西澤 克哉 院長の独自取材記事
にしざわ歯科医院
(墨田区/鐘ヶ淵駅)
最終更新日:2026/03/09
荒川と隅田川に挟まれた下町で70年以上の歴史を持つ「にしざわ歯科医院」。院長の西澤克哉先生は2代目として、先代の頃から通っている患者も含め、地域の人々の口の中の健康を守り続けている。「友人たちには“石橋をたたいても渡らない西澤”と呼ばれているほど慎重な性格」と自己分析する西澤院長の診療は、患者にきちんと向き合うことから始まる。歯科医師として経験を積んできた自信を感じさせる西澤院長に話を聞きながら、同院が愛される理由を探った。
(取材日2026年2月18日)
プロフェッショナルが連携しチーム医療を提供
とてもきれいですね。内装にもこだわりが感じられます。

ありがとうございます。当クリニックは父が開業したものなのですが、20年ほど前、私が引き継いだ時に建て直しました。父が診療していた頃は、院内のどこからも外が見えないような造りでしたが、私は「患者さんが入りやすいような明るいクリニックをつくりたい」と思っていたんです。それに、私が小学校の校医をやっている関係で子どもの患者さんも多いので、子どもが怖いと感じない雰囲気の歯科医院にしたかったんですね。そこで、窓をたくさん設けたり、白い壁に映えるように観葉植物を置いたりして、気持ちの落ち着くような居心地の良い空間をめざしました。
診療する上での方針を教えてください。
0歳から100歳まで、すべての世代の患者さんがいらっしゃいますので、皆さんには最新で、的確な歯科医療を提供できるように心がけています。先代の父の頃からそういう方針で、一緒に考えながらやってきたことを今も実践しています。また当クリニックには、受付スタッフ、歯科医師、歯科衛生士、技工士がおりますが、院内で行うすべての治療をその道のプロフェッショナルで分担する、チーム医療をめざしています。例えば、歯科衛生士は歯科衛生士の専門分野をしっかりとやる。歯科医師は歯科医師として責任を果たす。常勤の歯科技工士も在籍しています。矯正歯科の先生は非常勤で、月に2度ほど診療に来てもらっています。インプラント治療は歯科大学から専門の先生が来てくれますし、麻酔は麻酔科出身の私が担当します。
チームを組む上で、スタッフと共有していることはどんなことでしょう?

スタッフには「患者さん一人ひとりを自分の家族のように思って接してくださいね」とお願いしています。日々、大勢の患者さんがいらっしゃいますが、すべての人を自分の家族のように接してください、と。特に若い先生たちには、「その場しのぎの診療はやめてほしい」と話しています。自分がやりたいからやるのではなくて、何かをやったら必ず結果が返ってくるわけですから、“いい結果が返ってくる治療”をやってほしいんです。歯科医師はお金を稼ごうと思ってやる仕事ではありませんよね。「お金が後からついてくるような仕事をしなさい」「患者さんの面倒を一生見るつもりでやってください」と口を酸っぱくして言っています。患者さんに不利益を与えることは、絶対にいけません。若い先生たちも、自分が開業するときにその気持ちで診療してくれたらうれしいですね。
基本を大切に、質の高い治療を提供し続けるために
日々の治療の中で、特に意識していらっしゃることは何でしょうか。

疾患のある患者さんを診療する際には、必ず主治医へ対診書を出して、病状をしっかりと把握してから治療に入るようにしています。もちろん問診も行っていますが、患者さんもご自身の病気に気づいていなかったり、病名を覚えていなかったりして、対診書が返ってきて初めて、病名がわかることもあるんです。常用している薬を聞いても、それだけで病名を判断できないところもありますから、できる限り患者さんに主治医を教えていただいて、手紙を書くようにしています。対診書で確認するようにしておくと、若い歯科医師たちも安心して治療ができますよね。主治医の先生方にお手数をかけてしまうので、医師と歯科医師の集まりなどでお会いした際には必ずごあいさつをしています。
歯周病の対策についてはいかがでしょう?
歯周病の患者さんは多いですね。年に1、2回は、歯科衛生士を連れて、私か他の歯科医師が選んだ勉強会に参加しているのですが、ほぼ歯周病がメインです。治療としては、奇をてらった特別なことではなくて、基本的な治療を高いレベルで提供したいと思っています。口の中を診せていただいた上で自分の手に負えそうもないと思えば、患者さんにその旨をきちんとお話しし、納得していただいた上で、しかるべき病院をご紹介します。以前に勤めていて、今でも非常勤講師として籍を置いている大学病院とは密に連携を取っていますし、他の病院であっても、信頼できる先生をご紹介できます。
患者さんと接する際に心がけていることは何ですか?

患者さんには、繰り返し説明するようにしています。診療の際にはこれから何をしようとしているのかお話しするのですが、患者さんは一度聞いても10%ぐらいしか理解できていないかもしれません。だから、同じことを2回、3回と必ず何度も確認するようにしています。スタッフにも「同じ話を3回するように」と指導しています。そして、私には言いにくくてもスタッフには言いやすいかもしれませんので、帰りがけには必ず、スタッフから患者さんに疑問点などがないかどうか聞いてもらうようにしています。また、患者さんに確認したところ迷っていらっしゃるようだったら、その日は治療をしないこともあります。決めかねてしまうことって、誰にでもありますよね。そういうときは無理に治療しないで、家に帰ってからよく考えてもらうようにしています。
“100年続くクリニック”という夢を現実に
子どもの患者さんも多いそうですが、診療の際はお母さんに付き添ってもらうのでしょうか?

幼稚園児まではお母さんに付き添っていただいています。小学校に入学したら、基本的には一人で治療しています。なぜその時期を境目にしたかと言えば、小学校に入学する年齢ともなると、子どもとはいえ一人前として扱ってあげなければいけないと思うんですよね。それに、治療するにあたって、お子さんがいつまでもお母さんに甘えていては良くないとも思います。お子さんには「小学校に行くんだから、もうお兄ちゃん、お姉ちゃんになるんだから、今度からは一人で診察室に入るんだよ」と話しています。「えー!」という子も中にはいますが、たいがいの子は大丈夫ですね。
プライベートではどんなことを楽しんでいらっしゃいますか?
大学ではヨット部でした。私たちの大学のヨット部は練習が本当に厳しくて、6年間、毎週金・土・日は合宿所で合宿生活を送っていました。夏休みは2ヵ月あったのですが、その間ずっと合宿です。全日本の大会をめざして、かなり真剣に取り組んでいましたね。全日本には手が届きませんでしたが、関東選手権までは出場することができました。40歳から始めたのがウインドサーフィンです。これは今でも続けています。最近の一番の楽しみは、海に行くことで、ウインドサーフィンをする仲間と一緒に南の島に行ったりしますよ。
クリニックとして、これからどんな未来を描いていらっしゃいますか?

クリニックは、1955年に父が開業してから71年を迎えました。父が地域の皆さんに支えられながら築いてきた場所を、今こうして私が守り続けていることに、あらためて深い縁を感じます。私も大学を卒業して歯科医師になり、気がつけばもう37年。今後も、この地域の皆さんの健康をしっかりサポートしていきたいと思っています。そしていつかは、クリニックが“開院100年”を迎えられたらいいですね。実は、長男は父と私と同じ大学を卒業し、現在は大学病院で働いています。父が生きていたら、誰よりも誇らしげに笑っていたでしょう。息子には息子の道がありますが、もし将来彼がこのクリニックを受け継ぎたいと思ってくれたなら……そんな未来をそっと期待しています。100周年まで、あと29年。その頃、私はもうこの世にいないかもしれませんが(笑)、これからも後に続く人を育てながら、地元の皆さんのために少しでも力になれたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/71万5000円~、インプラント治療/49万5000円~ ※症例により異なりますので、詳しくはクリニックへお問い合わせください

