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飯島慈貴 院長の独自取材記事

谷在家歯科医院

(足立区/谷在家駅)

最終更新日:2020/04/01

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谷在家の駅から程ない場所に、歯ブラシをくわえた羊のロゴがかわいらしい歯科医院が見えてくる。「谷在家歯科医院」だ。同院の飯島慈貴院長の父は全国各地で講演会も随時開催されている有名な歯科医師。しかし、飯島院長が父に追いつこうと努力しているのは、こうした技術的な側面というよりは患者と向き合う姿勢のほうだ。「患者を愛している」と真剣に言えてしまう父。それに少しでも追いつこうと、飯島院長は患者との対等なコミュニケーションを重視する。インタビューを進めていくと、さばさばとした歯切れのいい語り口からはちょっと思いもよらない、涙もろく情に厚い側面も見えてきた。この患者への熱い思いは、きっと親譲りのものなのだろう。歯科医療や患者への思いを中心に飯島院長に話を伺った。
(取材日2015年5月12日)

食の愉悦を守るのも歯科医師の仕事

先生が歯科医師になろうと思ったきっかけはなんですか?

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実は、父が有名な歯科医師だったんです。次男である僕は、当然、兄が父の想いを継いで歯科医師になるのだろうと思っていました。ところが、兄は医学部に進学したんです。あれだけ名の知れた歯科医師の子が誰もその職業に就かないのでは、父もがっかりするだろう。それなら、自分が歯科医師をめざしてみようと思ったのがきっかけです。歯学部に入ってから気がついた歯科医師の良さもありました。歯科の治療は食べることに直結します。もしも自分の人生から食がなくなったらかなりの喜びが失われてしまうでしょう。でも、歯科医院にやってくる患者さんは、まさにその喜びが失われている人。大変なことに関わっているのだと思いました。待合室にグルメ雑誌を置いているのは「早く歯を治していっぱい食べてほしい」と患者さんを煽る気持ちからでもあります。歯科の治療がうまくいくと、その人の人生に自分が関わった、という感じがしますね。

開業するまでの経緯を教えてください。

大学を出てから北海道大学の歯学部第二補綴(ほてつ)科に入局しました。ここでクラウンや差し歯などの技術を学びました。歯の状態は患者さんによって千差万別。大学病院にいると、そうしたさまざまなケースを経験することができますから自分にとってたいへん自信になりましたね。また、北海道にいる間に浜益村(現在は石狩市に編入)という人口約2000人の村で治療をしたこともあります。頑固なおじいちゃんもいて、この時に「歯科医師だからといって治療だけ行えばいいわけではない」ということ学びました。会話によって患者さんと打ち解けていく術はこのときに身につけたものです。関東に戻ってきてからは、横浜の開業医の先生のもとで働きました。とても流行っている歯科医院でしたので、多くの患者さんとかかわり多くの治療を経験することが出来ました。

先生が得意とされる治療はなんですか?

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何でも治療するタイプなので、特にこれといって得意な治療はありません。強いて挙げるなら、北海道大学で学んだクラウンや差し歯、それに、父の影響で学んだ噛み合わせでしょうか。噛み合わせは、たとえ悪くてもほんの少しのずれや違和感に終始することが多いので、患者さんにもなかなかわかってもらえないところです。しかし、僕はできるだけ診るようにしています。噛み合わせが改善されて何が変わるかというと、違和感があった状態から普通の状態に戻るだけなんですよね。あまり報われた感じはしないんですが、それが治療するということ。こうした地道な努力は何十年も前からずっと歯科医師によって続けられているんです。

1回でも多く「もう一度来たい」と思わせられる歯科医院に

先生の治療ポリシーを教えてください。

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治療は別に僕でなくてもいいんです。他の歯科医院でも構いません。でも、歯科で気になることがあるのなら絶対にどこかの歯科医院で治療をしてもらいたい。ですから、逆に、もしも他院で行きづらさを感じているのならば一度当院に来てみてほしいんです。当院では、スタッフが患者さんとの距離を縮める努力をしています。僕自身も「上から目線」ではなく「横から目線」で話そうとしています。これは気を付けるというよりは当たり前のこととして楽しみながらやっていますね。例えば、お子さんが相手の場合、初めは一緒に遊ぶつもりで話しかけます。そして、お子さんが乗ってきたら「今日はこんなことやるぞ、やれるか?」と治療の話を持ちかけます。僕が患者さん本人になることはできないけれど、心配から言っているんだということが伝わってほしいですね。そして1回でも多く「もう一度来たい」と思わせられる歯科医院になりたいです。

やりがいを感じるのはどんなときですか?

患者さんが困っていた症状を取りのぞき、喜んでもらえた時です。当院には歯医者が苦手な人が来ることが多いのですが、そういう人が定期的に来院したり歯磨きをきちんとされていたりするとガッツポーズですね。患者さんの変化がうれしいのです。当院は開業してから5年になりますが、その間に変化していくことも多々あります。来院しては治療を嫌がり泣いていたお子さんが下の子をなだめるようになっていたり、付き合っていた二人が結婚して出産したり。こうして患者さんの成長を追うのは商店だとなかなか難しいことでしょう。患者さんに気に入ってもらえれば歯科医師は3代にわたって見ることも可能です。いい仕事だと思いますね。

印象に残っている患者さんのエピソードがあれば教えてください。

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当初は今の場所ではなく、ここから100メートルほど先のマンションの一室で開院していました。歯科医師の僕と歯科衛生士の妻だけの小さな歯科医院だったんです。僕は患者さんとよく話しながら治療をするので、その時もおばあちゃんの患者さんに近く結婚式を控えていることを話していたんです。すると、そのおばあちゃんも「私も今度銀婚式がある」と話してくれました。しかし、その50年の結婚生活は大変だったそうで、話しているうちにおばあちゃんは泣き始めました。それを聞いて、僕も妻も泣きました。マンション開院時代の患者さんはそういう、深いつながりのある方が多いですね。妻はその後、育児のため休んでいますが、妻を知る患者さんからは「最近、奥さんは元気なの?」とよく声をかけられます。受付に子どもの写真を飾り、定期的に変えているのは、子煩悩だから、というわけではなく、そうした患者さんに向けての「元気にやっています」というメッセージなんです。妻にも子育てが落ち着いたらまた仕事に復帰してほしいですね。 

父の仕事が生涯意識し続ける最終目標

お休みの日はどのように過ごされているのですか?

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妻と子どもと外にでかけています。夫婦ともに結婚してからゴルフを始めたので、2人でゲームしに行くこともありますし、シミュレーションゴルフに家族そろって行くこともあります。大学時代野球部だったので、野球観戦にもよく行きます。北海道にいた時がちょうど北海道のプロ野球球団が優勝したときで、何回か試合を観に行くうちにファンになりました。若手選手を育てていくチーム作りが好きで。毎日の試合結果を見るのが楽しみで、常にネットを更新して見ていますね。映画も観ますが、子どもが主人公で成長する物語が好きです。他にも、子どもたちが、はじめておつかいに行くテレビ番組のシリーズも好きで毎回号泣してしまいます。自分に子どもができたらなおさらですよね。年始に録画したものも、泣いてしまってなかなか観るのが進まないんです(笑)。

お父さまが著名な先生ですが、どのような思いでいらっしゃいますか?

僕にとっての目標は父なんです。でも、技術的にそこへ到達するのは無理かなとも思っています。ですから、父のエッセンスを取り入れて、少しでも近づいていきたいですね。一生意識し続けると思います。父とのエピソードで忘れられないのが、僕が歯学部を卒業して歯科医師になったばかりの頃、東京に帰省して父と家で酒を飲んでいた時のことです。その頃、僕はアルバイトなりに担当する患者さんもでき、治療の楽しさを感じていた時でした。「治療が好きだ」と父に話すと、父は「好きか。でも俺は患者さんを愛してる」と真顔で言うんですよね。その時、僕は負けた気がして号泣してしまいました。「愛してる」って恋人や家族にしか言わない言葉ですよね。それと同じくらいの熱で、父は治療にあたっているのだと知り、衝撃でした。そこまで思えるようになれたらいいなと思いますね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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妊娠中や出産直後から約1年間は、女性が口の中を特に気をつけてケアしなければならない時期です。歯肉炎や歯周炎は、口の中の菌が増えると症状が出てきます。この時期は、妊娠性歯肉炎という言葉もあるぐらいホルモンバランスが崩れ、普段であれば症状が出なかったものが出てきてしまいます。歯科衛生士である妻でさえ口の中の状態が悪くなっていました。歯科医院に行くなんて、二の次、三の次になっていることは重々承知しているのですが、放っておくとそれが後になって自分にはね返ってきます。当院であれば、自分を含めて子ども好きなスタッフばかりが常駐していますので、治療している間お子さんを見ておくこともできます。来ていただければお手伝いできることはあると思いますので、どうぞ我慢しないでいらしてください。

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