全国のドクター9,008人の想いを取材
クリニック・病院 161,455件の情報を掲載(2020年2月26日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 墨田区
  4. 曳舟駅
  5. 東京都済生会向島病院
  6. 塚田 信廣 院長

塚田 信廣 院長の独自取材記事

東京都済生会向島病院

(墨田区/曳舟駅)

最終更新日:2020/02/07

36265 %e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%83%bd%e6%b8%88%e7%94%9f%e4%bc%9a%e5%90%91%e5%b3%b6%e7%97%85%e9%99%a2

東京スカイツリーがそびえる東京都墨田区。ここに、1922年に診療所として開院。1948年からは病院として地域医療を支えているのが「東京都済生会向島病院」だ。診療は、消化器、循環器、呼吸器など各分野の専門家がそろう内科を中心に、外科や整形外科、眼科など広くカバー。基礎疾患のある高齢患者の急性期医療に力を入れ、医師とコメディカル、院外の介護施設などとのチームワークで、退院後の自宅や施設での生活まで見すえた医療を行っている。2018年10月に院長に就任した塚田信廣先生に、同院の地域での役割や特徴から今後の展望まで、話を聞いてきた。
(取材日2018年12月6日)

基礎疾患のある高齢者の急性期医療をカバー

まずは、病院の歴史と概要からお伺いできますか。

1

当院の歴史は古く、診療所として開設されたのは1922年のこと。その後戦争を経て1948年に病院となり、名称も「向島病院」になりました。明治天皇の「医療が受けられずに困っている生活困窮者も医療が受けられるように」との指示によって結成された「社会福祉法人恩賜財団済生会」が全国に持つ97の病院・診療所の1つで、墨田区に位置する公的医療機関です。100床規模なので、何でも診ますとはいきませんが、一般内科から各種専門内科、外科、整形外科、眼科などと幅広い診療で、外来医療から、高齢者の肺炎や骨折などの急性期入院医療にも対応。高度な救急医療が必要な場合は済生会中央病院や墨東病院などに紹介しており、地域医療の一端を担っています。また、常勤医13人中10人が内科の医師であり、内科が充実していることと、「患者さんに優しい医療」に努めていることも、当院の特徴の1つかと感じています。

急性期医療への対応についてもう少し詳しく教えてください。

2

内科の医師10人中6人は消化器、循環器、呼吸器、脳神経など各分野の専門家でありながら、総合的にも診療を行うことができます。そんな点を生かして、複数の病気を持つ患者さんの総合的な診療・治療に取り組んでいます。当院の入院患者さんの75%以上が70歳以上で、既にベースとして何かしらの慢性疾患を抱えており、その上で肺炎や尿路感染、骨折などの急性期疾患を起こして運ばれてくる人が大半です。若い人なら急性期治療を行って、できる限り早く社会復帰してもらうことが第一ですが、ご高齢者の場合は、医学的には最善の治療だとしても、入院中に歩けなくなったり、ご飯が食べられなくなったりすることもあります。たとえ急性期疾患が治っても、もとの生活に戻れなくては意味がありません。それを忘れず、常に「自分だったら、家族だったらどうしたいか」と患者さんに寄り添って考える姿勢は、全職員が共有しているものです。

それが「優しい医療」なのですね。

3

そう思っています。もっとも、「患者さんのために」が行き過ぎて経済面を無視してしまうと、そもそも病院の存続自体ができないので、優しさばかりがあればいいわけではありません。ただ、患者さん一人ひとりの身になって、「自分だったら?家族だったら?」と真剣に考えられる、その優しさは医療者にとって一番重要なことですし、スタッフ全員がその思いを持って働いているのは、当院の大きな財産だと思っています。「どんな人にも分け隔てなく医療の手を差し伸べる」は、済生会の理念であり、もしそれをしないのであれば私たちの存在価値はなくなってしまいます。誰もが利用できる病院として、その理念は体現できていると思いますし、これからも守り続けていくつもりです。

糖尿病の治療にも力を入れていると聞きました。

4

そうですね。30年以上前から院内に糖尿病センターを開設し、糖尿病とその合併症の診断・治療、療養指導を行っており、地域糖尿病医療の世話役のようなポジションですね。糖尿病の治療・管理は、医師はもちろん看護師、薬剤師、栄養士など多職種が協力し合うことが欠かせません。そんな多職種協働の伝統があることは、今、ベースとしての慢性疾患や合併症を持つ患者さんを診ていく中で、大きな強みになっているかと思います。ご高齢の患者さんの退院後の生活まで見据えて、どんな治療を行い、どういう形で日常に戻っていくのが一番良いのかを考えるには、介護の人たちにリハビリの専門職、薬剤師、栄養士、訪問診療の医師、訪問看護の看護師と、病院内外の医療者が協働で考えていく必要がありますからね。教科書にある「医学的に最善」だけでは割り切れない、一人ひとりの患者さんに寄り添うことが、人だからこそできる医療だと思います。

最後に、今後の展望についても一言お願いします。

5

ベースに基礎疾患を抱えているご高齢者の急性疾患についてしっかりした治療が行えること、多職種が協働して退院後の生活まで考えた医療を提供していることが、当院の特徴です。もとの生活に戻ってもらうには、入院中に嚥下や歩行などの基礎機能を落とさないことが非常に大切ですので、リハビリテーションに関わる職種のスタッフを増やして、リハビリテーションに力を入れていきたいというのが1つ。それから、糖尿病センターを中心に活躍している管理栄養士に、その他の疾患患者さんの治療にもチームとして参加してもらい、食事や栄養の面からも生活への復帰を支援していきたいというのがもう1つです。同時に、地域で介護や看護に携わる方々やケアマネジャー、訪問診療の先生とも連携を深め、地域みんなで患者さんを診る体制も進めていかなければいけません。職員が皆、「ここに勤めて良かった」と誇りを持てる病院にしていきたいと思っています。

Access