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大島清史 院長の独自取材記事

医療法人社団大島会 大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック

(八王子市/京王八王子駅)

最終更新日:2019/08/28

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京王八王子駅から徒歩3分。大通りに面した「大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック」は、大きな木の扉と待合室の土壁が、和モダンな雰囲気を醸し出している。ここは13年前、院長の大島清史先生が国内外で勤務医として経験を積んだ末にこの地へ戻り、前院長である父とともに働く新たな場所として建てられたものだ。しかし、大島院長が父と同じ耳鼻咽喉科という道を歩んだのはあくまでも偶然。「専門分化された世界で患者さんの一部に携わるのではなく、一人の患者さんのすべてを担いたい」と、自ら選んできた結果だという。国内外の一流病院で身に付けた感覚器のエキスパートとしての需要は高い。しかし、大島院長の穏やかでとても謙虚な患者主体の姿勢こそが、多くの患者を引き付ける最大の要因だろう。「人間らしい感覚を忘れない医師」の姿を胸に抱き、歩み続ける大島院長の生い立ちから、同院の院長となるまでの経緯を伺った。
(取材日2014年7月16日)

一人の患者さんの治療のすべてに責任の持てる道を選びたかった

モダンで落ち着いた内装ですね。個人のクリニックとは思えない程、診察室や検査室が広いですね。

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現在のクリニックが建てられたのは13年前です。それ以前は隣の駐車場スペースに、前院長である父が建てた耳鼻咽喉科がありました。内装などは建設時のデザイナーの意向ですが、聴覚の検査室全体を防音にしたのは、父が補聴器の研究を熱心に行っていたためです。個人のクリニックにこれだけの防音設備を設置するのは、珍しいことだと思います。検査の質が向上し、病気の早期発見につながっています。その他には5、6年前に、NBIや咽頭ストロボスコープを導入して、咽頭がんや喉頭がんの早期発見に役立てています。また、最近はアレルギーの患者さんがとても増えていて、レーザー治療を望まれる方も多くなっています。花粉症のレーザー治療は、花粉時期以前の11月〜1月に予防的に行うもので、鼻の粘膜にレーザーを照射することでアレルギー反応を緩和させるというものです。通年性の方は時期を問わず行っています。

お父様も耳鼻咽喉科の開業医ということで、やはり跡を継ぐことを早い段階で決められていたのですか?

今年の3月に他界した父は、とても頑固な人で、近所の子どもたちにも怖がられるような、俗にいう「雷親父」でした(笑)。私から見ても怖かったですね。そんな父ですが、実は、一度たりとも私に医師の道を志すように言ってきたことはありませんでした。私にも、父の影響で医師をめざしたという自覚はありません。幼い頃の夢は、湯川秀樹のような物理学者になることでした。成長とともに、その夢はリアリティを失ってしぼんでしまうのですが、理数系の自分が迷うことなく医師の道を進んだのは、考えてみれば不思議な縁ですよね。

偶然同じ耳鼻咽喉科を選ばれるという結果になったわけですね。

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父は東大の医学部出身でした。私は東北大学に進学したのですが、卒業後は結局、東京大学医学部耳鼻咽喉科に入局しました。ここでも意図せずに父の背中を追っている形になりました(笑)。私が耳鼻咽喉科を専攻した理由は別にあって、内科や外科などの専門科が細かく分けられている科ではなく、一人の患者さんを、初診から手術、退院後の診察まですべてを任せてもらえるような科を選びたかったのです。一時は、子どもが好きだったので小児科と迷ったりもしましたが、やはり、私の優先順位として、患者さんに対しての治療を一任できるという理由は大きかったです。私は人と接することが、とても好きなので。

医師としてのあるべき姿を学び、始まった父との二人三脚での診療

勤務医時代は個人のクリニックから大学病院、研究者としては渡米など、本当にさまざまな経験をされてきたのですね。尊敬する医師との出会いなどもありましたか?

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研修医時代は、ベテラン医師の弟子のように働いていました。周りはとても優秀な人ばかりで、ついていくために必死で本を読みあさりました。眠れない日々が続くこともあり、大変な時期でしたね。私が尊敬する医師に出会ったのもその頃です。その方は東京大学の関連病院で働いていたときに出会った方で、優秀なだけでなく、とても人間らしい方でした。とにかくいつも患者さんのことばかり考えていて、一つの治療に向き合う姿勢もとても真摯。医師として割り切った治療をするのではなく、一人の人間として迷われることもあるんですね。これこそが本来の医師にあるべき姿ではないかと思いました。ベテラン医師のそうした姿は、忙しさの中で初心を忘れそうになっている私を立ち返らせてくれました。今でも、強く影響を受けています。それから、もう一人尊敬する医師がいて、それは、以前働いていた病院の後輩です。だいぶ年下の医師なのですが、検査一つ行う場合にも、今鼻からこれを入れると患者さんはどんな気持ちになるのか、気持ちを和らげるためにはどのような説明をすべきなのか、ということを的確に判断して伝えられるのです。医師というのは、患者さん本意の治療の必要性を頭ではわかっていても、次第に慣例化してしまって麻痺してしまう部分があると思うんです。そうならずに、いつまでも患者さんに寄り添った治療ができる人というのは、やはりとても尊敬します。

それがクリニックの診療でも生かされているのですね。院長が最も診療で重要視されていることも同じですか?

そうですね。当クリニックに来られる患者さんは、お子さんからご高齢の方までとても幅広くおられますし、もちろん個人によっても嫌なこと、苦手なものは違いますよね。ですから、検査や処置の前にはしっかりと説明をして、患者さんが余裕を持って臨める環境をつくることを意識しています。私には、患者さんが「病院へ行って良かった。心と体が楽になった」と思ってもらえるような治療をしていきたいという強い想いがあります。残念ながら医療には限界があり、耳鳴りなど完治の難しい病気というのはどうしても存在します。ですが、例えずっと付き合っていかなければならない病気だとしても、そこに希望を見出せるようにはしていきたい。患者さんのつらい気持ちを緩和して、少しでも明るいビジョンを持って楽になってもらいたい。当クリニックがそういう場所であれるよう、日々努力しています。

勤務医時代を経て、現在のクリニックを継がれたのはどういう経緯があったのですか?

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父に「一緒にやってくれないか?」と頼まれたことが大きいですね。晴天の霹靂というか(笑)、そんな経験は初めてのことでした。父も73歳になり、少しずつ丸くなってきたのだと思います。私は39歳という働き盛りでまだまだやりたいこともあったのですが、「あの父に頭を下げられたからには、しっかりと受け止めよう」と腹をくくり、父と二人三脚での診療が始まりました。一緒に働いて知ったことなのですが、50年以上開業医としてやってきた父の診療は、まったく古い部分がありませんでした。それどころか、以前勤めていた大学病院よりも先進的な検査を取り入れていたりと、父の医師としてのモチベーションの高さや勉強熱心さに感心させられました。結局父は、亡くなる1週間前まで医師として働いていましたが、診療面での見解の違いこそあれ、お互いを尊重しながら勤めることができました。物理的にも距離が縮まったことで、生前は一緒に温泉へ行くなど、親子らしい触れ合いの場を持つことができ、とても良い思い出となっています。

どんなささいな違和感でも相談してもらえるクリニックをめざして

休日はどのように過ごされているのですか?

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2歳と10歳の息子がいるので、上の子を連れて自宅近辺をサイクリングしたりしています。サイクリングは大学生の頃からの趣味なんです。あとは、一時体調を崩したことがあって、そのリハビリのつもりだったジム通いを今も続けており、なかなか忙しくて時間を割けないのですが、週に1度か2度は必ず行くよう心がけていますね。

今後の展望を教えてください。

父とクリニックで働くようになって13年。現在の職場が、私の経歴上最も長くなり、まだ小さかった患者さんがどんどん大きくなって、その成長過程を知ることができるという面白い経験ができるようになりました。一方で、私が院長となってからのクリニックは、まだ産声をあげたばかりです。まだまだ雑然としている上に、1日に来院される患者さんの数が平均で150人程度。花粉症のピーク時にはさらに多くの方がみえるので、そのための体制を整えていくことが急務です。まずは、ゆっくりと治療に向き合えるような環境を作っていくことに、尽力したいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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視覚を除いた聴覚・嗅覚・味覚を司る感覚器が耳鼻咽喉科の診療対象です。これらは、人が自分らしく生きるための大切な感覚ですよね。現在は予防医学の発達によって、ご自身の健康の質を高めることに興味をお持ちの方も増えていると思います。そのため、病院は悪くなったら行く場所、病気になってから治療する場所、と思い込まずに、何でもお気軽にご相談いただきたいです。「なんとなく耳がぼわんとする」「何か変な感じがする」という程度でも、「花粉症にならないために」というのでももちろん構いません。病院が、もっと皆様にとって身近な場所となっていければ良いですね。

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