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阿部 純久 院長の独自取材記事

阿部内科クリニック

(相模原市南区/相模大野駅)

最終更新日:2025/05/26

阿部純久院長 阿部内科クリニック main

相模大野駅すぐの商業施設にある「阿部内科クリニック」。院長を務める阿部純久先生は、大学病院や総合病院の循環器内科で心臓カテーテル治療に取り組み、救急対応も多くこなした心疾患のエキスパートだ。これまでの経験を生かし、地域に根づいた医療を展開したいと2013年に開業した。同院では、循環器内科、循環器疾患の予備軍である生活習慣病、風邪といった内科全般に対応。北里大学病院をはじめ専門施設との連携にも力を入れ、地域医療に貢献する。穏やかで優しい笑顔が印象的な阿部院長に、クリニックの特徴や診療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2025年3月6日)

循環器内科での経験に、新鋭機器も加え質の高い診療を

クリニックの特徴を教えてください。

阿部純久院長 阿部内科クリニック1

長年、循環器畑で過ごしてきた経験を地域で生かしたいと開業したクリニックです。循環器では心筋生検も含めた種々の検査で確定診断し治療法を選択するなど、自分でほぼ完結できるところまで経験を積んできたと自負しており、しっかりと診ていくことが可能です。もちろん地域の内科クリニックとして、風邪や腹痛などの症状にも対応しています。そういった一般的な疾患を診ていると、今さらながら発見があってとても興味深く、専門分野以外も幅広く診ていけるように努めています。循環器疾患の予備軍である生活習慣病にも積極的に取り組んでおり、看護師と一緒に減塩指導や食事療法も行っていますし、頸動脈エコー検査を駆使して動脈硬化性疾患の発症リスクの早期発見に注力しています。また、高血圧や脂質異常症、カテーテル治療後の患者さんに対しては、オンライン診療も活用しています。

オンライン診療はどのように活用されているのでしょうか。

午前診療の後や午後診療の前といった隙間時間を使っています。対面診療との併用が前提ではありますが、移動や待機が不要なオンライン診療なら、仕事や子育てで忙しい方でも効率良く受診できます。利用には2タイプあり、1つは高血圧などの生活習慣病での定期受診、もう1つが発熱者の診療です。設計上の制約から出入り口を1つしか設けられず、空間にも限りがある当院では、新型コロナウイルス感染症が減らない現状で感染リスクのある方を直接対面して診療することは困難。しかし、オンラインであれば、感染リスクを避けて診療することができます。高血圧、脂質異常症、軽度の糖尿病の方も一部オンラインで対応することがあり、足の悪い方や遠方の方も移動の負担なく受けられるのがメリットでしょう。

循環器診療において、直近での変化などはありますか。

阿部純久院長 阿部内科クリニック2

二次予防に欠かせない心臓の動きを調べるデバイスの充実は、近年めざましいものがあります。当院でも24時間ホルター心電図は活用してきましたが、今後最大5日程度まで測定できるものの採用を検討しているところです。発作が毎日あれば24時間の測定でも十分ですが、週に1〜2回といった頻度で発作が起こるケースもあり、より長期間の測定が求められます。一方で、市販のスマートウォッチも心電図機能を持つ物が多く、上位機種であれば異常をいち早く見つけることが可能です。比較的手頃に入手できるものも出てきており、気がかりがあるという方にはお勧めすることも増えてきました。

「患者さんのために」を基本に、何ができるかを考える

地域連携に熱心に取り組んでいらっしゃると伺いました。

阿部純久院長 阿部内科クリニック3

開業から10年を超えて、近隣の病院とのネットワークは広がり続けています。北里大学病院とは胸痛ホットラインを結んでおり、患者さんをすぐに搬送できるような体制を整えています。北里大学病院には直接顔を合わせたことのある先生も多く、スムーズに受け入れていただけるのは本当に頼もしいことです。また、国立相模原病院も緊急の患者さんを受け入れてくださっており、とてもありがたく感じています。また、最近はこうした病院から、逆に症状の安定した患者さんを紹介されることも増え、近隣の消化器内科や泌尿器科、皮膚科、整形外科、脳神経外科などのクリニックとの連携も深まってきました。

患者さんに接する際、心がけていることはありますか?

「for the patient(患者さんのために)」、「ホスピタリティー」、そして「コミュニケーション」が基本コンセプト。患者さんのためにというのは当たり前のことですが、困っている方の話をよく聞いて診察し、診断のために必要な検査をする。つまりその人に対して何ができるかを考えて接しています。僕が話をするよりも患者さんに話をしてもらい、その人のキャラクターを理解することが大切ですね。また、スタッフ間のやりとりも同様に重要で、定期的にミーティングを行い、それぞれの立場から意見を言い合う時間をつくっています。ホスピタリティーに関しては、電話の応対を統一させるとか、足が不自由な人にはこちらから近づいてお話を伺うなど、教育も含めて引き続き患者さんが心地良いと思える環境をつくっていきたいです。

ところで、先生が医師を志したきっかけは?

阿部純久院長 阿部内科クリニック4

宮崎県都城市の出身で、父が薬局を開業していました。近くに病院はなく医院も数軒のみで、熱が出ると、直接父の所に薬を求めて来る人もいました。休みもほぼなく朝7時半から夜9時半頃まで店を開け、夜中に自宅の呼び鈴を鳴らして解熱剤を求める人にも、嫌がらずに対応する父が、僕に医師になることを勧めたんです。当時僕はトランペットを吹くブラバン少年で(笑)、医師になる気はなかったのですが、結局高校の途中くらいで医師になることを決めました。もともとは父に勧められて選んだ職業でしたが、この仕事が好きですし、向いている、なって良かったと思っています。

前段階から予防に取り組み、安定期を長くフォロー

循環器内科を専門に選んだ経緯についても教えてください。

阿部純久院長 阿部内科クリニック5

卒業後の2年間で内科全部を経験することができた時代で、血液、腎臓、膠原病、消化器、呼吸器、循環器、神経と2年間で各専門分野の知識を学べました。その後2年間、関連病院に配属され、そこで実際に主治医として患者さんを診ていくのですが、勤務初日には急変の患者さんの気道を確保するために気管チューブを挿入する「気管挿管」をしなくてはいけない場面がありました。その時は先輩の先生にやってもらいましたが、以後教本を繰り返し見ていろいろな手技を身につけたものです。2年間で内科の基礎を学び、その後残りの2年間で実践を経験。この間に、自分の手技で治療を行い、素早い判断で勝負するカテーテル治療に興味を持ち、循環器内科に進むことにしたのです。

患者さんとの印象的なエピソードはありますか。

勤務医時代、検査をしても特に異常は見つからなかった患者さんがいたのですが、2回目の受診時にぽつりと話された日常の出来事から原因究明につながりました。初診時に踏み込んだ話はできませんが、相手を見ながら話し方も変えていくと、そのうち患者さんからいろいろなことを話してくださるようになり、そこから原因の発見につながることがあることを学びました。また、開業時には、オープン初日が大雨の荒れた天候だったのにもかかわらず、朝9時に、前の病院で診ていた患者さんが来てくださいました。他にも前の病院で診ていた患者さんで、高齢なのでここまで通うのは無理かもしれないと言われていたのですが、来てくださったんです。本当にうれしかったですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

阿部純久院長 阿部内科クリニック6

心疾患の前段階である生活習慣病の方に対して、看護師と一緒に生活習慣の改善に向けて取り組んでいくと同時に、心疾患の方を治療と予防の両面から支えていきたいと考えています。最近は、慢性心不全の患者さんが少しずつ増えている印象です。心不全になると入院加療が必要になりますから、専門施設と連携しながら、安定期を長くするようにフォローしていきたいですね。歩いて息苦しい、胸が痛いというような症状、動悸があるといった場合は要注意です。できる範囲でお応えしていきたいと考えていますので、調子が悪かったり不安なことや困ったことがあったりしたら、気軽に受診してください。特に更年期世代の女性では、胸が苦しい、動悸がすると来られる方が目立ちます。女性の場合、貧血などが原因のことも多いのですが、動脈硬化の病気とまぎらわしいこともあるので、ぜひ循環器内科を受診していただきたいですね。

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