水口 泰代 院長の独自取材記事
二子玉川ライズ ファミリー歯科
(世田谷区/二子玉川駅)
最終更新日:2025/08/08

二子玉川駅から徒歩7分の「二子玉川ライズ ファミリー歯科」を訪ねた。出迎えてくれたのは、朗らかな笑顔の印象的な水口泰代院長。気配りのこまやかな水口院長は日本歯科専門医機構小児歯科専門医の資格を持ち、専門的な小児歯科治療はもちろん、成人を対象とした一般歯科、審美歯科、予防歯科にも応じる。子どもだけでなく、その親へのケアも重視し、「自分が子育てに悪戦苦闘しているときに助けてくれた地域の方に、歯科医師として恩返しがしたい」と話す水口院長に、開院15周年を迎えた心境や、地域や患者への思いについて聞いた。
(取材日2025年6月18日)
小児歯科の専門家による、子ども連れも安心の歯科医院
開院から15年ということですが、患者さんの年代や疾患に変化はありますか?

開院当初は、患者さんのおよそ半数が、近隣にお住まいの30〜40代の女性でした。現在もこの年代の方が多いことに変わりはありません。変化したのは、開院当初から通ってくださっている患者さんが年齢を重ねているという点ですね。少しずつご高齢の患者さんも増えていて、入れ歯の治療なども多くなってきました。近くには大きな企業のオフィスがあるので、お勤めの方も時々応急処置を希望されて来院されます。詰め物やかぶせ物が取れたとか、歯が痛むとかですね。ただ、割合としてはとても少なくて、やはり継続的に通ってくださっている近隣の方が大多数です。お子さんの治療をきっかけとしてご家族で当院にかかっていただけると、とてもありがたいと感じますね。
小さなお子さんの治療では、どのような工夫をなさっているのでしょうか。
お子さんの集中力が持続する時間を考えて、短い時間で治療を行ったり、その時の機嫌によって診療内容を変更したりしています。私は小児歯科の専門家であり、子育て経験者です。子どもは大人のように長い時間集中力を保つのが難しいことも、心理的な影響を強く受けることもよく知っています。ですので「今日は機嫌が悪そうだな」「体調が悪そうだな」と判断したら、その時の状態に適した治療内容に随時変更します。お子さんが泣き出した時も、なぜ泣いているのかを推測できるので、動じることはありません。また当院では、コミュニケーションも重視しています。私たち歯科医師やスタッフがどれだけ患者さんのお口の健康を考えているかが伝われば、自然と自分の歯を大切にしてくれると思うからです。お子さんたちにとって歯科医院が怖い場所にならないよう、私もスタッフも心を込めてお迎えすることを心がけています。
小児歯科を専門としつつ、開院当初から親御さんのケアも重視されてきたと伺いました。

はい。私も子どもが小さい時は、皆さんと同じように子育てに苦労しました。そうした経験から、私の子育てがひと段落ついた時にふと、お母さんお父さんのケアもしっかり行いたいと思ったんです。今の親御さんたちは、本当に頑張り屋さんが多いと思います。仕事もしっかりこなして、家事も育児も一生懸命。つい家族のことばかり優先して自分を気にかける時間が少なくなりがちです。「歯科医院に行きたいけど子どもを預けなきゃいけないから、自分の歯の治療はまた今度……」。その気持ち、とてもよくわかるんです。そんなふうに頑張っている親御さんたちが、お子さんと一緒に気軽に来られる歯科医院をつくりたかったんです。最近は歯だけでなくお口の中が痛む大人も増えています。それはストレスや疲労による歯ぎしりなどが原因になっている場合があります。不調を感じたら無理をせずに、気軽にお子さんと一緒に当院にお越しください。
歯科医師として未来ある子どもの口の健康を守りたい
先生は、なぜ小児歯科を専門にしようと思われたのですか?

実は、今考えても小児歯科を専門にした明確な理由はわからないんです。ただ、学生の時から小児の診療をしたいなと思っていました。恐らく、学生実習で小児歯科の実習を受けた時に、何かがじんわり心に響いたのだと思います。むしろ、歯科医師になって実際に子どもたちを診療するようになってから、この子たちの口の健康を守っていきたいという思いが強くなりました。開院とほぼ同時期から保育園での検診もさせていただいていて、子どもたちの笑顔を見るのがやりがいになっています。小児歯科専門医であることの強みは、新しい知識や技術について勉強できることです。勉強会に参加したり、発表したりすることで先進の情報がインプットできます。その情報を患者さんに還元し、より良い診療につなげていきたいです。
小児歯科専門医として、近年の子どもの口で気になることについて教えてください。
お口を閉じられないお子さんが増えているのが気にかかります。いわゆる「お口ポカン」という状態です。原因としては指しゃぶりなどがありますが、近年は花粉症などのアレルギーなども影響しているかもしれませんね。アレルギー疾患などによって鼻呼吸ができず、口呼吸になってしまっている子が目立ちます。口呼吸が習慣になってしまうと、前歯が前に出てきて歯並びが悪くなったり、呼吸器系に悪影響を及ぼしたりするので、決して甘く見てはいけません。
口が開いてしまう子どもへの指導は、どのようにされていますか?

まずは、口呼吸による影響をお話しします。その後、お口を閉じられるように、ご家庭でできる取り組みを紹介する「習慣是正」を行います。お子さんが4歳未満であれば、親御さんにお話しすることが多いです。それ以上の年齢の患者さんの場合は、本人が理解できるのであれば私たちから直接お話しします。ただし、言葉だけではわかりにくいので、実演して見せたり、絵本のようなイラストつきの教材を使ったりと、伝えるための努力は惜しみません。子どもは、自分で興味を持つと積極的に取り組んでくれるので、丁寧に説明することを大事にしています。それでも口呼吸が習慣になっていると、一朝一夕に改善するのは難しいんですよね。
患者もスタッフもかけがえのない「ファミリー」
10年以上勤務されているスタッフさんも多いそうですね。

そうなんです。ブランクはあるものの、開院当時から勤務してくれています。院長として、働きやすい職場環境づくりを意識してはいますが、何よりもスタッフ一人ひとりの心配りが円滑なクリニック運営につながっています。スタッフのみんなは、患者さんのこともよく把握していて、少しでもいつもと違うところがあると、すぐに気がついてくれるんです。例えば、ご高齢の患者さんで、口腔内のお手入れが行き届かなくなっていると感じれば認知機能が低下しているのではないかとか、いつもより元気がないように見えれば具合が悪いのではないかとか。患者さんの様子を細かく観察して連携してくれるので、とても助かっています。当院は「患者さん一人ひとりを、自分の家族と同じように大切にしていきたい」と思い開院しました。私だけでなく、スタッフ全員が同じ気持ちで15年間患者さんに接してくれていることに、とても感謝しています。
隣接する内科との連携も増えているそうですね。
はい。患者さんの年齢が高くなるにしたがって、隣の内科クリニックと連携することも増えてきました。年齢が上がると、服薬している方や他の病院にかかっている方が少なくありません。歯科治療は全身に影響することもあるので、診療でわからないことがある時には、すぐに隣に聞きに行くようにしています。内科クリニックの院長は私の夫なので、連携もしやすいんです。おかげさまで、治療もスムーズに進みますし、患者さんも安心して治療を受けていただけていると思います。
最後に15周年を迎えてのお気持ちと、これからの展望についてお聞かせください。

こうして15年仕事を続けてこられたのは、周りの方々の支えがあってのことです。まずはこの感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。これまで私は常に、患者さんに寄り添う医療がしたいと思ってきました。その気持ちが近年さらに強まっています。というのも、私自身が年齢を重ね、医療機関に自身や家族のことで患者としてお世話になることが増えてきたからです。患者として医療スタッフさんに優しく接してもらい、自分もそうありたいと改めて思うようになりました。当院のスタッフにも、自分がうれしかった経験は患者さんに返していこうと、考えを共有しています。これからも、こまやかな気遣いができるクリニックであり続けたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックを用いた補綴治療/5万5000円~