上田 泰明 理事長、渡邉 光行 院長の独自取材記事
みなみ野シティクリニック
(八王子市/八王子みなみ野駅)
最終更新日:2024/07/12

JR横浜線・八王子みなみ野駅西口からなだらかな坂を上った静かな住宅街にある「みなみ野シティクリニック」。明るく落ち着いた雰囲気の院内で、上田泰明理事長と渡邉光行院長が迎えてくれた。救急医療と脳神経関係を専門とし、前職では信州大学医学部附属病院でドクターヘリの立ち上げにも携わった上田理事長と、消化器内科を専門とする渡邉院長。それぞれの専門性を生かしながら、さらに幅広く内科一般に対応。CTや内視鏡といった検査機器も各種備え、即日結果がわかる精密検査がかなう体制を整えている。「異なる専門性を持つ2人の医師がいることで、診療の幅も広がります」と、異口同音に話す上田理事長と渡邉院長に、同院の方針や診療にかける思いを詳しく聞いた。
(取材日2024年2月7日/情報更新日2024年7月5日)
体制を強化し、脳神経外科・消化器内科の専門的診療も
昨年、開院から10年を迎えられたそうですね。

【上田理事長】「ポプラクリニックみなみ野」というクリニック名で診療されていた院長から第三者継承をさせていただき、開院したのが2013年の9月。おかげさまで、昨秋10周年を迎えることができました。直近では新型コロナウイルス感染症の拡大など、さまざまなことがありましたが、2021年秋には法人として文京区小石川に別のクリニックも開院。私自身はそちらでの脳神経外科診療もかけ持ちする必要があり、新たな先生をお迎えして診療体制を拡充することとなりました。
上田理事長と渡邉院長の2人体制とされたのですね。
【上田理事長】新たな医師を迎えるにあたっては、何より別領域のドクターであることを優先して考えました。私は頭痛やめまいといった脳神経領域での症状を主に診ていますが、患者さんがこうした地域のクリニックにご相談されたい症状はそれに限りません。別の専門性を持つ先生に加わっていただければ、さらに幅広い疾患に対して専門性を持ってあたることができます。そこで、消化器内科をご専門とする渡邉院長にお願いすることとしました。
【渡邉院長】私は日本消化器病学会消化器病専門医の他に、日本内科学会総合内科専門医でもあり、一般内科の診療でも経験を持っています。そうした経験をこの場でも生かすことができればと、当院の医療チームに加わらせていただくことを決めました。
診療はどのように分担していらっしゃるのですか?

【上田理事長】私は木曜と月曜午後、火・水・金・土曜の午前に、脳神経外科の診療を担当しており、それ以外の診療枠は渡邉院長にお願いしています。2022年10月からこの2人体制になったことで、平日の休診日をなくすことができました。
【渡邉院長】私は消化器内科を軸としつつ、広く内科疾患全般を診る一般内科診療を行っています。診療と並行して上部内視鏡、いわゆる胃カメラによる検査も実施しています。当院は原則予約制ですが、特に混み合う土曜の診療・検査は完全予約制とさせていただいています。
速やかで的確な診断へつなげるための検査機器も充実
それぞれ、どのようなご相談を多く受けていらっしゃいますか?

【上田理事長】頭痛のご相談が多いですね。頭痛は市販の鎮痛薬で対応しているという方も少なくないと思いますが、月に10日以上使うようではリスクが気になります。昨今は片頭痛の予防薬や治療薬も大きく進化しているので、頻度が高い頭痛が続くようであれば、ぜひ一度専門的な診療を受けていただき、予防薬も活用していただきたいですね。
【渡邉院長】消化器領域では胃痛や胸焼けといった症状や、健康診断で肝機能障害を指摘された方などの相談がほとんどです。その他、感染症による発熱や腹痛、咳などの症状や、糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病の管理などで定期的にご受診いただいている方も多数いらっしゃいます。
検査にも力を入れていらっしゃるとか。
【上田理事長】全身の様子を短時間でくまなく観察できるCTや、上部内視鏡、エコー、肺機能検査装置、心電図・血圧脈波計や感染診断装置など、多様な検査機器を導入しています。糖尿病の血糖コントロール状態をすぐに確認できる血液検査装置や、めまいの診断に用いる重心動揺計などもあります。大学病院などの大規模な医療施設に行かずとも、一通りの検査がここでかなう体制です。専門の医療施設を紹介しなければならない疾患と、クリニックで治療ができる疾患を、これらの検査機器により早く正確に振り分けることこそ、こうした町のクリニックの役割であるとの思いからです。
【渡邉院長】消化器内部の観察により胃がんや食道がん、胃潰瘍や逆流性食道炎などの有無を調べる上部内視鏡検査に加え、胆嚢炎・胆管炎や憩室炎、虫垂炎などの診断に有用なCT検査も行っています。迅速かつ的確に病気を見つけるために、検査機器が大いに役立っています。
診療の際に心がけていらっしゃることは何ですか?

【上田理事長】特にかかりつけの患者さんに対しては、大きな病気になるのを見逃さないように気をつけています。体重が減っていないか、定期的に行っている血液検査で何か変化が起こっていないかなど、些細なことも見逃さないように心がけています。あとはなるべく患者さんを待たせないように、事前に準備をするようにしています。朝の早い時間から、その日診察する患者さんのカルテをチェックして、前回提出している検査の結果を書き込んだりしておけば、モニターばかりを見ているということもなく、しっかりと患者さんと目を合わせて話すこともできます。
【渡邉院長】お一人お一人を丁寧に診ること、専門家の診療が必要と判断したら、なるべく早く適切な受診先へと紹介することを心がけています。一人で抱え込んで、患者さんの受診機会を奪うようなことは、決してあってはならないと考えています。
かかりつけ医と上手に付き合って、適切な健康管理を
医師を志されたきっかけと、専門を選ばれた理由を教えてください。

【上田理事長】将来的に地元で活躍したいと思い、そのための職業として何が良いかを考えた時に、医師になるのが一番良いのではないかと医学部を志望しました。もともと脳疾患に興味があり、脳神経外科診療や救急集中治療に携わるようになりました。
【渡邉院長】実家が医院だったこともあり、医師は身近な職業でした。消化器を専門に選んだのは、内視鏡を専門にしたいと思ったからです。当時から技術発展が著しく、内視鏡でできることもどんどん広がっています。今ではAIがポリープなどを自動検知するまでになっており、頼もしいことです。
今後の展望を教えてください。
【上田理事長】オンライン診療はニーズの高さを感じているので、近く実践していきたいと考えています。現在、システム導入は完了しているものの、なかなか新しいことを始める余裕がなく……。特に生活習慣病の管理やアレルギー性疾患への処方の際は活用できそうなので、ぜひ取り入れていきたいです。
【渡邉院長】できれば内視鏡検査をもっと増やしていきたいですね。現在は火・水・金曜と土曜に診療と並行して実施していますが、可能であればもっと対応していきたいです。検査は経口内視鏡と経鼻内視鏡のいずれかを選んでいただけますし、鎮静剤を用いた検査も可能です。相談しながら検査方法を決定するので、ご希望があればぜひご相談ください。
読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

【渡邉院長】健診で数値の異常を指摘されながら、放置してしまっている方が多いのが気になります。当院では、大きな医療機関と比較してよりスムーズに検査を受けていただけるのが特徴です。症状がある場合はもちろん、症状がなくても、ぜひ気軽に受けていただきたいと思います。
【上田理事長】新型コロナウイルス感染症の分類が5類へと移行しましたが、まだ予断を許さない状況もあり方針に迷うところもあります。また、帯状疱疹の発症が急激に増えているなどの気がかりも。変化が著しい世の中で、ご自身の健康を守るために、普段からかかりつけ医と上手に付き合っていただきたいと思います。地域の基幹病院との連携も強化しており、発熱時を除きウェブでのご予約も可能です。ぜひお気軽にご相談ください。