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小泉 紋禎 院長の独自取材記事

医療法人社団緑紋会 小泉医院

(荒川区/東尾久三丁目駅)

最終更新日:2020/04/01

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荒川区東尾久の「小泉医院」は、1958年の開業以来、長年地域の人々に愛されてきた歴史ある耳鼻咽喉科だ。2011年から2代目院長を務めるのは、父・小泉紋一郎先生の背中を見て医学の道に入ったという小泉紋禎(ふみさだ)先生。扁桃疾患が専門で、20年以上にわたり大学の関連病院で臨床経験を積んできたドクターだ。モットーは「よく話を聞いて細かく診る」。医学の基本に忠実に則った丁寧な診察で、声がれで来院した患者の喉頭がんを見つけたことも。まさに患者の発する声に耳を傾け治療をしてきた小泉先生に、診療にかける思いを聞いた。
(取材日2015年1月29日/情報更新日2019年3月15日)

よく聞いて細かく診察。患部以外も問題がないか診る

この地域で長く診療をしている医院と聞きました。

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そうです。現在は引退していますが、父は大正生まれの92歳で、2016年まで診療をしていました。ちなみに私の名前は紋禎(ふみさだ)で、父は紋一郎。小泉家は12代ほど続く家柄で、長男は代々「紋」の一字が頭につくそうなんです。その理由は聞いたことがないんですけどね(笑)。父が開業したのが1958年です。旧医院が老朽化したため2007年に移転リニューアルし、2011年から私が院長を継いでいます。かつては住居と診療所が一緒でしたから、医師としての父の背中は幼い頃から見てきました。当時は今ほど耳鼻咽喉科医院がない時代。朝から晩までやってくる患者さんに対し、それこそ立ちずくめで仕事をしている姿に胸を打たれ、私は中学生の時には継ぐ意志を固めていました。日本大学を卒業後、さらに研鑽を積むべく大学院へ。扁桃の研究で学位を取得しました。

その後の経歴を教えてください。

大学院修了後、東京の立川病院や埼玉の川口市立医療センター、横浜の横浜中央病院と、いくつかの関連病院に出向してきました。立川病院時代、手術日には、朝から晩まで手術室で執刀していた記憶しかありません(笑)。私の専門は先ほど言ったように扁桃ですが、耳・鼻・喉や頸部の手術を手がけていました。主に耳は慢性中耳炎、鼻は慢性副鼻腔炎、喉は習慣性扁桃炎や声帯ポリープ、頸部は腫瘍性疾患などでしょうか。開業後の現在も症例は少ないものの日帰り手術を行っています。例えば、滲出性中耳炎に対しては鼓膜チューブ挿入術を行うこともあります。

先生の診察・治療の方針についてお聞きします。

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患者さんの訴えをよく聞いて、細かく診察する。それが、適切な治療を行う方法だと思っています。「細かく診察する」というのはどういうことかと言いますと、例えば扁桃炎で来られた患者さんがいるとします。その時は、口蓋垂(こうがいすい)、いわゆる喉ちんこの左右にある口蓋扁桃の色はどうか、扁桃のくぼみに膿栓がないか、周囲の腫れや頸部リンパ節の腫れ、開口障害の有無を診ます。また扁桃が原因となって、腎臓や皮膚などの病気を引き起こすこともあるので注意が必要です。お子さんの場合は口の中の左右にある口蓋扁桃が肥大して真ん中でくっつき、睡眠時のいびきや無呼吸を引き起こすことがあります。手術の適応がある場合、母校や近隣の施設に手術をお願いしています。

細かな診察から、声がれの患者さんの喉頭がんを見つけたことがあるそうですね。

ある時「声が最近かすれてきた」と訴える患者さんがいらっしゃいました。ガラガラと雑音の入り混じった声で、見るとわずかですが声帯に腫瘍性の病変が見て取れたので専門病院に紹介し、喉頭がんとわかりました。声がれは声帯が閉じずに息が漏れる場合や職業的に声を酷使する人、風邪やタバコ、カラオケの歌いすぎなどでも起こります。声の感じで、どんな症状から来ているものか見当をつけることができます。診察では、自分自身の感覚も大事にしていますね。

どこをどう治療しているか「医師の目線」を患者と共有

咳の症状でもいろんな原因が考えられるそうですね。

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咳が出ている際はまず咽頭を診ます。鼻水が喉に落ちていないかどうかを診て、次に喉頭を診ます。喉頭の中には声帯があり、声帯を観察し、息を吸った時に声帯が開き、その下の気管内の一部も観察できます。声帯や気管の発赤の有無、痰の有無や色でこれらの炎症が咳の原因かどうかが確認でき、薬剤の注入や吸入などの処置ができます。咳が長引く場合は内科医院を紹介します。肺炎など別の可能性もありますから、胸部レントゲンを撮り、異常の有無を診断していただきます。お子さんの長引く咳の場合は、鼻水が喉に落ちる「後鼻漏(こうびろう)」が原因の可能性もあるので、その場合は鼻の治療を行います。

診察で気をつけていることは?

耳や鼻、喉というのは、少し中に器具を入れただけでも痛みを感じることがあるので、診察や処置には細心の注意を払い、無理な力は加えず、なるべく時間をかけて処置するようにしています。そういった患部は医師にしか見えないので、当院ではそれぞれの内部をモニターに映してお見せし、どこをどう治療しようとしているのか説明することもあります。やはり私と患者さんが同じ目線で治療を進めていくことが大事ですからね。当院ではインフルエンザや溶連菌などの迅速検査キットで的確かつ迅速な診断をめざしています。

患者さんの年齢層を教えてください。

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100歳のお年寄りから、生まれて10日ほどの赤ちゃんまで幅広いですね。お年寄りの症状としては耳が遠い、耳鳴り、めまい、声のかすれ、後鼻漏など。当院では補聴器相談も行っているので、「耳が遠い」という患者さんに聴力検査を行い、その結果を踏まえて補聴器の処方箋をお出ししています。ただし高齢者の難聴は、原因がすべて老人性難聴というわけではありません。慢性中耳炎が原因の場合もありますので鼓膜の観察に注意が必要です。また、先日は生後10日目の赤ちゃんの鼻水と黄色い耳だれを診察しました。子どもは3〜5歳くらいまでは自分で上手に鼻がかめず、鼻をすすることが多いのですが、鼻水が黄色くなった時に鼻をすするとその中の細菌が耳管を通って中耳に感染し、急性中耳炎を起こすことが多いのです。

これからの耳鼻咽喉科の医師に求められること

新生児や乳幼児の鼻水を取るのは難しいですよね。

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おじいちゃんおばあちゃんは「口で吸え」と言いますよね。ただ、現在は核家族化が進み、そういった対処法を知らないお母さんもいますし、たとえその方法を知っていても嫌がる方もいます。薬局では鼻水を吸う道具も売っていますが、新生児には怖くて使いづらいと思うお母さんもいるでしょう。しかし鼻水の多いお子さんは中耳炎になりやすいため、当院では親御さんに家庭での鼻水の管理の必要性をお伝えしています。ちなみにお子さんの耳を診る時は、彼らに自分の指で耳の形を作ってもらった上で、「ここにこういう機械を入れるよ」とあらかじめ教えます。いきなり何をされるかわからない不安を少しでも和らげるためです。また耳や鼻や喉に細い器具を入れるときは家族の人に抱きかかえてもらい動かないようにしてもらっています。また診察台の周りに小さいかわいいぬいぐるみを置き、「こっちを見てね」と気を引くなど工夫しています。

先生のプライベートを聞かせてください。

犬の散歩は私の休日の日課になっています。犬種はウェルシュ・コーギーです。かわいいんですよ。散歩コースとしては都電荒川線の線路沿いや隅田川の土手といったところでしょうか。私の趣味としては鉄道模型。昔からそういった類いの模型を作るのが好きでしたね。今は作るというより、すでに完成されているものを買ってくるくらいですが。以前は夏休みに寝台列車に乗って旅行にも出かけたりしていたのですが、まとまった時間がなかなかとれないので、それらを買い集めて、旅気分に浸っています(笑)。

最後に、今後の展望をお願いします。

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今後高齢化が進む中、老人性難聴や嚥下障害など症状が増え、耳鼻咽喉科の専門家が求められる場面はますます増えていくでしょう。当院としては補聴器にさらに力を入れ、さらに在宅医療への取り組みも考えていこうと思っています。そのために、地域の医院同士がどう連携を図っていくかを現在模索中です。しかし、やはり一番大事なのは患者さんをよく見て、よく話を聞くこと。医師である前に人として患者さんの声に耳を傾け、なかなか言いづらい症状もうまく引き出すようにしたいですね。

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