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田口 哲也 院長の独自取材記事

アサヒタワークリニック

(墨田区/浅草駅)

最終更新日:2021/10/12

田口哲也院長 アサヒタワークリニック main

地域住民やオフィスワーカーをはじめ、多くの人でにぎわう浅草。隅田川を見下ろすオフィスビルの2階に「アサヒタワークリニック」がある。開院して30年の歴史があり、整形外科を専門とする同院には、地元の住民を中心に、腰や膝、首や肩こり、足などの痛みに悩む幅広い年齢層の患者が訪れている。2017年に院長に就任した田口哲也先生は、柔和な笑顔と穏やかな語り口が印象的な人物。取材中、何度もくり返した「患者さんの痛みと闘うドクターでありたい」という言葉に人柄がにじむ。クリニック開設の背景から、日々の診療スタンス、専門である足の外科について、そして今後の展望まで、余すところなく語ってもらった。

(取材日2018年3月14日)

腰痛予防や治療をはじめ、整形外科の分野で地域に貢献

約30年の歴史があるクリニックだそうですね。

田口哲也院長 アサヒタワークリニック1

当院は、1989年に酒類メーカーの本社オフィスであるアサヒタワービルの2階に、看板のないクリニックとして開設されました。当時酒類業界では、小売業の方が1ダースのビール瓶が入った重たいビールケースを運ぶ作業が多く、腰痛で悩んでいらっしゃる方が多かったそうです。そこで、腰痛に苦しむ酒類業界の方々のために、腰痛の予防と治療を主な目的として、さらには地域に密着し、地元の皆さんにも喜んでいただくことを趣意とし、会社の開業100周年記念事業としてアサヒタワークリニックは設立されたのです。現在は、地元の患者さんはもちろん、当ビルに勤める方々にも多く通院していただいております。初代理事長は、東京慈恵会医科大学の整形外科学講座第3代教授である故・伊丹康人先生で、初代院長は同大学の藤井正和先生。私は2017年より第2代院長として引き継ぎ、来年で30周年を迎えるクリニックです。

診療内容や設備について教えてください。

設備は、エックス線骨密度測定装置(DEXA)やCT、超音波エコー、サーモグラフィーがあるのが特徴です。当院のDEXAは、腰椎と大腿骨を同時に計測し、骨粗しょう症の正確な診断に役立てています。骨粗しょう症をベースにした骨折は、寝たきりになってしまうこともあるので、早めに検査して予防、治療することが重要です。当院では、食事・運動の指導や内服薬の処方も併せて全身的に治療します。超音波エコーはスポーツ障害の診断や評価に、また腰などの筋膜を剥離するハイドロリリースにも利用しています。CT、サーモグラフィーをクリニックに設置しているのは珍しいですね。また、リハビリテーション室は広いスペースを確保し、ウォーターベッド型全身マッサージ器や低周波などがあり、最近、SD療法を導入しました。これは脊柱彎曲運動を正常化して疼痛緩和を図ることができます。リハビリも充実させておりますので、ぜひ、利用してください。

スタッフさんについてもお聞かせください。

田口哲也院長 アサヒタワークリニック2

この1年でスタッフは、大きく入れ替わりました。なじみのスタッフがいなくなり、長く通院してくださっている患者さんには、たいへんご迷惑をおかけしました。しかし今は、私が大学病院時代に外来や病棟で一緒に働いていた気心知れた看護師さんに来ていただいて、「患者さんファースト」の精神でともに看護しております。おかげさまで多くの患者さんにお越しいただき、日によってはお待ちいただくこともありますが、待ち時間にもスタッフが患者さんに声をかけるなどして、心を配り、連携して患者さんのお役に立てるよう心がけております。

痛みと闘うドクターをめざす

先生はどのような経緯で院長に就任されたのでしょうか?

田口哲也院長 アサヒタワークリニック3

私は暁星高等学校を卒業後、東京慈恵会医科大学に入学、2年間の研修医時代を経て、整形外科に入局しました。23年間の医局生活では、同大学附属病院・第三病院・柏病院、神奈川リハビリテーション病院、厚木市立病院に勤務。2015年に教授に退局を申し出た際に、同窓の大先輩が診療しているクリニックを継承しないかと紹介されたのが当院だったんです。設立した趣意に感銘を受け、お引き受けしました。前院長も私もお酒が大好きで、浅草や向島などに飲みに行き、クリニックを継承する上での心構えをみっちり教え込まれました。患者さんの話をよく聞くこと、診察には時間をかけること……。院長が交代して患者さんにはご迷惑をおかけしますが、お一人お一人とご相談しながら治療を継続していきますので、安心してご来院ください。

先生のご専門は何ですか?

大学では足の外科を専門に診療、研究していました。足の外科とは膝から下の足関節や足の痛みや変形を専門に診る分野で、症状でいうと、外反母趾や扁平足、足関節捻挫、小児整形外科です。子どもから大人まで足のことなら何でも診ますよ。2012年には日本足の外科学会の評議員になり、外反母趾診療ガイドラインの改訂のお手伝いをさせていただいたことも。外反母趾は関節のゆるみが主な原因です。当院では足の指のリハビリを指導したり、オーダーメイドの中敷きを作成したり、普段履いている靴を見させていただいて治療します。靴を見るとその方の歩き方の癖がわかって、診断、治療に役立つのです。足の外科の専門外来は、第2・4木曜日の午後、第1・3土曜日に通常診療と併設して行っていますので、足のことでお悩みの方は、ぜひ一度受診していただきたいと思います。

診療時、心がけていることは何でしょう?

田口哲也院長 アサヒタワークリニック4

「地元の患者さんに寄り添い、目を見て手当てする、心のこもった、心を通わす医療」をモットーに掲げ、腰や膝などの関節の痛みと闘うドクターをめざしていきたいと考えています。例えば右膝が痛ければ、右膝をかばうので左膝に負担がかかり、左膝も痛くなります。両膝が痛いまま歩くと姿勢が悪くなり、腰の痛みにつながります。O脚が進行すれば、扁平足になって、足の関節も痛くなります。このように患者さんが痛みを訴えるのには理由があります。ですから、患者さんが痛みを訴える部位だけを診るのではなく、歩いていただいたり、裸足で立って全身をくまなく診ることが大切なのです。そして痛みの原因を知るには、患者さん一人ひとりと対話を重ねて、仕事を含めた生活の背景を知ることが欠かせません。お話ししていく中で、「実はここも痛い」と本音を打ち明けてくださることもあり、そうした痛みと真剣に向き合って、治して差し上げたいと思っています。

最初の相談窓口として気軽に活用してもらえる医院に

整形外科のエキスパートとして長く診療してこられた先生。印象的な出来事はありますか?

田口哲也院長 アサヒタワークリニック5

私がまだ若かりし頃、交通事故で足関節の複雑骨折した20代の男性の手術を担当したことがありました。合併症で骨髄炎になり、切断の危機もありましたが、24時間の大手術をして足は失わずに済みました。ただ治療に1年以上も費やし申し訳なく思っていたのですが、患者さんから「先生に診てもらって良かった」と言っていただいた時には、患者さんに救われました。彼は美容師で、骨折が完治した時、当然ですが両足で立って、髪の毛をカットしてもらいました。涙が出るほどうれしかったです。

お忙しい毎日だと思いますが、何かリフレッシュ法はお持ちですか?

スポーツは全般的に好きで、特にスキー、テニス、ジョギングを楽しんでいます。週末は自宅付近を約5km、30分ほどかけてジョギングしてます。ジョギングをした後は、決まって帰り道、パン屋さんで焼きたてのパンを買って、家族で朝食を取るのが週末の朝です。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

田口哲也院長 アサヒタワークリニック6

アサヒタワークリニック設立の原点に立ち返り、腰痛を専門に診ることはもちろん、膝、肩こりや首、肩の痛み、子どもから大人までのスポーツ障害、リハビリの充実、そして足の痛みに向き合い、足先から頭のてっぺんまで全身をくまなく診る医療を行っていきたいです。最近はデイケアや、接骨院に通う方も多くいらっしゃいますが、痛みに対しては医学的なアプローチが絶対に必要です。当院ではより正確な診断をめざし、個々に適した治療方針を立て、日常生活での注意点などもアドバイスいたします。また、開院して約30年という歴史があるため設備が古くなってきており、患者さんからも「この床は張り替えたほうがいいのでは?」とご指摘を受けることもあります(笑)。今後は診察室、リハビリ機器などを順次改装していく予定です。看板はありませんが、浅草の皆さんがよく知っておられるビルの2階にありますので、ちょっとした痛みでも気軽にご相談ください。

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