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萩原 晋二 院長の独自取材記事

はぎわらクリニック

(東久留米市/東久留米駅)

最終更新日:2024/05/13

萩原晋二院長 はぎわらクリニック main

西武池袋線の東久留米駅東口からバスで約5分。西友東久留米店前停留所から徒歩約1分の場所に「はぎわらクリニック」はある。前院長が診療を行っていた「東久留米団地診療所」を息子である萩原晋二先生が継承し、2023年1月にリニューアルオープンしたクリニックだ。広々とした院内は白色を基調とするデザインが施され、温かみのある雰囲気に包まれている。萩原院長は日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医の資格を持ち、日本糖尿病協会の登録医で、腎臓病と糖尿病治療の専門家だ。内科診断のスペシャリストでもあり、地域のホームドクターとして患者が笑顔で通えるクリニックでありたいと語る萩原院長に、さまざまな話を聞いた。

(取材日2024年3月4日)

医療では薬だけでなく言葉の力も重要

医師を志したきっかけからお聞かせください。

萩原晋二院長 はぎわらクリニック1

父と母方の祖父が医師ということもあり、自然と医療の道に興味を抱くようになりました。祖父は地方の開業医で、自宅と診療所が一緒だったこともあり、遊びに行くたびに医師として働いているのを見ることができたんです。患者さんに対していつもにこにこと優しく接していたのが、懐かしく思い出されます。一方、父はこの場所で開業していたのですが、自宅と離れていたこともあり、診察する姿を目にしたのは一緒に働くようになってから。穏やかで真面目、患者さんとよく話し診察はとても丁寧です。2人のように私も常に患者さんに笑顔で接するよう心がけています。

クリニックを継承するまで、どのような経験を積んでこられたのでしょう。

大学を卒業した後は、感染症治療の先端を担う国立国際医療センターで研修をしました。各専門科を回りながら多種多様な患者さんと出会い、医師としての土台をしっかりと築くことができたと思います。大学院修了後は順天堂大学医学部附属浦安病院で勤務し、北海道の留萌市立病院に派遣され、医療過疎地での地域医療の難しさにも直面しました。2011年から4年間はオーストラリアのメルボルンに渡り、博士研究員として糖尿病性腎臓病の病態に関与する分子の研究に従事しました。帰国後は順天堂大学の助教、准教授などを務めました。現在も非常勤講師として大学院生の指導や、週に1日大学病院で外来診療を行っています。地域医療と研究、どちらも大切なライフワークです。

診療の際は、どのようなことを心がけていますか?

萩原晋二院長 はぎわらクリニック2

医療では薬だけでなく言葉の力も重要だと思っています。だからこそ、患者さんのお話をよく聞き、できるだけ受け入れるようにしています。その方が何を望んでいるかを把握し、それを否定するようなことはなるべく言わずに、前向きな言葉をかけるようにしていますね。また、言葉による問診と同じくらい触診も大事にしています。血圧測定や脈診を看護師に任せず自分で測るなど、できるだけ患者さんに触れるようにしています。昔から「手当て」と言いますが、そうすることで患者さんも安心して症状が和らぐのではないでしょうか。すべてにおいて「患者さんがもし自分の親だったらどうするだろう」と考えながら、日々の診療にあたっています。

先進の知見も取り入れ細かい治療を実現

先生の専門分野の一つである腎臓内科の診療では、どのようなことを重要視されていますか?

萩原晋二院長 はぎわらクリニック3

腎臓内科で重要視しているのは検尿です。当クリニックではトイレを3つ設置し、そのうち1つは車椅子でも利用可能です。タンパク尿や血尿が見つかった場合は、精密検査をして原因を調べます。例えば糸球体腎炎の場合、早期発見・早期治療によって寛解もめざせるので、まずはそれをすくい上げることに努めています。糖尿病の患者さんの場合、微量アルブミン尿が腎症のスタンダードな指標です。アルブミン尿が出ているということは、腎症だけでなく、心血管疾患のリスクも上がるのでアルブミン尿を減らす治療を開始する必要があります。その他泌尿器系の悪性疾患も見逃さないように注意し、必要があれば専門の医療機関を紹介しているのでご安心ください。

糖尿病内科で得意としている治療などはありますか?

現在も糖尿病性腎臓病の研究と後進の指導にあたっており、その分野の治療には自信があります。糖尿病の合併症である腎症を発症しないためには、血糖管理が何より重要ですので、早期に適切な治療を開始できるよう努めています。主に経口の糖尿病治療薬を用いることが多いですが、インスリンなどの注射薬の導入も可能です。薬物療法に加えて、食事管理や運動指導なども組み合わせ治療を進めていきます。GLP-1受容体作動薬は、肥満、腎臓病、虚血性心疾患、脳血管障害など合併症のある糖尿病患者さんに対して有用な治療薬です。また、SGLT-2阻害薬はもともとは糖尿病治療薬ですが、近年、糖尿病の有無にかかわらず慢性腎臓病や慢性心不全にも適応があり注目されているため、これらの治療を積極的に行っています。また、心臓および糖尿病性腎臓病の線維化を抑制するミネラル受容体拮抗薬も適宜使用し、腎機能を極力温存する治療を行っています。

高血圧に対してはどのような治療を行うのですか?

萩原晋二院長 はぎわらクリニック4

患者さんの年齢や病態に合った治療を心がけています。若い方で塩分過多が一因になっている場合は、塩分の排出を促す利尿降圧剤を用います。ときには血管を広げて血圧を下げるカルシウム拮抗薬や、腎臓や心臓保護作用の見込めるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)も治療の選択肢として考えます。一方高齢者で動脈硬化に起因する高血圧の場合、血圧を下げすぎると血流が低下し、立ちくらみ、めまいによる転倒や失神などを起こしやすくなり、また腎機能が低下するので、上の血圧が110未満にならないようにコントロールします。そういったきめ細かい管理ができるのも、当院での高血圧治療の特徴かなと思っています。

患者が笑顔で通えるクリニックでありたい

今後の展望について教えてください。

萩原晋二院長 はぎわらクリニック5

地域密着型クリニックとして患者さん一人ひとりのニーズを細かく拾い上げ、お役に立ちたいと思っています。その中でエビデンスの高い先進の医療も積極的に取り入れていくつもりですが、どうしても新薬などは薬価が高くなりがちです。地域の患者さんはご高齢の方も多いので、少ない負担で継続しやすい治療の選択も欠かせません。やはり糖尿病や高血圧症などの生活習慣病は長期にわたって治療を継続するのが何よりも大事ですからね。これからも、コストとベネフィットのバランスを考えて、患者さんが通常の生活を送りながら無理なく続けられる治療を心がけたいです。さらに、がんの予防医学にも注目していますし、エイジングケアや予防医療なども取り入れ、病気ではない健康な方も気軽に足を運べるクリニックをめざして未病段階で発症を防いでいけたらと思っています。

お忙しい毎日ですがリフレッシュ法はありますか?

書道がリフレッシュになっていますね。受付に掲げている「患者さんと真摯に向き合う医院」という行書は私の作品なんです。もともとは当院で働くようになって手書きカルテに直面し、自分のあまりの字の汚さにペン習字を始めたのがきっかけでした。いまだに頼りにして通ってくださる患者さんたちと真剣に向き合う父の姿を見ていなかったら、診療所を継承せずに大学病院での臨床や研究の道を選んでいたかもしれません。鍼灸師だった母の影響もあり、大学勤務を非常勤に変えてからは本格的に鍼の勉強も始めました。鍼ではありませんが、トリガーポイントは経穴とも共通の部位が多く、腰痛、肩凝り、膝痛に対するトリガーポイント注射も行っているので、痛みに悩む方はぜひご相談ください。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

萩原晋二院長 はぎわらクリニック6

超高齢社会の中、複数の合併症を抱えている患者さんも少なくありません。どの方も最後までその方らしく笑顔で過ごせるようサポートしていきたいと思っています。私は総合内科専門医でもあるので、複数の疾患がある方、原因のわからない症状への対応も強みとしています。胃腸内科を専門とする父とともに診療を行い、幅広い医療を提供しています。現在も腎臓病の治療法に関する研究を一生懸命続けており、その知見を生かした先進の医療も積極的に患者さんに役立てたいと思っています。また、父の代からの看護師さんもいるアットホームな雰囲気も当院の自慢です。患者さん一人ひとりが笑顔で過ごせるようスタッフ全員で温かく迎えますので、体調のことで何かお困りのことがあれば、気軽にお立ち寄りください。

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