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角 郁夫 院長、角 卓郎 副院長の独自取材記事

角耳鼻咽喉科医院

(足立区/竹ノ塚駅)

最終更新日:2021/10/12

角郁夫院長、角卓郎副院長 角耳鼻咽喉科医院 main

竹の塚の地で半世紀、診療を続けてきた「角耳鼻咽喉科医院」は、町も人も移り変わる中、変わらぬ信念で地域医療に尽くしてきた。開業当初から親子代々通い続けている患者の多い同院では、診療だけにとどまらず、生活のちょっとした相談にも乗ってくれる。「患者さんの立場に立って診療したい」と話す角郁夫院長の言葉にも、古き良きかかりつけ医の温かさを感じた。角卓郎副院長は、院長と同じ診療理念を持ちながら、20年間培ってきた頭頸部外科の治療やがん治療の経験を診療に生かす。専門的な治療の相談にも乗ってくれる一方で、門をたたくすべての人を笑顔で迎え入れる同院で、2人から話を聞いた。

(取材日2018年9月11日)

親子代々通う患者との絆がクリニックの軌跡

長い歴史のあるクリニックだそうですね。

角郁夫院長、角卓郎副院長 角耳鼻咽喉科医院1

【角院長】そうなんです。ここは私が50年以上前に開業した医院なのですが、当時この辺りには何もありませんでした。駅の明かりが唯一の明かりで、夜になれば自宅までの道もまっくら。このビルは当時では特に高い建物で、このビルができたと同時に当院も開院したんです。ちょうど公団住宅が建ち始めた時期で、医療は強く求められていました。その頃から通ってくださっている患者さんの中には、今では自分のお子さんやお孫さんを連れていらしてくださる方もいらっしゃいます。地域の子どもたちの成長を見守ってきたので、もう患者さんとは家族のような感覚。耳鼻科ではありますが、何でも相談所のような雰囲気もあって、それが私にとってもとてもうれしいことなんです。

先生方が医師を志したきっかけは何だったのでしょうか?

【角院長】親も医師だったのですが、次男だったため当初は医師になるつもりも、後を継ぐつもりもありませんでした。しかし、大学入学2年後、進路決定時にやはり医学部になんとなく(笑)入ることになりました。学生のうちはいろいろ悩むものですが、少しずつ向かうべき方向に導かれるものなのかもしれませんね。
【卓郎副院長】小さい頃から父の働く姿を見ていたため、気づいたら自分も同じ道をめざしていました。頭頸部を専門にしてきたのは、耳鼻科の中でも特殊な分野であまり専門の医師がいなかったから。とはいえ最初から専門にしてきたわけではなく、医師になりたての頃に上司から「すぐに専門を決めないで、広い分野の知識と技術を身につけなさい」と教わり、がんセンターに勤務しはじめてから興味を持つようになりました。鼓膜治療から喉や首の手術などいろいろな治療に携わっているうちに、少しずつ頭頸部への理解を深めていったのです。

どのような訴えで来院する患者さんが多いのですか?

角郁夫院長、角卓郎副院長 角耳鼻咽喉科医院2

【卓郎副院長】一般的に耳鼻科は小さなお子さんを診ることが多いのですが、当院はお子さんだけではなくご高齢者が多く来院されます。というのも、院長の話にもあったように長く通ってくださっている方が多いため、経年とともに自然と年齢層も上がってきたからです。ご高齢の方は耳が聞こえづらい、めまい、口が乾くなど、年齢とともに感じやすくなる症状を訴える方が多いです。これからご高齢の方はますます増えるのではないかと思います。

不安解消の相談から専門的な治療まで全力診療

クリニックの強みはどんなところでしょうか?

角郁夫院長、角卓郎副院長 角耳鼻咽喉科医院3

【角院長】副院長が20年もの間、大学の頭頸部外科にて研鑽を積んできたため、より難しい症例にも対応できるのは強みだと思っています。例えば、がんであっても初期症状のうちはほとんど症状が出ず、もし自覚されていたとしても風邪の症状とあまり変わらないケースも多いです。医師としても見分けるのが困難なのですが、副院長はいろんな症例を診てきているので、安心してご相談いただきたいです。
【卓郎副院長】耳鼻科全体の中でも頭頸部を専門とする医師はそう多くありません。すべての症状が大きな病気につながっているわけではありませんが、当院であれば万が一に備えた診断・治療がスムーズに進みます。声がかすれる、喉に異物感がある、食事がうまく飲み込めないなどの症状が長く続く方は、ぜひ一度検査にいらしていただきたいと思います。

「Bスポット療法」とはどのような治療なのですか?

【角院長】「Bスポット療法(上咽頭擦過治療)」とは、ウイルスや細菌が感染することで発症する上咽頭炎の治療法です。もともと大学の時の私の恩師が提唱した治療法で、喉の違和感などがある場合に適しています。私は、これが自律神経の不調など、あまり喉の炎症とは関連が考えられないような症状へもアプローチできるのではないかと考えています。上咽頭炎が疑われる方は意外に多いですから、違和感を感じたら一度診察にいらしていただきたいです。

副院長がお力を入れているのはどのような診療ですか?

角郁夫院長、角卓郎副院長 角耳鼻咽喉科医院4

【卓郎副院長】赤ちゃんから高齢者まで誰でも気軽に相談できるクリニックをめざしています。耳や鼻のトラブルに加えて、専門である頭頸部の診断と治療後の経過観察を行っています。頭頸部の診療は特殊で、なかなか経過観察のできるクリニックがないのですが、大学病院やがん専門病院で治療を終えた後、喉の専門家として経過観察を行っています。病院に行くかどうか迷うとき、ちょっと心配なので相談したいときに一度診察に来ていただければと思います。大学病院よりお話しする時間が取れますし、通院も楽。もちろん病院との連携が必要ですが、そんなメリットを患者さんに感じていただけたらうれしいです。また、喉の手術をした方は食べ物を飲み込みにくくなってしまう方が多く、嚥下障害の診療も行ってきました。これは誤嚥性肺炎の予防・治療にもつながりますので、クリニックでも取り入れています。

患者は家族。思いやりの医療で地域貢献

診療モットーをお聞かせください。

角郁夫院長、角卓郎副院長 角耳鼻咽喉科医院5

【角院長】患者さんの立場に立って治療することです。患者さんは、症状の詳しい説明、治療してほしいところ、今後どうすればいいのかなど聞きたいことがたくさんあるはず。忙しい病院だとなかなかお話しする時間も取れないと思いますが、当院では2人体制で治療を行っていますので、お話しする時間もしっかり取らせていただきます。患者さんがお持ちの間違った情報は正し、心配は解消し、来て良かったと思っていただけるよう努めています。
【卓郎副院長】モットーと言ってしまうと大げさかもしれませんが、家族や友達と接するような気持ちで患者さんと接したいと思っています。思いやりを忘れず、院長と同じように患者さんの気持ちに寄り添って診療を続けていきたいですね。

これまで診療を続けてきた中で、印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか?

【角院長】開業当初、おじいちゃん・おばあちゃんに連れられてきていたお子さんや、お母さんのおなかの中にいたような子どもたちが自分の子どもや孫を連れてきてくれたときは感動しますね。そうした患者さんがいらっしゃるたび、家族のような気持ちがますます芽生え、患者さんのお役に立つ医療を行っていきたいと思います。
【卓郎副院長】手術した患者さんの中で、一番小さかったのが生後6ヵ月の赤ちゃん。子どもの頭頸部の腫瘍は本当に少ないことなのですが、その子は顎を半分取ってしまう大手術を行わなければならず、私もたいへん緊張していました。小児科や集中治療室などと連携して入念な準備を行って手術に臨みました。その後、その子が元気に退院していったことがとてもうれしかったのを覚えています。手術後、毎年クリスマスカードが届くのがまた楽しみで今でも診療の励みになっています。

読者へメッセージをお願いします。

角郁夫院長、角卓郎副院長 角耳鼻咽喉科医院6

【角院長】耳鼻咽喉に違和感を覚えたらすぐに来ていただきたいです。突発性難聴など、発症してから治療するまでの日数がその後の経過に影響する病気もあります。耳の聞こえが悪い、耳がつまった感じがする、耳鳴りがすると感じたら、後回しにせず治療に行きましょう。
【卓郎副院長】「がんの危険因子であるお酒やタバコは、経由する喉のほうが肺よりもがんになりやすい」など、当院が生活に密着した正しい情報を発信できる場であるよう努力していきます。気になることはぜひご相談ください。また、学生の頃から医療にはサイエンスとアートの側面があり、両方大事にしなさいと教わってきました。高度医療をスピーディーかつ適切に提供する側面がサイエンス、一方で患者さんの心に寄り添ってお話ししたり、症状を和らげたりする治療にはアートの側面があります。それぞれの気持ちを忘れずに理想的な医療をこれからも生かしていきたいと思います。

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