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富田 修平 院長の独自取材記事

新小平クリニック

(小平市/新小平駅)

最終更新日:2021/10/12

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新小平駅から徒歩3分ほど。「新小平クリニック」の外観は、ごく普通の一軒家だ。病院らしくない雰囲気のせいか、訪れる患者の顔も心なしかリラックスして見える。「日常の延長線上にあるクリニックにしたかった」と話す院長の富田修平先生は、優しい笑顔が印象的なドクター。内科、精神科の臨床をはじめ免疫や血液内科の基礎研究に長く携わり、臨床に生かしてきた経験をもとに、地域のかかりつけ医として体と心の双方に幅広い治療を提供する。漢方の知見も豊富で、西洋医学のみでは治療が困難な症状や慢性化した症状に対して、漢方による東洋医学的なアプローチも併用している。トータルケアで患者の健やかな人生をサポートする富田先生に、クリニックのコンセプトや診療スタンスについて話を聞いた。

(取材日2020年9月28日)

体と心の不調を同時に治療できるホームドクター

病院らしくない雰囲気が印象的ですが、まず医院のコンセプトを教えてください。

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クリニックの、病院らしくなく家のような雰囲気というのは、私が子どもの頃に病弱で入退院を繰り返していたことと、病気は日常の延長線上にあるということに由来します。入院が長期になることが多く、やはり自分の家が本当に懐かしく感じられました。もちろん家で苦労があり、大変な思いをされている方も多いと思います。私の言う家は皆の心の中にある安住の地としての家です。ですので、あえて肩肘を張らず、普通の何のへんてつもない一軒家という外観にしました。日常生活となるべく変わらない気持ちで受診していただきたいという思いがあります。クリニックの内装は簡素にし、光と風をなるべく遮らないよう工夫しました。明るく風通しの良い空間、それでいて日常の延長線上ということが実感できるようにしています。

内科領域、皮膚科領域、心療内科・精神科領域、アレルギー科、泌尿器科など幅広く診療されていますね。

私が医師になった当初、複数の科を同列に診ることはおおよそ不可能だと思っていました。医療は発展し、細分化されていました。しかし、複数の科をどれもレベルを落とさずに診ることができ、しかも西洋医学と漢方医学の両方のアプローチができることへの憧れが心のどこかにありました。内科の先生が開業時に心療内科を加えることや、精神科の先生が開業時に内科をつけ加えることはありましたが、私の言う「複数の科を同列に診る」という概念は、「複数の科に関して臨床の基礎トレーニングからきちんと受けている」という意味になります。一方、私の経歴をお話しさせてもらうと、慶應大学医学部卒業後、慶應の精神科に入局。精神科医師として歩みを進めながら、当初から西洋医学的アプローチを発展させるというだけではなく、漢方医学の精神医学における役割についても常に考えており、精神科の西洋医学的治療の研鑽を積むと同時に漢方医学の勉強に没頭しました。

臨床だけでなく研究にも携わっておられたと伺いました。

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その後、若い頃は基礎研究を大いにすべきという考えを持ち、医学の基礎研究の道に身を投じました。京都大学、東京理科大学生命科学研究所、東京大学医科学研究所、理化学研究所などを転々とし、免疫などの研究を行っていました。成果としては、免疫細胞であるB細胞のシグナル伝達分子であるBLNKの果たす役割について、ヨーロッパの学術誌に掲載しました。また研究活動を経て、免疫寛容などアレルギーのメカニズムについても研究レベルで詳しくなっていきました。現在、免疫寛容の考え方は経口減感作療法において臨床で生かされています。また精神科の臨床に関しても、研究生活の傍ら、慶應の精神科の先輩の先生に誘われて、宇都宮済生会病院をはじめ複数の慶應の精神科関連病院で精神科の医師として非常勤勤務させていただき、精神科医療の研鑽を積んでいきました。

西洋医学と漢方医学の双方からアプローチ

その後はどうされたのでしょう?

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精神科だけではなく身体科も経験したいという思いに駆られ、慶應の内科に入局。オールラウンダーを育てるという気風もあり、内科全般に関して幅広く研鑽を積むことができました。その2年後に血液内科に入局。白血病や悪性リンパ腫の治療に携わると同時に、慶應の漢方医学講座でも漢方の基礎研究、臨床を行い、漢方の研鑽を積みました。当時の慶應の血液内科は血液感染リウマチといって、血液内科と感染症内科とリウマチ内科が一つのグループとなっており、血液内科に在籍しながら、リウマチ内科や感染症内科に精通していけるという体制になっていました。このことは内科における自分の守備範囲を広げる上で大いに役立ちました。

漢方について、もう少し詳しくお聞かせください。

漢方に関する当時の成果としては、うつ病における抗うつ薬と漢方薬の関係を症例を通じて検討するなどしました。また白血病や悪性リンパ腫の患者は皮膚病を併発することが多く、免疫不全患者の皮膚疾患に次第に詳しくなっていきました。白血病の治療で化学療法(抗がん剤の治療)を行うと、白血球数が低下して感染に弱い時期ができますが、その時に、丹毒などの皮膚感染症を合併することがあります。そのことは今でも、アトピー性皮膚炎の患者さまに関して、ヘルペスウイルスによるカポジ水痘様発疹症や伝染性膿痂疹(とびひ)や伝染性軟属腫(水イボ)、丹毒などの皮膚感染症の合併を見逃さないということにおいて非常に役に立っています。

開業に至る経緯は、どのようなものだったのですか?

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血液内科の医師として市川にある慶應の関連病院に勤務するか、精神科の医師に戻って国立精神神経医療研究センター病院などで研究や臨床の研鑽を積むかと打診され、その後の身の振り方について悩んでいた時に、ふと気がついたのです。勤務医を続ければ、専門は血液内科、もしくは精神科となり、ずっと白血病や悪性リンパ腫、あるいは精神疾患を診ることになります。しかし、開業ということであれば、内科領域、皮膚科領域、心療内科・精神科領域、アレルギー科などすべてを統合して診療できるクリニックをつくることが実現可能ではないだろうかと。医師になった当初に実現不可能だと思っていたこと、複数の科を同時に診ることができ、しかも西洋医学と漢方医学の両方のアプローチができる医師に、開業すればなることができるということに気がつきました。幸い若い頃にお金を貯めて購入した家が小平市にあり、そこを改装して開業しようと決意したわけです。

患者に育てられて、個々の心に寄り添う診療を

ところで、先生はどのようなお子さんだったのですか? 医師を志した理由と併せて教えてください。

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父親の仕事の関係で、私は小平市にある社宅で育ちました。夜遅くまで社宅の倉庫の戸口にボールをぶつけて跳ね返ってくるボールをキャッチしてまたぶつけるなどして遊んでいました。乳酸菌飲料の宅配サービスを頼んでいて、毎朝、社宅のドアの前にそれが置かれていたのも思い出深いですね。病弱だったこともあり、人の痛みを和らげたいという思いが、医師を志す原動力になりました。

日々どのような思いで診療していらっしゃるのでしょう?

とても基本的なことですが、患者さまとの信頼関係を確立した上で治療することを大切にしています。こちらから一方的に話をしても信頼は得られませんから、しっかり時間を取ってお話を伺い、その方の立場に立って思いを理解するよう努めています。小平市で開業した当初はやはり、医師目線で言ってしまい、患者さまの痛みをわかってあげられないなど、まだまだあったように思います。しかし、このクリニックがいいと言ってくれて通院してくださる患者さまによって私の人間性は育てられ、いろいろな方の心に寄り添えるようになってきたのだと思います。もちろんそれも完全ではなく、もっと私がわかってあげられたら良かったと思う場合もあります。私の尊敬する慶應の腎臓内科の偉い先生が、「患者さまから教えてもらっている」と言っていたのを覚えていますが、それはこういうことだったのかと今になって思います。

最後に、今後のクリニックの展望をお聞かせください。

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当院では電話受付制を導入してから、院内での待ち時間は大幅に減少しましたが、開業してから徐々に患者数も増え、待ち時間も増えてしまっていました。今後、努力、改善を重ね、患者さまにより快適に受診していただきたいと真摯に考えております。また、今後はさまざな新たな装備、設備を積極的に導入したいと考えております。地域のクリニックとして常に患者さまに寄り添いながら発展していきたいと考えています。

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