ナオデンタルクリニック

ナオデンタルクリニック

高峰直努 院長

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地下鉄東陽町駅の出口から徒歩1分。ビジネスマンが行き交う交差点から見える場所に「ナオデンタルクリニック」はある。待合室には、スタッフの明るい笑顔の写真が何枚も貼られていて、楽しそうな雰囲気が漂ってくる。3階にはプライベートな空間が確保された予防のためのケアルームも完備。「スタッフが自主的にいろいろと動いてくれるんですよ」と話してくれたのは、院長の高峰直努先生。スラッと伸びた背に、さわやかな笑顔が印象的だ。開院して17年目。数多くの経験を重ねた今、治療にも患者との接し方にも確固たる信念にもって臨んでいるという。そんな高峰先生に、これまでの道のりや、歯科医療にかける思い、スタッフに浸透している理念とクリニックの取り組みについてお話を伺った。
(取材日2013年11月8日)

患者自身の意思で健康をコントロールしていくための働きかけ

―クリニックの診療スタンスについて教えてください。

当院では患者さんの自主性をうながし、健康への意識を高めてもらう診療をモットーとしています。これは、大阪の諸井先生が立ち上げられたCHP研究会の勉強会で学んだことがベースとなっています。CHPというのは、クリニカル・ヘルスプロモーションの略で、「人々が自らの健康をコントロールし、改善できるようにするプロセス」という意味。人は自分が本当にやりたいと思ったことしかやりません。歯科医院に行くのも患者さんの意思ですし、歯を治したい、歯磨きをしたいと思うのも自分自身です。私や歯科衛生士たちがいくら「歯を磨いてください」と言っても、患者さんがそうしたいと思わなければ磨くようにはなりませんし、続かないですよね。ではどうしたら磨くようになるのか。虫歯をちゃんと治そうと思うようになるのか、ということを私たちはまず考えてから治療にあたるのです。

―具体的にどのように働きかけていらっしゃいますか?

患者さんが歯科医院に来るには理由があります。歯が痛いから、差し歯がとれたから、歯を白くしたいから。しかしその症状を治すだけでは、治療が終わると来なくなってしまいます。以前ここに、ニッカポッカを履いた鳶職の方がいらっしゃたことがあります。その方は、今まで歯が痛くなると、歯の穴に正露丸をギュッと詰め込んで、お酒を飲んで寝ていたそうなんです。ずっとそれでやり過ごしていましたが、痛みのため夜寝られなくなり、ある日、現場で鉄鋼を持って歩いている時に、眠くてふらっとしたそうです。その頃、結婚してお子さんも生まれたところでした。その方はここに来た時、「俺が死んだら誰が妻と子どもの面倒を見るのだろう、そう思ったら歯を治さないといけないと思ったんです」と私に言ったのです。今までとはまったく意識が変わったんですね。その方に「お子さんが大きくなるまで元気で働くために、健康でいられる歯磨きの仕方があるのですが、知りたいですか?」とお聞きすると、「はい!!」とおっしゃいました。もしその方に、別の場面で「歯を磨かないと、歯がなくなってしまいますよ」と言っても、きっとピンと来なかったでしょう。研究会では、このように心が動く瞬間を「心のブレーカーが落ちた瞬間」と呼んでおり、この瞬間が歯科医院に行くきっかけになるのです。

―患者さんそれぞれで、その瞬間は違いますよね?

ええ、違います。お一人お一人に、物語があります。例えば、「歯を白くしたい」と来た患者さんにもそれぞれ理由があります。その理由を聞いて、「新しい彼氏ができたから」という方には「それなら、口の臭いがしないような歯磨きの仕方をしましょうか」と言うと、やる気が出ますよね。患者さんの物語を聞き出して、それに合った治療方針を説明し、患者さんに選んでもらうのです。押しつけるのではなく、あくまで患者さんの意思で選択してもらうことが大切です。患者さんの、「こうしたい」という望みがあって、それなら「こうした方がいいかもしれないですね」と提案していくのがこの医院の基本です。

記事更新日:2016/01/24


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