宇都宮 雅子 院長、吉田 智彦 先生の独自取材記事
国分寺リウマチ膠原病クリニック
(国分寺市/国分寺駅)
最終更新日:2026/05/14
国分寺駅から徒歩3分の場所にある「国分寺リウマチ膠原病クリニック」。2026年4月より、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医の宇都宮雅子先生が院長に就任した。同院では、治療方針を医師が一方的に決めるのではなく、患者とともに考え、納得した上で治療を進める「シェアード・ディシジョン・メイキング」を診療ポリシーに掲げ、一人ひとりに寄り添った診療を行っている。また、同法人が運営する「世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院」と連携し、医師同士の相互診療や電子カルテの共有、スタッフ教育などを通じて、高品質な医療体制を整えている。優しい笑顔が印象的な宇都宮雅子院長と、明るく前向きな語り口の吉田智彦先生に、クリニックの特徴や診療への思いについて伺った。
(取材日2026年4月11日)
予防医療への関心から、地域で支えるリウマチ診療へ
医師をめざしたきっかけと、ご経歴について教えてください。

【宇都宮院長】高校3年生の頃、「病気の予防に関わる仕事がしたい」と思ったのがきっかけでした。母が健康番組が好きで、予防医療に興味を持っていた影響も大きかったですね。東京大学健康科学・看護学科に進学しましたが、実習で患者さんに病気のことを十分に説明できないもどかしさから、「医学をしっかり学びたい」と思うようになり、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)医学部へ進学。卒業後は亀田総合病院で臨床研修を行い、岸本暢将先生との出会いがリウマチを専門にする大きなきっかけになりました。その後、武蔵野赤十字病院でリウマチ科の医師として研鑽を積む中で、「リウマチ専門医はいるのに、十分に診てもらえない患者さんがまだ多い」という課題を感じるようになりました。地域で標準的な医療を届ける難しさも実感し、「いつか自分で形にしたい」と思い続けてきました。
院長に就任された経緯について教えてください。
【宇都宮院長】前職で講演会の座長を務めた際、吉田先生が話されていた「シェアード・ディシジョン・メイキング」の考え方がとても印象に残りました。そこで、診療理念やクリニック運営について知りたいと思い、「世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院」を見学させていただいたのがきっかけです。
【吉田先生】リウマチ・膠原病領域は医師同士の交流が多く、それぞれの診療方針や姿勢について自然と耳に入ってくることがあります。実際に宇都宮先生とお話しする中で、一人医長として培われた責任感と、総合病院でチーム医療を経験されてきたバランス感覚を兼ね備えた先生だと感じました。診療スキルも非常に高く、ぜひ一緒に診療したいと考え、国分寺リウマチ膠原病クリニックの院長をお願いしました。
本院とはどのように連携しているのでしょうか。

【吉田先生】大切にしているのは、「人の行き来」です。宇都宮先生には本院でも診療していただき、私自身も節目ごと国分寺院に訪れ、診療を行っています。また、スタッフの意見交換や診療業務の標準化、治療方針の確認などを目的としたミーティングも定期的に開催しています。開業医は、一人で診療を続けていると、自分の診療レベルや改善点に気づきにくくなることがあります。だからこそ、複数の医師が関わる体制を整え、スタッフについても、本院のスタッフが国分寺院へ行ったり、国分寺院のスタッフが本院で学んだりと、相互に交流できる機会を設けています。さらに、電子カルテを共有しているため、お互いの診療状況を確認しながら連携を図ることができます。世田谷リウマチグループ全体として、診療の質や治療方針をしっかり統一し、どのクリニックでも同じ水準の医療を提供できるよう努めています。
一人ひとりの患者に合わせて治療をカスタマイズ
患者さんと向き合う際、大切にしていることはどんなことですか?

【宇都宮院長】「シェアード・ディシジョン・メイキング」を根っこに、治療の選択肢や手段をできるだけしっかりお伝えすることです。体質や生活背景は人それぞれ異なるため、その方に合わせて一緒にカスタマイズしていくことが大切だと思っています。「先生にお任せします」と言っていただくこともありますが、私としては一度持ち帰って考えていただいてもいいので、最終的には納得した上で一緒に決めていきたいと考えています。患者さんが腹落ちした状態で治療を進めめられるよう、診療中のストレスをできるだけ減らすことも意識しています。
チーム医療で患者さんを診ていらっしゃるのですね。
【吉田先生】リウマチ・膠原病診療は、治療の選択肢が増え、質の高い治療を提供できるようになった一方で、内容は非常に繊細かつ複雑になっています。そのため、医師一人だけで完結するのではなく、チーム医療が不可欠だと考えています。医師は患者さんと向き合う時間に集中し、看護師や医療事務など各職種のスタッフが専門性を生かして患者さんを支える体制を整えています。例えば、看護師はフットケアや服薬指導、自己注射のサポートを担い、医療事務も診療内容の整理や各種手続きを支えています。それぞれが役割を持って関わることで、患者さんの満足度向上だけでなく、診療の質の向上にもつながります。また、患者さんは診察室では緊張で本音を話しにくいこともありますが、多職種のスタッフが関わることで、より自然に思いを引き出せるのもチーム医療の大きなメリットだと思います。
漢方の処方も行っているそうですね。

【吉田先生】当院では、先進のリウマチ・膠原病専門医療を行う西洋医学と、漢方治療を中心とした東洋医学を組み合わせた「統合医療」を大切にしています。西洋医学を軸としながらも、東洋医学を含めた幅広い選択肢があることで、患者さん自身が納得して治療を選択しやすくなると考えています。宇都宮先生はこうした多面的な視点や引き出しをしっかり持つ先生です。さらに、看護師や医療事務スタッフを含めたチーム全体で患者さんを支えられる点も、大きな強みだと感じています。患者さんに寄り添った医療を実践できる、とても良いクリニックだと思います。
健康寿命を支える医療を提供していきたい
どのようなタイミングでリウマチ科を受診したら良いのでしょうか。

【宇都宮院長】受診の目安は、「普段どおりの生活が送れなくなったとき」だと考えています。これまで普通にできていたことが難しくなったり、痛みやだるさ、こわばり、皮膚の異常など、いつもと違う症状が続いたときですね。明確な基準を示すのは難しいからこそ、ご本人やご家族が「何かおかしい」と感じたタイミングで、気軽に相談してほしいです。
【吉田先生】健康診断でリウマチ因子が陽性と言われ不安を感じた場合や、手足のこわばり、痛み、むくみがある場合には、一度受診をお勧めします。また、微熱や倦怠感、皮疹、筋肉痛などが続く場合、膠原病が関係している可能性もあります。早期の段階であれば、比較的負担の少ない治療で対応できるケースも多いため、お一人で悩まず、まずは気軽に相談していただけるクリニックでありたいと考えています。
多摩総合医療センターとも連携しているそうですね。
【宇都宮院長】はい、当院は東京都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病内科と診療連携を行っています。リウマチや膠原病は、長く付き合っていく病気だからこそ、治療だけでなく、その方の人生全体を見据える必要があると思っています。特に若い患者さんからは妊娠や出産に関する不安を多く聞きます。私自身、多摩総合医療センター在籍時に、そのような悩みに応えるために母性内科の外来を立ち上げ、今も関わっています。治療の進歩により、タイミングや薬を調整することで出産をめざすことができます。病気の治療だけでなく、人生の楽しみも守れるよう支えていきたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【宇都宮院長】専門的な治療だけでなく、体全体を診る「かかりつけ医」として、患者さんの人生に寄り添いながら支えていきたいと考えています。治療そのものだけではなく、気軽に頼っていただける“伴走者”のような存在でありたいですね。
【吉田先生】リウマチや膠原病は女性に多く、結婚や妊娠・出産、子育て、介護など、さまざまなライフイベントと向き合いながら病気を抱えることは、決して簡単なことではありません。だからこそ、妊娠や出産といった人生前半の課題から、骨粗しょう症など人生後半の健康問題まで含めてトータルに支えていくことが大切だと考えています。長く元気に過ごしていただく「健康寿命」を支える医療として、患者さんの人生全体に寄り添っていきたいですね。

