林邉 勝 院長の独自取材記事
はやしべ歯科医院
(荒川区/荒川区役所前駅)
最終更新日:2022/01/17
荒川区役所前駅から徒歩1分のビルの2階にある「はやしべ歯科医院」は、1987年の開業から30年以上にわたって地域住民の口腔内を見守ってきた歯科医院だ。2004年に同院を引き継いだ林邉勝院長は、インプラント治療や義歯の治療を得意とし、睡眠時無呼吸症候群や口臭まで幅広い分野に精通。近年は歯周組織再生療法やデジタル技術を活用した診療など、新しい技術の導入にも積極的。長年通う高齢者から0歳児まで患者の年齢層は幅広く、リニューアルされた明るい院内には、ユニットから見えるキッズルームが設置されており、子連れでも安心できる環境だ。物腰のやわらかい気さくな人柄の林邉院長に、同院のモットー、力を入れている治療などさまざまな話を聞いた。
(取材日2019年8月23日)
患者との信頼関係を大切に安心できる治療を提供したい
とても明るい雰囲気の院内ですね。
ありがとうございます。当院のある荒川区は、下町の風情が色濃く残る人情味あふれる地区ですので、誰もが気兼ねなく通えるクリニックづくりを基本にしてきました。私が院長に就任してから20年になろうとしていますが、患者さんだけでなく、地域の方々にも支えていただいてきたからこそ、これまでやってこられたと感じています。2014年頃に院内をリニューアルしているので、院内の設備は新しいものですが、開業した1987年から数えると30年以上の歴史があります。もともとここは従兄弟が運営していたクリニックで、2004年に私が院長に就任しました。勤務医時代は、別の場所に開業を考えていましたが、ここでの診療を通して地域の雰囲気や患者さんの温かなお人柄に触れ、腹を据えて地域のお役に立ちたいとクリニックを引き継ぎました。
どのような患者さんが来院されますか?
長年通っていただいている患者さんは、当院の歴史と同じだけ年齢が上がり高齢の方が増えています。一方で0歳の子もいますし、分け隔てなく診療していますね。どの年代の方にも共通してお伝えしているのは予防です。子どものうちにブラッシングを覚え、予防の意識を持つことが自分の歯を残すために大切なことだと思いますね。予防の意識を持っていただくために、口腔内の写真を撮ったり、アニメーションや模型などを使ってビジュアルにすることを積極的に行っています。僕や歯科衛生士が集中してクリーニングや検診をしますが、家でのブラッシングがおろそかになってはいけないので、ブラッシング指導には力を入れていますね。
診療ではどのようなことを大切にされていますか?
つい患者さんとの話が長くなってしまうのですが、治療だけでなく、その必要性などをきちんと理解していただくことを大切にしています。それが理解できないと、ブラッシングの大切さも伝わらないと思いますね。クリーニングの一つであるPMTCなどは歯科衛生士が担当しますが、時々は僕も顔を出しています。あまり話が長くなると、スタッフに怒られてしまいますが(笑)。患者さん一人ひとりとの信頼関係を大事にし、人間対人間として、誰しもが安心できる治療をしていくことが一番のこだわりです。また、ともに働くスタッフとの信頼関係も大切にしており、スタッフが退職した後も、自身の子どもや家族を連れて来てくれるような歯科医院でありたいと思っています。
治療の負担軽減を考え、先進的な技術を積極的に導入
幅広い分野に対応されていますが、得意なジャンルは何ですか?
小児歯科、インプラント治療、義歯治療を得意としていますが、最近は歯周組織再生療法、CAD/CAMなどデジタル技術を取り入れた診療にも力を入れています。マウスピース型装置を用いた矯正も積極的に活用しています。昨年は、虫歯を削るレーザーを導入し、より痛みに配慮した治療が可能になりました。軟組織の口内炎、歯茎のメラニン色素のケア、歯周病の治療にも使えますし、患者さんの負担軽減につながるのがメリットですね。歯科用CAD/CAMを導入したのも患者さんの負担軽減が目的です。セラミックの技工物が30分程度でできるので、その日のうちの治療完結も可能です。また、CAD/CAMでは素材の塊から削り出していくので、均一の素材で作ることができ、強度にも期待できますね。患者さんの型採りの負担軽減を目的に、年内には口腔内スキャナーも導入予定です。
患者さんの負担軽減が、CAD/CAMを使う大きな理由なのですね。
そうですね。CAD/CAMではメタル素材をなるべく使わず、中に入れる芯棒もグラスファイバーや強化プラスチックで固めることができます。当院では、芯棒に関しては100%に近い割合で金属を使わない治療を行っていますね。最近、性別問わずお年寄りになってから金属アレルギーを発症される方が増えていて、皮膚科のドクターから金属を除去するように依頼されることもあります。一概に金属を取り除けば解決するとはいえませんが、症状の緩和につながったという方もいらっしゃいます。メタルフリーを心がけることは大事だと思いますが、保険治療を希望される方もいらっしゃるので、保険でもCAD/CAMが使えるところは使い、金属の部分を少なくするなど、うまく組み合わせた治療の提供をめざしています。
歯周組織再生療法とはどのような治療なのですか?
薬剤を使って骨を再生させることを目的とした治療です。歯はまだあるけれども歯周病になり骨がなくなってしまったというような場合、その部分に薬を注入することで再生を促し、失いかけている歯を何とか残すことをめざすんですね。インプラントや入れ歯にせず、自分の歯を残すということです。やはり残せる歯は残したいですからね。この治療もそうですが、インプラントにしても義歯にしても先進的な医療を提供することを心がけています。そのため、週末は勉強会に参加しているので、好きなゴルフもあまりできていないですね(笑)。
患者のニーズを拾い上げ幅広い分野に対応する歯科医院
先生が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
小さい頃、祖母が亡くなったことがきっかけでしょうか。ある日、実家の庭先で兄と一緒に遊んでいて、祖母は家の中で縫い物をしていました。しばらくして、遊びに疲れた私たちは祖母の部屋に向かったのですが、そのときに祖母は亡くなっていました。さっきまではいつもどおりに縫い物をしていた祖母が亡くなるとは夢にも思いませんでしたし、なぜ身近にいたにもかかわらず気づいてあげられなかったのかと子どもながらに悔やみました。その時から、将来は人を助けられる人間になりたいと思うようになりました。医療従事者に憧れ始めたのは高校生になってからです。医師か歯科医師のどちらを選ぶか悩んだ時期もありましたが、歯科医師である従兄弟に相談し、最終的に歯科医師への道へ進むことを決心しました。今は、患者さんの笑顔をつくれ、生活のお手伝いもできる、こんな素晴らしい仕事はないと感じています。
最近、何か気になる傾向などはありますか?
心の病気を抱えている人が多くなっているなと感じています。心の病によって歯ブラシがしにくくなり虫歯になることもあるので、その方の気持ちをうまくくんであげて通院してもらえるよう心がけています。痛みに敏感であったり、通院を途中で中断してしまう方も多いので、痛い、怖いという気持ちにならないよう、その人の気持ちに沿った治療をしてあげなくてはいけないと思いますね。それから、外国人の患者さんも増えています。アジアや中近東の方が主なのですが、中には子どもの歯がすべて虫歯になっているといったケースもあるので、彼らのデンタルIQを少しでも上げられたらいいなと思っています。そのためには言葉を勉強しなくてはいけないですよね。通訳の方が一緒でない場合は、モニターに会話集などを映し出すなどの工夫をしています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
患者さんの悩んでいることをいろいろ拾い上げて対処していきたいと考えており、口腔内に原因のある口臭への対処や睡眠時無呼吸症候群治療用のマウスピースの作製なども行っています。当院は治療のみでなく、メンタル面も含めて患者さんを「元気にする」クリニックをめざしています。健康な口腔内を維持させるためには、患者さん一人ひとりの意識が欠かせません。ですから、患者さんが健康づくりに意欲的になっていただけるような気持ちのサポートもとても大切にしています。口腔疾患の治療から口腔内の健康維持まで、何かお困りのことがあればぜひお気軽に当院を活用していただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1本)/19万円~、歯周組織再生療法(1本)/2万8000円~、CAD・CAMを用いたセラミッククラウン/1万9000円~、歯列矯正(子ども)/75万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/20万円~、PMTC/3800円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。