宝田 寛子 院長の独自取材記事
T's DENTAL salon
(港区/虎ノ門ヒルズ駅)
最終更新日:2024/12/26
虎ノ門のオフィス街にある「T's DENTAL salon」は、2013年に開業した歯科医院だ。白をベースにテーマカラーの紫をアクセントとして取り入れたデザイン性の高い院内は、明るく清潔感にあふれている。院長の宝田寛子先生は、北海道医療大学歯学部を卒業後、高齢者歯科治療や訪問歯科診療、インプラント治療など、幅広い診療分野を経験。同院では、女性らしいこまやかな配慮を生かして診療にあたっている。一人ひとりに合わせた気配りを心がける宝田先生に、クリニックの特徴や診療への想い、開業までの経緯など幅広く聞いた。
(取材日2024年9月27日)
女性らしい気配りや配慮を生かした「おもてなし」
開業して11年だそうですね。まずはクリニックの特徴についてお聞かせください。
当院は、院長である私をはじめスタッフ全員が女性ですから、女性ならではの気配りや配慮を生かした「おもてなし」の心で患者さんをお迎えしたいと考えています。スタッフが忙しそうにしていると、患者さんは質問したくてもできませんよね。それで、忙しいときこそ、話し方や扉を閉める音一つにまで気を使う姿勢を大切にしています。また、患者さんに安心して治療を受けてもらえるよう、衛生管理を徹底し、院内感染の予防にも努めています。診察室には土足で入っていただけますが、患者さんごとに床を拭くなど、常に清潔で快適な環境を保てるよう気を配っているんです。クリニックのテーマカラーを紫とすることに決めたのは、私が好きな色であるとともに、お気に入りの診療ユニットに使われている紫がとてもきれいな色だったからです。
診療ユニットにはかなりこだわっておられるようですね。
開業の際一番こだわったのが、大学病院でお世話になった先生や尊敬する先輩も使っていたユニットの導入です。低濃度の過酸化水素水がユニット内に流れる水消毒システムを搭載しており、常に清潔な水が流れる仕組みになっています。また、患者さんのお口に入る水は、歯に刺激を与えないよう少し温かめの温度に調整しています。衛生的であることに加え、削るパワーもハイレベルです。当院では、なるべく抜かない・削らない治療を心がけていますが、削る量や時間を最小限に抑えられるため、患者さんの負担も軽減できるんです。また、照明が明るく乱反射しないため、口の奥までよく見えるという特徴もありますね。さらに、座り心地がとても良いので、診療中もリラックスしていただけるのではないかと思います。診療における大切な相棒ですので、自分で磨いたりして大切に扱うよう努めています。
患者層や主訴について教えていただけますか?
この辺りで働かれている方や、近隣にお住まいの方が主になります。開業当初に比べると女性の患者さんも増えてきましたが、男女比でいうと男性の患者さんの割合が多いでしょうか。親子で来院される患者さんもいらっしゃいます。私にも娘がいますので、母親としての実体験から親御さんにアドバイスすることもできます。また、妊娠中の方に対しても、どんな姿勢が楽かなど、自分の経験からこまやかな配慮を示せるんです。主訴としては、虫歯のチェックや歯のクリーニングのために来院される方が多いのではないでしょうか。この地域は、定期的に歯をきれいにしたいなど、お口の健康に対する意識の高い方が多いように感じます。中には虫歯があるにもかかわらず、今まであまり歯科クリニックに行ってなかった方もいらっしゃいますが、その後はきちんと真面目に通ってくださる方が多い印象ですね。
アニメーションや口腔内カメラを駆使して丁寧に説明
診療の際、どんなことを心がけておられますか?
患者さんに納得していただいた上で治療するよう心がけています。どんなに良い治療でも、患者さんが望まなければ、良い治療とはいえません。それで、丁寧な説明とカウンセリングには特に力を入れています。口頭だけでは伝えにくいので、アニメーションや口腔内カメラなどを駆使しているんです。どんな治療を行うかをビジュアルでお見せしたり、診療前後の写真を比較したりして説明しています。「何か質問はないですか?」とお声がけし、患者さんが話しやすい雰囲気をつくるようにも努めていますね。また、嫌な思いをさせないため、治療の際にミラーやカメラが口の中に当たらないようにするなど、細かい点にも気を配っています。実際、「痛いときは手を挙げてください」とお伝えしても我慢される方が多いので、痛くなる前にこちらが察知するよう心がけているんです。
とてもこまやかな配慮を払われているのですね。
治療とはいえ、唇をぎゅっと引っ張られたら嫌ですよね。それで、なるべくソフトに触れるなど、引っ張り方一つまで気を配っています。特に冬場の乾燥する時期は、引っ張ることで唇が切れてしまったりもしますので、治療前に白色ワセリンを塗ってからお口を開けてもらうようにしています。また、治療に対する緊張のため、汗をかいてしまう方がいらっしゃれば、室温を下げ、サーキュレーターで足元から風を送るようにしています。逆に、妊婦さんの場合は冷やしすぎないよう注意しています。妊娠中は刺激臭に敏感になることもありますので、「このにおいは大丈夫ですか?」などお声がけするようにも努めていますね。当院には、お仕事の合間を縫って来院される方も多くおられます。患者さんも増えてきており、難しいこともあるのですが、できる限りお待たせしないようにも心がけていますね。
オフィス街にあるクリニックですが、新型コロナウイルスの影響はありましたか?
やはり影響は大きかったですね。流行中は外出自粛でリモートワークの方も多かったので、3~5年ぶりに当院に来たという患者さんも多いです。治療途中で来られなくなった方や、定期的なメンテナンスが途切れてしまい、口腔状態が変わってしまった方などもいらっしゃって、新型コロナウイルスの流行さえなければ……と思うことも少なくありません。ですが、こうして戻ってきてくださったことは本当にありがたいです。久しぶりの来院で緊張される方も多いので、最初に雑談をして患者さんがリラックスされてから治療を始めるなど、なるべく時間をかけてコミュニケーションを取るよう心がけています。
エステに通うような感覚で、気軽に来院してほしい
ご経歴や開業までの経緯をお聞かせいただけますか?
大学卒業後は東京医科歯科大学で高齢者歯科に携わり、主に入れ歯や全身疾患について学びました。その後勤務した松戸や東雲のクリニックでは、訪問診療やインプラント治療にも携わりました。開業前に幅広い診療を経験したことは、今の私にとって、とてもプラスになっています。かなり前から開業したいという思いは持っていたのですが、結婚や出産と重なり、もう少し先のことと考えていました。そうしたら、以前お願いしていた業者さんから、育児休業中に一度見てほしい物件があると連絡をいただきまして。「子どもが生まれたばかりで今は難しい」といったんはお断りしたのですが、試しに見に来たら自分が思い描いていたとおりの物件で心が動きました。こんなに理想どおりの物件と出会えたのも何かの縁だろうと、大変なのは承知の上で開業を決めたんです。
今後の展望を教えていただけますか?
現在は子育てが忙しく、19時半までの診療となっているのですが、子育てが落ち着いたら、毎日遅い時間まで診療できるようにしたいと考えています。土地柄、仕事後にいらっしゃる患者さんも多いので、より通いやすい環境づくりに尽力したいですね。また、私自身、往診の経験もありますので、いつか当院でも訪問歯科診療ができたらと考えています。
最後に読者に向けたメッセージをお願いします。
あまり構えることなく、エステに通うような感覚で、クリーニングからでも気軽に来てほしいですね。私は、いまだ多くの方が持つ「歯科医院は怖い」というネガティブなイメージを払拭したいと思っているんです。怖いけれど勇気を出して来てくださった方の思いを無駄にしないよう、歯科医師嫌いだった方にも「ここだったら」と定期的に通ってくださるよう、みんなで温かくお迎えし、こまやかな配慮を大切に、心を込めて治療したいと思っています。私たちの願いは、お口のことでお悩みの方の力になることです。些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~