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森川 奈美 院長の独自取材記事

塩谷医院

(日野市/甲州街道駅)

最終更新日:2025/08/12

森川奈美院長 塩谷医院 main

多摩モノレール・甲州街道駅から徒歩5分の「塩谷医院」は、開業から半世紀以上にわたり地域住民の健康を守り続けてきた。内科、脳神経内科、小児科を掲げ、乳幼児から高齢者まで幅広い世代をカバーしている。3代目院長に就任した森川奈美先生は、一般内科の診療はもとより、専門である脳神経内科の領域で研鑽を積んできたベテラン医師。これまでの豊富な経験を生かし、高齢社会で増加する認知症やパーキンソン病の診療の他、生活習慣病の治療にも注力している。インタビューでは、朗らかな人柄がにじみ出る優しい笑顔を見せてくれた森川院長。同院のこれまでの歩みや診療におけるポリシーなどについて話を聞いた。

(取材日2025年7月15日)

脳神経内科を専門に、幅広い診療を提供

こちらは開業してから50年以上という歴史あるクリニックだそうですね。

森川奈美院長 塩谷医院1

当院は1973年に私の父が開業して、兄が2代目院長を継承しました。母の実家が日野市だったのですが、父は自然が豊かなこの地が気に入ったようです。開業当初は半径4キロメートル以内に医療機関が少なかったこともあり、父は昼夜問わず患者さんのために働くという生活を送っていました。父はオートバイに乗って往診も行っていましたから、私も黒い往診用のバッグを持って一緒に患者さんのお宅について行くことがありました。小学生だった私に、「お手伝いをしてえらいね」と声をかけてくださるような温かい雰囲気がありましたね。現在この一帯は住宅地になっていますが、開業した頃はパン屋さんや魚屋さんなどが軒を連ねる商店街があった場所なんです。

医師をめざしたきっかけも、お父さんの影響が大きいのでしょうか?

そうですね、幼い頃から父の背中を見て育ってきましたから。自分も父のようになりたいと思い、父と同じ順天堂大学の医学部に進学しました。5歳年上の兄が当院の後を継ぐという決心をしておりましたので、その影響もあって私も医師という職業を意識するようになっていました。両親が「これからは男の子も女の子も同じ教育を受ける時代だよ」と言ってくれたことも、大きな後押しになりましたね。私が医学生の頃、父が医師会の活動で難病の子どものために電車を貸し切って海で地引網体験を催した時に、一緒に参加したことが今も強く印象に残っています。父の「どんな患者さんも診る」という姿勢に共感していましたから、私も地域の方々のために貢献したいという思いで内科を選びました。

院長に就任した経緯を伺ってもよろしいですか?

森川奈美院長 塩谷医院2

2代目院長である兄は小児科を専門とする医師で、地域のために心血を注いでいました。しかし、兄は2024年に急逝し、私が同年5月に3代目院長としてクリニックを受け継ぐことになりました。もともと私は医学部を卒業してから週1回のペースで当院の診療に携わっていました。ですから、ここに通院していたお子さんが大人になり、また赤ちゃんを連れて来院してくださると、感慨深い気持ちになりますね。おじいちゃんおばあちゃんからひ孫の代まで4世代、5世代にわたって当院に通われているというご家族もいらっしゃるんですよ。兄の代から勤務してくれているスタッフはとても頼もしいですし、このクリニックを支える家族同然の存在です。

かかりつけ医として地域住民の健康を守る

ご専門について教えてください。

森川奈美院長 塩谷医院3

一般内科が土台となっていますが、私はとりわけパーキンソン病や脳梗塞を診療する脳神経内科を専門としています。私が医師になった頃にCTやMRIといった検査機器が本格的に導入され、詳細な画像診断ができるようになったことも脳神経内科に進む決め手となりました。脳神経内科は患者さんの症状からどの部位が損傷を受けているかを推測していくことが重視されます。適切な診断のために、複数の病気を想定しながら診断を導く「鑑別診断」のプロセスを恩師から学ばせていただきました。これまで順天堂大学医学部附属順天堂医院をはじめ、静岡県や千葉県にある複数の病院に勤務して研鑽を積んできましたし、今でもパーキンソン病やALSの患者さんの診療にあたっています。また、むずむず脚症候群や頭痛、めまい、しびれなどの症状も診察しておりますので、お気軽にご相談してください。

クリニックで力を入れていることについて伺います。

脳梗塞や脳出血など重篤な病気は、生活習慣病の延長線上にあるといえます。そのため、地域のかかりつけ医として大きな病気を未然に防ぐことに注力しています。「健康診断で数値の異常を指摘された」などの心配事がありましたら、早めにご相談してください。また、高齢化社会が進むにつれ認知症の患者さんが増加傾向にあり「介護が初めてで、どうしたら良いのかわからない」という悩みを持つご家族の方も少なくありません。そんな時には、私の医師としての経験だけでなく人生で積み重ねてきたことがお役に立てればと考えています。当院は「住宅街の健康相談所」としての役割を担い、患者さんのさまざまなニーズに応えていきたいという思いがあります。

医師を続ける中で印象に残っているエピソードがありましたらお聞かせください。

森川奈美院長 塩谷医院4

私には娘がいるのですが、私と同じ脳神経内科の道に進んでいます。娘は大学生の頃に、大学病院の小児病棟に入院している子どもたちの描いた絵をもとに、学園祭で花火にするというプロジェクトに参加していました。病気を抱えた子どもに夢をかなえる瞬間を味わってほしいという娘の気持ちを知りましたし、娘にも患者さんに寄り添う心が育っているのだなと感じました。それに、兄の息子である塩谷貴史先生が、やはり兄と同じ小児科の医師として大学病院に勤務しており、現在は週に1回、当院でも診療を行っています。親の姿を見て、同じ道を歩んでくれていることが私の喜びであり、楽しみの一つでもあります。私の役割は「次の世代につなぐ橋渡し」といっても良いかもしれませんね。

一人ひとりに寄り添うクリニックでありたい

改めて、こちらのクリニックの良さはどんな所にあると思われますか?

森川奈美院長 塩谷医院5

父は本当に優しい人で、生涯にわたり患者さんのためにどこでも行くという姿勢が感じられました。兄はいつもお子さんや親御さんにも笑顔で接していましたね。そんな2人を間近で見て、患者さんやご家族の不安を取り、安心感を与えられる医師でありたいと考えるようになりましたから、私自身も患者さんに笑顔で対応するように心がけています。親御さんはお子さんの発達や子育てへの不安を抱えている方も多いので、なんでも相談に乗ってあげたいです。当院のスタッフも患者さんに誠実に対応してくれていますし、クリニックとして父と兄の診療のモットーであった「誰にでも優しく、地域の方々のために」という思いは受け継いでいきたいですね。当院は開業してから現在まで、0歳の赤ちゃんから100歳を超える高齢者の方まで、幅広い年代の患者さんの診療を行うというスタンスは変わっていません。

お忙しい毎日の中、どんなふうにリフレッシュされていますか?

私はかつて国立療養所富士病院に勤務していたことがあり、富士山を眺めることが大好きになりました。義父の別荘が富士山の麓にあるので、そこでお花を育てたり河口湖や西湖の写真を撮ったりしています。また、学生時代はバスケットボールに打ち込み、医学生の東日本の大会で優勝したことがあります。数年前に母校の女子バスケットボール部が40年ぶりにその大会の決勝戦まで進んだので、泊まりがけで応援に駆けつけました。今は院長職を引き継ぎ多忙な日々を送っているので、大会応援には行けませんが、テレビでバスケットボールの試合を観戦しています。それに、母校の陸上競技部が箱根駅伝大会に出場しているので、医学部など3つの学部の卒業生が集まって毎年一緒に応援していますよ。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

森川奈美院長 塩谷医院6

現代は平均寿命が延びて「人生100年時代」と呼ばれる時代に入ってきました。健康に長生きするためには、体調に不安があったらまずはかかりつけ医に相談して、より良い治療につなげていくことが大切です。当院は「一人で悩んでいる時は、一緒に考えていきましょう」という思いを大切にしながら患者さんの診療を行っています。詳しい検査や専門的な治療が必要になった場合は、地域の基幹病院と連携を取っておりますので、適切な医療機関をご紹介いたします。患者さんの笑顔に出会えることが医師としての喜びになっていますし、地域密着型のクリニックとして、患者さんだけではなく患者さんを支えるご家族にも寄り添い、励まし合いながらともに歩んでいけたらと考えております。

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