村上 幸人 院長の独自取材記事
村上クリニック
(立川市/立川駅)
最終更新日:2024/11/12
立川駅北口から徒歩5分。にぎやかな繁華街から路地へ入り少し奥まった静かな場所にある「村上クリニック」。1962年に開業して以来、近隣住民の健康を見守ってきたクリニックだ。村上幸人先生が、父である初代院長から継承して2代目院長に就任したのは2006年のこと。患者もまた親子2代、3代とわたって通う人も少なくない。一方、急速に発展する立川エリアに移り住んできた若い世代にも親しまれているという同院。誰に対しても誠実で親身になって接する村上院長になら、デリケートな悩みもリラックスして話せるからではないだろうか。昔ながらの落ち着いた雰囲気の院内で、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2024年5月13日)
親子2代で地域の健康を見守り続けて約60年
まず、医師を志したきっかけやご経歴を教えていただけますか。
私が生まれた翌年に父が当院を開業したこともあり、医療は常に身近にありました。そのことから自然に医師を志すようになり、順天堂大学医学部で学んだ後は順天堂大学医学部附属順天堂医院の泌尿器科に入局しました。泌尿器科を選択したのは父の影響もありますが、早くから手術も経験させてもらえる点に魅力を感じたからです。その後、順天堂大学医学部附属浦安病院や三井記念病院でも研鑽を積み、丸山記念総合病院では泌尿器科部長を3年間務めました。大規模病院に勤務する一方、当院を手伝いつつ皮膚科の診療経験も重ねました。かつて泌尿器科と皮膚科は同じ学問領域であり、父は両方とも標榜していましたからね。また透析を専門とするクリニックの院長を務めていた時には生活習慣病の管理についても携わるなど、多様な経験を積んでから2006年に当院を継承しました。
2代目院長を継承するにあたり、どんなことを思いましたか。
完全にバトンタッチする前にしばらく2人体制で診療にあたっていたのですが、父が近所の方々から信頼され親しまれている姿を間近に見ることができたのは今でも大きな財産です。「父がこれまで築いてきた信頼を決して裏切ることなく守り続けたい」と思いましたし、その気持ちは今でも変わりません。継承するにあたり「村上医院」から「村上クリニック」と医院名を変えたり、形成外科の女性医師による診療日も設けたり、新しくなった点はいくつかあります。その一方で変えてはいけないものもあると考えながら、地域密着型のクリニックとして近隣の皆さんの健康を守りたいと20年近くの月日を歩んできました。
現在はどのような患者さんが多いのでしょうか。
父の代からかかりつけ医として長年通ってくださっている方々の年齢はだいぶ上がってきた印象です。一方で、立川は子育て中のファミリーが数多く住むエリアでもあり、若い患者さんも増えてきましたね。老若男女、幅広い患者さんのさまざまな訴えに対応しています。中でも多いのは排尿障害関連ですが、新型コロナウイルス感染症流行以降は梅毒やエイズなどの性感染症に関する相談も増えました。特に梅毒は自覚症状がわかりにくいこともあり、知らない間に誰かに感染させてしまうリスクもあります。パートナー以外との性交渉などで心当たりのある方は、できるだけ早く相談していただければと思います。
男性更年期障害から女性の排尿障害まで幅広く対応
男性更年期障害の相談も増えているそうですね。
最近、男性更年期障害がマスコミで取り上げられる機会が増え、「男性にも更年期があるのだ」と周知されるようになったからでしょうか。精神科や心療内科に通っても良くならず、男性更年期障害を疑われる患者さんがずいぶん増えました。40歳を過ぎて「若い頃に比べて元気がない」「常に不安につきまとわれている」「うつっぽい」など思い当たる症状が少しでもあるならば、気兼ねなくいらしてください。検査の上、必要があれば男性ホルモンの補充療法などを行うことも可能です。ただし、前立腺がんや肝機能障害、睡眠時無呼吸症候群などがある方には提案できない治療法なので、一通りの検査をしてから細心の注意を払って実施しています。
女性の患者さんも少なくないと聞きました。
女性で一番多いのは膀胱炎ですが、トイレが近い、排尿の際に痛みがあるなどの症状があるならば相談していただければと思います。尿失禁などは相談しにくいかもしれませんが、特に出産経験がある女性には珍しいものではありません。ほんの少し勇気を出して足を運んでほしいです。腹圧性の尿失禁ならば骨盤底筋を鍛える体操をお伝えしたり、過活動膀胱による尿失禁では内服治療を行ったりしています。尿の問題は命に関わる例はまれなこともありどうしても後回しにしがちですが、生活の質を大きく左右します。「頻尿で趣味の観劇を楽しめない」などと不便を感じていたり、1日7回という平均排尿回数を大きく上回っていたりするならば、一度お話を聞かせてください。検査の上、漢方薬を処方することも可能です。
診療にあたって大事にしていることは何ですか。
患者さんの訴えによく耳を傾け、丁寧に説明することを大事にしています。特に泌尿器科はデリケートな部分に関わるので、できるだけプライバシーを保つことは必須です。男性の患者さんを詳しく診る際には看護師に席を外してもらうこともありますし、逆に女性の患者さんの診察には必ず女性看護師が付き添うようにしています。そうして、どのような患者さんもまずはリラックスして、気軽にお話しいただけるような雰囲気づくりも大切にしていますね。それでも、口にするのはためらわれる内容もあるでしょう。そんな時はお悩みをメモに書いて渡していただいても構いません。私もまた言葉だけではなく、写真や図表を使いながら患者さんの理解がスムーズになるように工夫しています。
いつでも何でも相談しやすいホームドクターが目標
将来の展望についてお聞かせください。
患者さん一人ひとりを大事にしながら、誠実な診療を心がけていきたいと思っています。長年にわたり父がそうしてきたように、立川エリアにお住まいの皆さんの健康を守っていきたいです。また、クリニックでの診療をこれまでどおりに続けていくのはもちろん、立川市医師会の会長として地域医療に貢献することも一つの目標です。他にも注力したいのが医師の視点に基づいた情報の発信です。インターネットでの間違った情報を信じて、適切ではない市販薬を飲んでしまう方なども増えている印象があります。間違った情報が氾濫している時代だからこそ、情報発信も医師として果たさなければいけない使命だと考えています。
お忙しい毎日でしょうが、リフレッシュ法などはありますか。
時々、登山を楽しむのがリフレッシュになっています。登っている時はつらいものですが、降りてきた時の達成感が山の楽しみですね。ただ、新型コロナウイルス感染症流行以降は感染症の対策として山小屋に宿泊するのは控え、ここ数年は日帰りで行ける山にしか行きませんでした。でも個室を増やしてきれいにリニューアルした山小屋も多いので、また本格的に再開しようかなと思っています。北アルプスの西穂高岳などが特に印象に残っていますが、上高地のあたりは景色もきれいで好きですね。また、当院を手伝ってくれている形成外科の女性医師というのは実は妻なのですが、彼女はトライアスロンが趣味なんですよ。夫婦それぞれジャンルは異なりますが、体を動かして気分転換しています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
泌尿器科は受診しにくい診療科かもしれませんが、当院は形成外科と皮膚科、内科も標榜しているので、ドアは開けやすいのではないでしょうか。泌尿科疾患だけではなく、生活習慣病の管理なども得意とするところです。このエリアにはまだクリニックが少なかった時代から診療を続けているので、安心してお任せください。一方、美容や薄毛などに関する悩みにも積極的に対応しています。お悩みの症状が「どの診療科に受診したら良いかわからない」といった時にも利用していただければと思います。必要に応じて、速やかに適切な病院やクリニックにつなげることもできますからね。幅広く健康相談に乗れるホームドクターをめざしていますので、どんな小さな困り事でも遠慮なく聞かせてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは男性更年期障害の男性ホルモンの補充療法/3700円~、医療脱毛・わき/5500円~、ひげ(女性)/2200円~、ビキニライン/5500円~、お腹&胸/6600円~、胸/5500円~、ひげ(男性)1万1000円~、ひざ下/2万2000円~、男性型脱毛症/フィナステリド:330円~