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大島 清史 院長の独自取材記事

大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック

(八王子市/京王八王子駅)

最終更新日:2024/01/31

大島清史院長 大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック main

京王八王子駅から徒歩約3分。交差点の横にある現代アートのような建物が、「大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック」だ。先代の院長が開業して以来、50年以上にわたって地域医療に尽力してきた同院。現在は、大島清史院長を中心に耳や鼻、喉の症状や病気に幅広く対応しながら、専門性の高い治療にも取り組んでいる。「病気を見逃さずに、適切に診断することを心がけています」と優しい口調で話す大島院長に、同院のことや地域医療に対する思いなどを聞いた。

(取材日2023年3月9日)

耳、鼻、喉の症状や病気に幅広く対応する

こちらは、どのようなクリニックですか?

大島清史院長 大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック1

当院は、耳鼻咽喉科の領域や気管支、食道に関する診療を行っています。もともとは先代の院長である私の父が50年以上前に開業し、私は20年ほど前に後を継ぎました。「町医者」ですからすごく踏み込んだ診断や治療とはいきませんが、できるだけ適切に診断すること、できるかぎり治療を行うことを基本的なスタンスにしています。当院では血液検査の装置を導入していますが、耳鼻咽喉科でこれだけ血液検査をしているところは、そう多くないと思います。また、聴力検査も一般的な耳鼻咽喉科では、後から持ってきたボックスを使用していることがほとんどですが、当院は、より適切な診断につながるよう建物を建てた時に防音で広い聴力検査室を作っています。

どのような患者さんが利用していますか?

本当にさまざまですが、当院の特徴としてはめまいや難聴を訴える患者さんが多いこと。あとは、新型コロナウイルス感染症の影響もあるかもしれませんが、咳が長引いている方や聴覚や味覚の障害が続いているという方も最近は多いですね。当院は、看護師が多いことやスペースにも余裕があることから、扁桃炎や扁桃周囲炎などの感染症、突発性難聴やめまいなどに対する点滴の治療ができる体制が整っていることが、耳鼻咽喉科としては珍しいかもしれません。また、めまいの中には耳石という耳の中にある石が崩れて起きるものがありますが、薬ではなく外来で体を動かしながらアプローチしていく方法も行っています。漢方薬の処方にも対応していますよ。

花粉症の治療に力を入れているそうですね。

大島清史院長 大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック2

花粉症の治療には、大きく薬と手術、注射があります。まずは、内服薬や鼻にスプレーをする薬などから開始して、それらに反応が悪い場合には、根本的な治療に近づけるために舌下免疫療法を行います。それにも反応が悪い場合には、外来でできるレーザー手術を考慮します。レーザー手術は、現在は新型コロナウイルス感染症の関係で中止していますが、間もなく再開する予定です。さらに、最近ではオマリズマブという注射薬があります。基本的に4週間に1回注射をする必要がありますが、免疫反応の一番の根本であるIgE抗体を抑え込むことを図るもので、重症の方でも効果が期待できます。花粉症の治療は、以前に比べて選択肢がだいぶ増えて、それらを組み合わせることでかなりの症状緩和がめざせるようになっています。私は専門家として、どの治療がその患者さんに適しているのかを見極めることができるのが強みだと考えています。

患者の希望にできるだけ寄り添うことを大切に

ほかに力を入れていることはありますか?

大島清史院長 大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック3

好酸球性副鼻腔炎という、嗅覚障害を来たす疾患があります。この病気は匂いが感じられなくなってしまうのが特徴で、まずは手術をすることで症状は一時的に改善が見込めるのですが、しばらくするとまた、匂いを感じられなくなってしまうケースも少なくなくありません。そのような時に、まだ新しい薬ですがデュピルマブという生物学的製剤を注射することで、匂いを感じられるようになることがめざせます。この薬が出る前は、手術を何回も受けるのが嫌だからということで、匂いがしなくても諦めていた方が多いですし、今も潜在的にはかなりいらっしゃいます。この薬は使用するにもいくつかの条件がありますが、適応になればすごく良い治療だと私は思います。

最近、何か思うことはありますか?

患者さんがやや高齢化してきたと言いますか、逆に言うと高齢でも元気な方が増えてきたと感じます。80代や90代の方はもちろん、100歳の方がいらっしゃったこともあります。昔は、そんなに無理をして来なくてもと言う感じでしたけど、今は普通に元気な方が多いですよね。そういった方からは、病気でどうこうと言うよりも、ちょっと味がしなくなってきてとか、匂いが前に比べて感じにくい、聞こえがちょっと悪いような気がするなど、生活上での違和感の改善を求められることが多くなりました。ですから、高齢の方への医学というか、いわゆる病気ではない生活上の違和感にもしっかりと対応していくことが重要だと、最近は特に感じますね。

診療の際に心がけていることを教えてください。

大島清史院長 大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック4

患者さんが何を望んでいるのかをできるだけ捉えて、それにできるだけ寄り添う診療を心がけています。こういう病気だからこういう治療というのではなく、患者さんが困っていることにどう対処していくのか。耳鼻咽喉科の診療は、実際に患部を診て方針を決めることが多いのですが、耳・鼻・のどは正常に見えても、違和感や痛みなどが続くこともあります。例えば、聞こえが悪いという患者さんに聴力検査をして、確かに悪かったため治療を行う。その後、耳が詰まっている感じや痛み、圧迫感が残っているというときに、「聴力検査では問題ありませんでした」で終わるのではなく、困っていることをいかに解決していくかということを大切にしています。

自己診断で思い込まずに、気軽に相談してほしい

そのためにはコミュニケーションが大切になりますね。

大島清史院長 大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック5

そうです。患者さんは、お子さんから高齢者までとても幅広いですし、もちろん個人によっても嫌なことや苦手なものは違います。ですから、検査や処置の前にはしっかりと説明をして、患者さんが心に余裕を持って治療に臨める環境をつくることを意識しています。私は、患者さんが「病院へ行って良かった。心と体が楽になった」と思ってもらえるような治療をしていきたいのです。残念ながら医療には限界があり、耳鳴りなど完治の難しい症状や病気はどうしても存在します。ですが、たとえずっと付き合っていかなければならない病気だとしても、そこに希望を見出せるようにはしていきたい。患者さんのつらい気持ちを緩和して、少しでも明るいビジョンを持って楽になってもらいたい。当院がそういったことを手助けできる場所であるよう、日々努力しています。

話は変わりますが、先生はお父さまの姿を見て医師を志したのですか?

父はとても頑固な人で、近所の子どもたちにも怖がられるような、俗にいう「雷親父」でした(笑)。そんな父でしたが、一度たりとも私に医師になれと言ったことはありませんでした。私にも、父の影響で医師をめざしたという自覚はありません。幼い頃の夢は、物理学者になることでした。成長とともに、その夢はリアリティーを失ってしぼんでしまうのですが、理数系の自分が迷うことなく医師の道を進んだのは、考えてみれば不思議ですよね。耳鼻咽喉科を専門にしたのは、内科や外科のように専門が細分化しているのではなく、一人の患者さんの初診から手術、退院後の診察まですべてを任せてもらえる科だったからです。子どもが好きだったので小児科と迷いましたが、診療のすべてを自分でできることは専門を決める上で大きな要素でしたね。

最後に今後の展望とメッセージをお願いします。

大島清史院長 大島耳鼻咽喉科気管食道科クリニック6

さらに診断の精度を上げていくという意味で、これからも設備の充実には力を入れていきたいですね。そして、新型コロナウイルス感染症の流行もあって、当初考えていたとおりにはなかなかいかないですが、100%の診療ができるよう対応していくのが当面の目標です。皆さまには困っていることがあったら、本当に気軽に相談をしていただきたいです。最近ではインターネットで検索して、自己診断して来る方が少なくありません。インターネットで情報を手に入れるのは決して悪いことではありませんが、それと専門家の意見を取り入れて、患者さんが満足できる結果が出るのが一番だと思います。自分の病気はこうだと思い込むのではなく、一緒に相談しながら適切な治療や対処をしていきましょう。

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