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小菅 伊知郎 院長の独自取材記事

こすが歯科医院

(府中市/府中駅)

最終更新日:2025/06/11

小菅伊知郎院長 こすが歯科医院 main

京王線・府中駅から徒歩圏内に位置し、四半世紀近く地域住民の健康を支える「こすが歯科医院」。小菅伊知郎院長は、「焦らず・急がず・確実に」をモットーに、より良い診査・診断にこだわって診療を行ってきた。同院では虫歯や歯周病などをはじめ、顎関節症や噛み合わせの治療まで幅広く対応。予防にも注力するほか、国内の患者数が推定200万人ともいわれる線維筋痛症に対し、歯科の領域からアプローチしていることも大きな特徴だ。さまざまな症例に真摯に対応してきた小菅院長の言葉には重みがあり、時に冷静で時に熱い。開業から約25年を経た今、歯科診療にかける新たな思いや今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2024年12月16日)

丁寧な問診と検査で、適切な診断につなげる

開業後25年がたとうとする今、リニューアルした箇所などがあれば教えてください。

小菅伊知郎院長 こすが歯科医院1

大きく変わったのは、歯科用CTを導入したことですね。従来のエックス線検査装置に比べてより精密に口腔内の画像を撮影できるようになりました。それによって診査の精度向上につながったのはもちろんですが、患者さんにお口の中の状況を説明する際、よりわかりやすく伝えられるようになったと感じています。また、新型コロナウイルス感染症の流行を機に先進の滅菌システムを採用し、感染症対策も徹底しています。先進の技術を取り入れていくことは世の中の流れですが、とはいっても自動精算機の導入などについては今のところ考えていません。帰る際に患者さんから何か言い伝えたいことがあるかもしれませんし、そこまで自動化してしまうと人間味が失われる気がするんです。当院では個人情報のセキュリティーなどにもできる限りの対策を講じ、デジタル化で患者さんの安心や安全がおろそかになることがないよう注意しています。

診療スタイルについてはいかがですか?

開業時から一貫しているのは、いきなり治療を始めないということです。歯科医師の仕事を一言で表すと、「よく食べられるような口をつくること」ではないかと思います。おいしく食事をして、楽しく会話をして、心から笑顔になることができれば言うことはありません。ですから、歯石など、食べる上で何か邪魔するものがあれば取ることが望ましいのですが、だからといって当院ではむやみやたらに歯を削ったり抜いたりすることはしません。まずは患者さんの訴えをよく聞いて、「人と人の信頼の種をまく」ところから始めています。治療に関しては、病状・病態・痛みの原因を把握することに努め、保険診療は30分から1時間程度を目安に、自由診療の場合は1時間から2時間ほどをかけて診ています。どちらの場合でも「焦らず・急がず・確実に」をモットーに、しっかりと検査を行い、より良い診査・診断につながるよう努めています。

診査・診断に重きを置いているのはなぜですか?

小菅伊知郎院長 こすが歯科医院2

根本療法に対して、今ある症状や痛みを和らげたり消したりするための治療を対症療法といいますが、たとえ対症療法であっても、痛みの根がどこにあるか、なぜ不具合が起こっているかを探らない限り適切な治療をすることはできません。一口に口の痛みといっても、厄介なことは大きく分けて3種類の痛みが身体に現れる場合があることでしょう。1つ目は、虫歯などから体のあちこちにある痛みのセンサーが反応するケース。2つ目は、神経そのものが傷つくなどして痛みが生じるケース。そして3つ目は、神経などに損傷がないのに痛みを感じるケースです。この3つ目にあたるのが、線維筋痛症という全身に痛みが出ることもある疾患です。こうした患者さんの病状や病態、痛みを把握しないで治療に入ってしまうと、治療中にエラーが出る確率が高くなってしまいます。根本原因まで探る目を持ち、しっかりと検査を行うことが適切な治療につながっていくのです。

全身の健康を見据えた治療をめざす

特に噛み合わせや顎関節症の治療に力を入れているそうですね。

小菅伊知郎院長 こすが歯科医院3

私はもともと神経の治療を専門にしていたのですが、たまたま噛み合わせや顎位にトラブルがある患者さんが多くいらしたことで、それらを深く学ぶ必要に迫られました。不思議なことにきちんと対応をしていると、さらに難しい症状の患者さんに出会うようになり、結果的に「専門性が出会いによって育まれた」と感じています。先ほど3つの痛みについてお話ししましたが、例えば、歯の噛み合わせと膝の痛みに何らかの関連性があるのではないかと疑われる患者さんがいらしたら、歯が痛いから膝が痛いのか、膝をかばうから歯が痛むのか、そこを見極めています。そうしたプロセスは25年間で培った経験が大いに生かされたと言えるのでしょうね。

お口の健康と全身の健康は密接に関係しているのですね。

より良い食事は全身の健康につながるので、両者を切り離しては考えられません。食べ物を噛む時に一定方向で噛むことができれば、そう簡単に歯を損なうことはありませんが、一定方向で噛めないと無理が生じてしまって、顎などが良くない動きをしてしまうんです。そこを一定方向に噛めるようにアプローチできれば、首がリラックスしたポジションに収まることが期待でき、あるべき姿勢にもつながっていくのではないでしょうか。当院では、線維筋痛症のお悩みの相談にも対応していますが、それは、線維筋痛症の症状が歯の噛み合わせの不正によって起こる症状と似ていて、歯科治療と何らかの関係がある可能性が考えられるからです。体の調子が悪いと次第に気持ちも消極的になりますから、心の健康のためにもお口のトラブルを放置しておくことはお勧めできないですね。

診療において大切にしていることは何ですか?

小菅伊知郎院長 こすが歯科医院4

まず、治療においては「基礎に忠実」であることを大切にしています。というのも、医療というのは常に「失敗」がそばにあるからです。安全性を望むにはスタンダードな治療をむげにはできません。また、先ほども申し上げたとおり、治療中のエラーを減らすためには、しっかりとした検査を行うことも大切です。患者さんとのやりとりでは、こちらが一方的に説明を繰り返すのではなく、その都度患者さんと確認し合って、歯の状態や治療内容を共有することが大事だと思っています。それを繰り返すことで信頼関係が育まれ、その先にこそ明確なゴールが見えてくるものだと思います。

健康寿命の増進をめざし、予防にも力を注ぐ

25年ほどを経て、診療に対する姿勢に変化はありましたか?

小菅伊知郎院長 こすが歯科医院5

駆け出しの頃はエネルギーの塊で、その熱さを武器に診療に臨んでいる感じでした。現在は年を重ね、そんなに大きなエネルギーを蓄えることはできませんが、代わりに切れ味の鋭さを得たような感じがしています。プロの矜持として「成功の追求」という意思が今は強いですね。ただ、決して熱意がなくなったわけではありません。ろうそくの炎が赤い部分よりも白い部分のほうが温度が高いように、実際は触るとやけどをするくらいのハートの熱さはありますよ。仕事に対するモチベーションが上がるのは、定期検診に応じている時ですね。長年取り組んできたことが報われたような気がして、うれしく思います。

今後の展望についてお聞かせください。

高齢化が進み、今後はもっと予防に注力していかなければならないと感じています。医科では当たり前になっている一次、二次、三次予防ですが、歯科でも注力して取り組むべき課題です。一次は病気にならないための体づくり、二次は健康診断や定期検診などによる早期発見、三次は発症後のリハビリテーションや再発防止・社会復帰をめざすものですが、残念ながら歯科において二次、三次予防はまだまだ特殊なケースでのみ行われるにとどまっています。健康寿命の増進という観点から、今後は予防に考え方をシフトしていくことが必要だと感じています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小菅伊知郎院長 こすが歯科医院6

「どれだけ歯をきれいにするか」という考えよりも、「命があり、健康があり、そこに見合う歯がある」という考え方を大切に思っています。「よく食べられるような口をつくる」こと。歯科医師の仕事はそれ以上でもそれ以下でもありません。自分の口や歯に何か問題があるのではないかと悩んでいらっしゃる方は、当院ならばその思いをわずかでも共有することができるかもしれません。約25年にわたり患者さんとともに悩み、歩んできた歯科医師と、技術と知識を有する頼れる歯科衛生士が皆さんの受診をお待ちしています。どうぞお気軽にご相談ください。

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