荻原 康平 理事長の独自取材記事
荻原歯科
(足立区/竹ノ塚駅)
最終更新日:2025/06/06

東武伊勢崎線・竹ノ塚駅西口から徒歩7分。北西へ延びる赤山街道を上り、地元で「七曲がり」と親しまれている通りに入った先に「荻原歯科」はある。開業から今年で77年の歴史を持つ歯科医院で、現在は祖父、父から受け継いだ荻原康平理事長が3代目として診療に従事している。患者のうれしそうな顔を見るのが喜びと語る荻原理事長が今、力を注いでいるのが、歯を失った顎骨に金属製の人工歯根を埋め込み、そこに人工歯を取りつけるインプラント治療だ。なぜ荻原理事長はインプラント治療に力を注ぐようになったのか、そこに懸ける思いや覚悟、将来の夢などを語ってもらった。
(取材日2025年3月19日)
インプラント治療に人生を捧げたい
先代から病院を引き継いで今年で9年目になりますが、変化などはありましたか?

2017年の4月に歯科医院を受け継いで以来、積極的にインプラント治療に取り組んできたところ、次第にインプラントを希望される患者さんが増えてきました。それに伴って、インプラントについての勉強会や論文の執筆などに力を注ぐうちに自信もついてきて、より専門的にインプラントに特化した歯科医院にしていきたいと考えるようになりました。もちろん、虫歯の治療や予防検診など一般の歯科も受けつけていますが、インプラント治療を極めたいという思いが強いです。
インプラント治療に特化したいと思われたきっかけは?
きっかけは、「ボーンアンカードブリッジ」と呼ばれるインプラント治療法に出合ったことです。インプラントの分野において多くの実績を持つ先生が公開した動画を見て初めて知った治療法でした。その鮮やかな手技と、「インプラントでここまでのことができるんだ」ということに感銘を受け、インプラント治療に人生を捧げようと決めたんです。そもそも私は2代目の父の後を継ぐ前、母校である日本大学歯学部附属歯科病院の口腔外科で勤務していた経験もありますので、そこでさまざまな外科手術を経験し、手技も学び、インプラントの手術にも数多く携わってきました。そのため、ボーンアンカードブリッジの素晴らしさを知ったことで、今の思いに至るのは必然だったように思います。
ボーンアンカードブリッジとはどのような治療法ですか?

失った歯を補うためのインプラント治療の一つの術式です。すべての歯を失った人の場合もインプラントの埋入本数が数本で済むため体の負担が少なく、手術を受けたその日からある程度のものが噛めるような状態をめざせるのが特徴です。また、お手入れが比較的簡単なこともメリットです。デメリットは強いて言うなら、保険適用外となってしまうので治療費が高額になってしまうという点です。しかし、自信を持って素晴らしいものだと言えますので、そこは分割払いにするなど患者さんに寄り添っていきたいと考えています。もちろんほかのインプラントの術式も網羅的に対応していますので、患者さんの歯の状態に合わせて、その都度適切な方法を提案させていただいています。
インプラントの術後も徹底的にアフターケア
ボーンアンカードブリッジの手術はどのように行うのでしょうか。

歯を1本だけインプラントにするような手術だと局所麻酔で済みますが、ボーンアンカードブリッジは顎全体と治療範囲が広いので、静脈内鎮静法下で行います。患者さんは半分寝たようなリラックスした状態になってもらいます。その間に歯を全部抜き、インプラントもすべて入れてしまいます。最後は義歯も装着して終了です。患者さんは気づいたら手術が終わっていたということも多いでしょう。どれぐらいの時間がかかるかというと、私の場合だと上顎と下顎両方やっても2時間以内で収まるイメージです。1本だけのインプラント手術だと5分ぐらい。痛みも腫れも少ない施術を心がけています。
手術後のケアについても教えてください。
術後のサポートとして半年に1度のメンテナンスを行っています。基本的には歯に違和感があるかどうか状態を聞いたり、エックス線写真を撮ったり、簡単に歯を磨いたりします。そのほかにも当院では、半年に1度のメンテナンスに来ていただいている患者さんに限って10年保証をつけています。これは、インプラントが折れてしまったり、義歯が割れてしまったりといったトラブルが起きた際にやり直しますというものです。当院のインプラントは、最低でも10年は持つという自信がありますのでこうした制度を設けています。その点も安心して患者さんは利用していただいていると思います。
手術を希望する患者さんが注意すべき点はありますか?

どのインプラント手術にもいえることですが、喫煙者は非喫煙者と比較して、骨とインプラントが結合するのに3倍の時間がかかるといわれています。当然、予後もあまり良くありません。では、喫煙前の状態に戻すにはどうしたらいいかというと、2年間禁煙しないと戻らないといわれています。しかし、患者さんは切実かもしれないのに2年後にまた来てくださいというのは酷ですよね。それに結合にも個人差はありますので、当院では積極的に受け入れるようにしています。仮にインプラントが外れてしまっても10年保証で対応させていただきます。とはいえ、やはり喫煙はされないほうが歯のためにも良いと思います。ほかにも、血液をサラサラにするための抗血小板薬を飲まれている方や血圧が高い方、糖尿病の方なども注意が必要ですが、そういった場合は内科の医師と連携して手術に臨むようにしています。
「ここに来ればなんとかなる」という歯科医院に
インプラント治療ではどのような患者さんが来られますか?

歯が1本抜けてしまった、駄目になってしまったという方も多いですし、歯周病が悪化して歯がグラグラでどうにかなりませんかという方も多いです。年齢層は20代前半から80代後半ぐらいまで幅広いです。いきなりインプラントというわけではなく、まずは入れ歯やブリッジの可能性もお話しした上で、治療方針を決めていきます。中には他院で治療を断られて当院に来たという方もいらっしゃいます。そういった患者さんについても当院では断らずに、受け入れてきました。必ず治せるとは言えませんが、悩んでいる方がいたらまずは一度相談に来ていただきたいです。
プライベートについてもお聞きします。お休みの日はどのように過ごしていますか?
朝起きたらランニングをして、キックボクシングのトレーニングで汗を流します。その後はサウナとお風呂でさっぱりしてから朝食を取ります。そこからはインプラントの勉強会やセミナーに参加しています。やはり、日々勉強は必要ですから。帰宅は19時頃で、夕食をいただいてから22時半までには必ず寝るようにしていますね。睡眠時間は9時間以上取るようにしています。食事も白米は食べずにもち麦や玄米、おかずは魚が中心です。肉類を食べると胃もたれや疲れが残ってしまいますので食べません。夕食は玄米に味噌汁、昆布、もずくといったメニューで至って質素です。運動と食事と睡眠にこだわっていますね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私は現在44歳ですが、60歳までには「ボーンアンカードブリッジといえば荻原先生」と言われるような第一人者になるべく、さらに知識も技術も磨いていこうと考えています。それぐらい本当に命を懸ける覚悟でこの仕事に取り組んでいますので、患者さんが満足するまで絶対に諦めません。これからも謙虚に患者さんや周りの先生方から教わりながら、より良い治療として還元できるように切磋琢磨していきたいと思っています。クリニックとしては「ここに来れば何とかなる」と思ってもらえるような存在をめざしていますので、歯についての悩みがあったら、一度当院に来てもらえるとありがたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円~、ボーンアンカードブリッジ/132万円~