不調の原因、自律神経失調症は
生活習慣の見直しから改善をめざす
青空レディースクリニック
(八王子市/八王子駅)
最終更新日:2021/10/12


- 自由診療
緊張すると心臓がドキドキしたり汗をかいたり、夜になると自然と眠くなるなど、これらはすべて自律神経の作用によるものだという。自律神経失調症は、こうした神経のバランスが崩れることを指すが、あくまでも状態を表しているに過ぎないため、正式な病名として定義はされていないという。そのため、体のあちこちに表れる不調に対してどう対処すればいいのか、悩んでいる人は少なくない。勤務医時代から、薬や手術だけでなく、東洋医学や食生活の指導など、あらゆる面から患者を支えてきた「青空レディースクリニック」の金子透子院長に、自律神経の働きから症状の表れ方、改善策について詳しく話を聞いた。
(取材日2018年4月24日)
目次
気づいていない日常生活の積み重ねが、自律神経の不調を招く
- Q自律神経とはどんな神経ですか?
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A
▲落ち着いた環境で患者を迎える
脳の脊髄から出ている末梢神経には、感覚や運動など意識的にコントロールできる体性神経系と、内蔵の動きなどをコントロールしている自律神経系に分かれます。自律神経には交感神経と副交感神経があり、意識して動かすことはできません。交感神経は昼間の活動時に優位になり、緊張したり興奮したりしたときに、汗を出したり心臓の鼓動を早めたりし、副交感神経は、リラックスしているときに優位になり、夜間や寝ているときに内蔵の動きを高めたりメンテナンスを行ったりしています。自律神経失調症は、この交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、体のあちこちに不調が出る状態を言い、若い方から高齢の方まで、年齢を問わず発症します。
- Q具体的にどのような症状が出るのでしょうか。
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A
▲患者に寄り添った診療に努める
交感神経と副交感神経のアンバランスや、働きが悪いといったことが原因にあるので、疲れやすい、だるさを感じる、動悸やイライラ、急に汗をかいたり冷え性だったりと、体のあちこちに不調が表れます。交感神経から副交感神経に変わる夕方から急に気分が落ち込んだり、逆に副交感神経から交感神経に変わる明け方の4〜5時くらいに、動悸がしたりする人もいます。当院は婦人科なので、更年期を疑って受診された方が、疲れやすい、不眠、動悸がするなどの不調を訴えて、自律神経失調症と診断されるケースがよくあります。自律神経は、ストレスなどの精神面や環境などの影響を受けやすいので、症状の表れ方にも個人差がありますね。
- Q自律神経が不調になる原因は何ですか?
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A
▲カウンセリングを行い、女性の悩みを精神面からもサポート
女性では、月経前や、更年期で女性ホルモンが急激に低下すると自律神経が乱れやすいですし、気象病のように気候に左右されることもあります。生活習慣の影響も大きく、スマートフォンやパソコンを長時間見ていると交感神経が刺激され、いざ眠ろうと思っても頭が冴えてなかなか眠れなくなります。結果、朝起きられなくなり、昼夜逆転の生活になってしまい、自律神経に不調を来してしまいます。交感神経は脊髄から背骨に沿って分かれていますが、副交感神経は、首の辺りから迷走神経とともに体に広がり、骨盤神経として腰の辺りからも出ています。姿勢が悪く前屈みになっていると、副交感神経の働きが悪くなり不調の原因につながります。
- Q実際にどのような治療を行うのでしょうか。
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A
▲クリニックにはヨガスタジオを併設している
自律神経失調症は、薬を飲めば治るといった病気ではありません。一般の内科でも、検査で異常が見つからないと自律神経失調症と診断されがちですし、精神的に影響を受けやすい神経でもあるので、精神科や心療内科を紹介されるケースもあります。当院では、西洋医学と東洋医学、患者さんの希望により代替医療なども組み合わせて指導しています。例えば、ホルモン剤の治療や漢方薬を併用したり、ヨガスタジオや鍼灸院を併設しているので、自律神経についての勉強会や不調の改善を促す運動を指導したり、肩こりなどがひどい方には鍼灸を紹介するなど、患者さんの症状に合わせて、多面的な対応とアドバイスを行っています。
- Q普段の生活で改善できることはありますか?
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A
▲まずは生活習慣を見直してほしい、と金子院長
実は意識できない自律神経を意識的にコントロールするには、深い呼吸が重要になります。まず患者さんには、深呼吸をしてくださいとお話しします。おなかの筋肉を使う腹式呼吸で、特に吐く息を強くします。呼吸は、吸う息が交感神経、吐く息は副交感神経の働きを促します。現代人はストレスなど、何かと交感神経ばかりが興奮する状況にさらされているので、副交感神経の働きが高まるよう、吐く息を意識してもらいます。規則正しい生活も必要です。朝起きて太陽の光を浴びて体をリセットし、夜はできれば、12時前までに寝る習慣をつけてください。同時に、適度な運動やバランスのとれた食生活も、自律神経の働きを維持するためには重要です。
自由診療費用の目安
自由診療とは自律神経改善プログラム 全8回/2万4000円