服部 美奈子 院長、白井 洋平 副院長、松峯 美貴 先生の独自取材記事
東峯婦人クリニック
(江東区/木場駅)
最終更新日:2024/06/03

木場駅1番出口を出てすぐの永代通りを渡ると、目の前に「東峯婦人クリニック」が見えてくる。川沿いに立つ19床の病棟を持つクリニックでは、これまで数多くのお産に対応してきた。現在は服部美奈子院長、白井洋平副院長、松峯美貴先生らが力を合わせ、それぞれの専門性を生かしながらチーム医療に注力。妊娠・出産だけではなく、女性の体に起きるあらゆる問題に幅広く対応している。現在も理事長として週に何日か診療にあたる初代院長が掲げた「女性の一生をサポートしたい」という思いを、スタッフ全員が追求し続けているのだ。具体的にはどのような医療を行っているのか3人にたっぷりと語ってもらった。
(取材日2024年4月16日)
女性の一生をトータルケアすることをめざす幅広い診療
まず、こちらのクリニックの特色を教えてください。

【松峯先生】母でもある松峯寿美理事長が1980年に開業した、思春期から老年期まで女性の健康を生涯にわたってサポートすることを大切にしてきたクリニックです。ですから、クリニック名に掲げているのも「婦人科」でも「産婦人科」でもなく「婦人」なんですね。小学生でも生理が始まればお悩みに応えますし、HPVワクチンも行い、将来的な妊娠に備えた体づくりを行うプレコンセプションケア、不妊治療、プレママケア、そしてもちろん分娩も行っています。その後も更年期、老年期と生涯にわたって幅広く診療しているのは、女性全員のホームドクターが目標だからです。実際、娘さんやお母さん、おばあちゃんと家族ぐるみで通ってくださる患者さんもいらっしゃるんですよ。
それぞれ、主にどのような治療を担当なさっていますか?
【松峯先生】産科、婦人科に携わっていますが、私はどちらかといえば婦人科の比重が大きく、主に力を入れているのは検診です。「女性のトータルケアをめざすなら骨盤の中だけでは駄目」という理事長の考えのもと、3Dの自動乳房超音波画像装置を用いた痛みに配慮した乳がん検診も行っています。
【白井副院長】私は産婦人科の他に麻酔も専門としているので、一般婦人科はもちろん、子宮筋腫などの手術、小切開創による開腹手術なども行っています。
【服部院長】妊娠・出産をめざす方、実際に臨もうとしている方、婦人科の病気の方と、女性特有のさまざまなご相談に対応していますね。外来だけではなくクリニックとしては最大規模の19床の入院病棟の管理を行い、分娩と治療にあたっています。
こちらではさまざまな出産に対応していると伺いました。

【白井副院長】多いときは1日に複数のお産を行うこともありますね。立ち会い出産を推奨し、たとえ帝王切開でもご主人には産声だけでも聞いてほしいので手術の間近で待機していただいています。また、無痛分娩も行っているのでご相談ください。
【服部院長】これまでおよそ50ヵ国の人たちの分娩にも対応してきました。宗教上の理由で女性医師以外に肌を見せられない、食事の配慮が必要といったこともありますが、臨機応変に対応可能です。
【松峯先生】産後うつ、授乳トラブルなど産後のケアにも力を入れています。当院には頼もしいベテラン助産師がそろっていて、母乳マッサージなども得意とするところです。他院で出産した方のご相談にも応じていますので、お困りのときには気軽にご利用ください。
患者一人ひとりとしっかり向き合い繊細にサポート
次に、先生方がクリニックで働き始めたきっかけなどをお聞かせください。

【服部院長】理事長は東京女子医科大学の同門で、お産はもちろん、どんな難しい外科手術も冷静かつ正確にこなす憧れの先輩でした。お声をかけていただき現在に至りますが、女性一人でここまでクリニックを大きくしてきた例はなかなかありませんし、今でも心から尊敬しています。
【白井副院長】当院とご縁ができたのは知人からの紹介でした。女性中心の職場に男性のニーズがあるだろうかとも思いましたが、多少なりとも潤滑剤となったり、力仕事でお役に立てたりといったこともあるようで良かったです。男性不妊など男性医師を希望する患者さんも中にはいらっしゃいますしね。
【松峯先生】産婦人科の母、消化器外科の父はとても多忙でしたが、家でも楽しそうに仕事の話をしているのを見ながら育ちました。自然な流れで私も同じ道に進みましたが、これからも母のポリシーをレガシーとして引き継いでいきたいと思っています。
診療にあたってどのようなことを大切にしていますか?
【服部院長】診察室には次から次へとさまざまな患者さんがいらっしゃいます。でも、たとえ何番目に来た患者さんであっても、今日1人目の患者さんとして新たな気持ちで向き合うようにしているんです。なぜならば、ほとんどの患者さんにとって私は「今日会うたった一人の医師」です。私も同じ気持ちで接したいと思っています。
【松峯先生】産婦人科ではしばしばデリケートな問題もあるからこそ、包み隠さずリラックスして話してもらえるように心がけています。そのためには患者さんを家族のように思い、提案するのが大事ですね。
【白井副院長】お困りのことがあったとき、まず相談してみようと来てもらえる場所にすることです。そのため、何か一つだけに特化してしまうのではなく、入り口は広くしてあらゆる悩みに応えていきたいと思っています。
さまざまな関連施設と連携し、多角的な医療を提供していますね。

【松峯先生】同じ医療法人社団グループの「産前産後ケアセンター東峯サライ」、「ウェルネス東峯」、「東峯ラウンジクリニック」と必要に応じて連携しています。一人ひとりの女性が健康で長生きするだけではなく「いつまでも若くいたい」という願いをもかなえることができるよう、理事長は長い時間をかけて尽力してきたのですが、いよいよ完成形が間近といったところです。
女性が性と生殖の権利を生き生きと楽しめる未来を
今後の展望についてお聞かせください。

【松峯先生】女性の生殖について専門的に学んだカウンセラーによるカウンセリングに力を入れていきたいです。不妊、産後、流産後、更年期など心のケアが必要となる場面は多いですからね。また、高齢女性の増加に伴い尿漏れなどの問題も大きくなっていますので、泌尿器科と婦人科にまたがって診療する「ウロギネコロジー」にも対応していきたいです。理事長は「女性のためになることならば」と、常に新しい技術を積極的に導入してきました。その思想はそのままに、確かな知識とスキルを持った頼もしい先生たちと一丸となって、これからもチーム医療に取り組んでいきたいです。
お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか?
【松峯先生】フレンチブルドッグを飼っているのですが、散歩をするのを楽しみにしています。春は桜を見ながら、秋は紅葉を眺めながら良いリフレッシュになっています。当院の病棟も眼下に川沿いの桜並木があるので、患者さんは気持ち良く過ごしていただけるのではないでしょうか。
【白井副院長】実は4児の父なので、子どもの部活動の送り迎えをしたり、公園で一緒に遊んだりしています。末っ子は自分で取り上げたのですが、やはりとても緊張しましたね。妻には感謝しかありませんが、やはり最初の子を産んだ後が一番つらそうでしたから、特に初産婦さんの産後ケアに注力していきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【松峯先生】コロナ禍を経験してから、当院のオンライン診療はとても進歩しました。遠方に住んでいらっしゃる方でも、悪天候のときでも、オンラインで相談ができて、お薬の処方も受けられるので、患者さんにとってはたいへん便利かと思います。
【服部院長】年齢も問いませんし、どんな小さなことでも構いません。「もう婦人科はいいわ」というご高齢の方もいますが、何歳になっても婦人科の問題はあり、老人性膣炎、子宮脱、子宮下垂など年齢を重ねたゆえの疾患もあるので、気兼ねなく足を運んでください。
【白井副院長】女性同士だからこそ共感できる悩みもあると思いますが、当院は常に女性医師がいる体制になっているのでご安心ください。やはり、経験していないことを勧めるのもどうかと思うので、できれば自分も出産してみたいくらいですが(笑)、2人目、3人目を生みたいと思えるように全力でサポートしていきますので、ご活用ください。