治療中からご本人の考え方を伺い、例えば健康を重視される方なら、歯周病が糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などの病気のリスクにつながるといった情報を提供します。そして受付スタッフや歯科衛生士とも患者さんの情報を共有して対応を考えるなど、患者さん一人ひとりへのアプローチに力を入れています。また、初診の患者さんは必ず口腔内スキャナーで口の中を撮影して、その3Dデータを患者さんと一緒に確認します。口の中を360度写し出せるデータですので、磨き残しや噛み合わせなどがはっきりとわかるんです。言葉で伝えることも大切ですが、目で見ていただくとよりメンテナンスの大切さが響くのではないでしょうか。その上で、問題点や改善方法などをお伝えします。
噛み合わせの不具合を分析して治療する
噛み合わせの治療も行っているそうですが、どういったものなのでしょうか？
虫歯の原因が歯並びや噛み合わせのずれの影響による磨き残しだった場合、噛み合わせを治療しなければ、やがてまた虫歯になり治療の繰り返しになりかねません。噛み合わせの不調から引き起こされるのは虫歯だけでなく、顎を動かすと痛みを感じたり、口が開けにくくなったり、片頭痛などの不定愁訴に悩まれたりといった症状として現れることもあります。噛み合わせの悪さの要因は歯並びや食いしばり、普段の姿勢などさまざまで、それぞれに応じた治療が必要です。そのためには、今起きている症状が本当に噛み合わせに起因するものなのか、噛み合わせがずれているなら本来はどのような位置が望ましいのかといった診断を行うことが重要です。当院では咬合学の理論に基づいて開発された考え方を用いて顎機能の精密検査を行い、得られたデータを解析することで、長期的に安定した噛み合わせの状態を保つことをめざした治療法を提案します。
メンテナンスではどのような点に力を入れていますか？
現在、患者さんをどんどん増やしていくより、通ってくださっている患者さんに手厚いフォローを続ける診療にシフトしてきています。そこで、定期的に通院することになるメンテナンスはより快適に受けていただきたいので、落ち着いた雰囲気のメンテナンスのための個室を設けました。また、口の中を徹底的にきれいにすることを目的としたクリーニングは今の保険診療では対応できないので、自由診療でのメンテナンスもご用意しました。保険診療のメンテナンスと併せて、年2回ほど自由診療のメンテナンスを受けていただくことを勧めています。
ホワイトニングに関心を持つ患者さんも多いそうですね。
はい。「ホワイトニングで歯を痛めませんか？」といったご質問はよくいただきます。ホワイトニングに使用する薬剤には過酸化水素が含まれます。過酸化水素水は、もともと歯周病治療に使われていた成分で、それがホワイトニングに用いられるようになりました。ですから、安全に配慮された薬剤といえます。さらにホワイトニングをすると汚れがつきにくくなることも望め、メンテナンスの負担軽減にもつながります。審美面だけではない歯への健康効果が期待できるので、歯周病で歯茎が下がり根面う蝕になりやすいご高齢の方には特にお勧めしたいですね。実際、メンテナンス時にホワイトニングを希望されるご年配の患者さんも増えています。定期的に歯科医院に通うと、口腔内へ意識を持つことにもつながり、良い状態を長持ちさせることも見込めます。歯科医院では厚労省の認可済みの正規のホワイトニング薬剤を使うことができるので安心していただければと思います。
正しい情報を見抜くための知識を得てほしい
先生が開院されるまでの経緯を教えてください。
父は公務員で転勤が多く、私も小さい頃から日本各地を転々とし、小学3年生の時にようやく落ち着いたのが国分寺市だったんです。親戚に医師や歯科医師が多く、特に歯科医院は身近な存在でした。小学生の頃は親戚の歯科医院に遊びに行き、入れ歯作りのまねごともしていたんです。その影響なのか歯学部に入り、卒業後はかぶせ物・詰め物や入れ歯を使って治療する補綴分野を専門に選び、大学病院で診療経験を積みました。その後、国分寺市の地域医療に役立ちたいと考えて、1991年の開院に至ります。大学病院時代、特に重要と感じたのが噛み合わせで、開院後も咬合学をウィーン大学のスラヴィチェック教授、矯正学を神奈川歯科大学の佐藤貞雄教授に学びました。
現在、動画での啓発にも力を入れているとお聞きしました。
もともと来院された方にオリジナルパンフレットをお渡しして情報提供をしていたのですが、動画のほうがわかりやすいと思い、動画での発信を始めました。ですので、多くの人へ向けてというよりは、当院に来てくださった患者さんに対しての、話しきれなかったことの補完という意味合いが強いです。今はSNSなどに多く情報があふれている時代ですから、患者さんに正しい情報を見つけ出す知識を得てほしいと考えています。当院で配信する動画では、自分の目で見た一次情報に加えて、研究論文を読み込んで得た信頼の置ける情報を届けることに努めています。動画を作ると私自身もとても勉強になるんですよね。
最後に地域の方にメッセージをお願いします。
高齢になってもご自身の歯が残っている方は、早くから口腔ケアに真剣に取り組んでいらっしゃったのだと感じます。悪くなったら治療する流れではなく、可能なら10代、20代から口腔ケアを始めていただき、「予防を行うことで治療をしなくて済む」状態を維持していただきたいですね。「人生100年時代」といわれる中で、しっかりと口から食べて栄養を取ることは、心身の健康にとても重要な意味を持つでしょう。当院は定期的なメンテナンスと動画によるわかりやすい情報発信で、地域の皆さんの健康寿命を少しでも延ばすために貢献するのが目標です。「今は痛くないけれど、きれいにしたいから」といった段階で、気軽にご利用いただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはオフィスホワイトニング／1回 1万9900円～、ホームホワイトニング／1万9900円～、歯のクリーニング／9900円～、マウスピース型装置を用いた矯正／50万～100万円、ブラケット矯正／金属ブラケット80万円～、セラミックブラケット90万円～、インプラント／埋入手術料28万円、骨造成10万円、上部構造20万円（CT検査費用6000円）、口腔内歯肉縁下レーザー歯石除去／１歯3500円～、顎機能精密検査／8万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。
