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伊従 秀章 院長の独自取材記事

いよりこどもクリニック

(江東区/豊洲駅)

最終更新日:2019/08/28

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「お母さんやお父さんが元気になれば、子どもも元気になるんですよ」と何度も教えてくれたのは、伊従秀章(いより・ひであき)先生。東京メトロ豊洲駅から徒歩10分の場所にあるイオン東雲ショッピングセンター内のクリニックモールにある「いよりこどもクリニック」の院長だ。院内には子どもに人気のキャラクターや木のぬくもりあふれるおもちゃがそこかしこにあり、子どもも親も笑顔になれそうな空間が広がっている。大学病院では骨髄移植の治療に携わり、今はアレルギー疾患の治療にも力を入れているという院長に、医院の特徴や設備、診療方針、子どもや親への思いなど、たっぷりと聞いた。
(取材日2018年3月16日)

正しい医学知識に基づき、しっかり説明する

患者層を教えてください。

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患者さんの症状としては、風邪や腹痛などが多くを占めます。しかし、病気や治療に関して誤った認識や過剰な不安を持っている親御さんが少なくないと感じるので、「正しい医学知識に基づいた、親御さんが安心して帰れる医療」をモットーに、しっかり説明することを大切にしています。「下痢をしているときにはこういう食事やミルクがいいですよ」や「熱を出したときはきちんと水分補給ができていれば乗り越えられることが多いですよ」などとお伝えし、具体的な対処法もアドバイスして、いざというときに安心していただけるよう心がけています。

正しい知識を提供することで、過剰な不安を取り除くこともできますよね。

お母さんが子どもを夜間急病センターに連れて行くのは不安だからです。熱が出た場合なら、こういうときは病院に行けばいいし、こういうケースは行かなくても大丈夫ですよ、と伝えています。喘息では、「ゼーゼー言ったり、ヒューヒュー言ったりするのは当たり前。危険な状態のときにはこういう症状になりますから」と具体的に説明します。腹痛も同様です。持続性の短い腹痛はさほど心配ありません。ただし、持続する腹痛は腸閉塞や盲腸の可能性もありますから、早く受診するようお話ししています。そういう悪くなるサインを知っておけば、急病のたびに「救急病院に連れて行かなきゃ」と慌てる必要もなくなります。

豊洲はお子さんが増えている地域だと思いますが、特徴はありますか?

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開業してからもう15年になりますが、他の地域のことはわからないので比べようがないですけれども、どこの地域でも最近のお母さんは忙しそうですよね。仕事と子育てに追われていらっしゃる方が世の中全般に多いのではないでしょうか。とはいえ、私も3人の子を持つ父親ですが、子どもたちが小さかった頃は仕事にかかりっきりで、なかなか彼らと遊んであげることができませんでしたね。自分の年齢が上がってくると時間的な余裕も出てくるのですが、その時にはすでに子どもは親の手から離れてしまっている。だからとても後悔しているんです。今考えてみると、あの日々は親にとっても子どもたちにとってもかけがえのないものだったのかもしれません。仕事に育児に毎日大変だとは思いますが、子どもといる時間を少しでも長く、少しでも大切にしてほしいと思います。

親子そろって楽しい気持ちで帰ってもらうことをめざす

「クリーンルーム」という空間があるそうですね。

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一般の診療時間帯でも、感染を心配しなくてもいい環境でワクチンの接種を受けていただけるようにつくった空間です。周りに風邪の患者さんがいる中でワクチンの接種をするというのは、やはり気がかりですよね。それから、お母さんたちの中には、保育園が終わった後の一般診療の時間に来院したいという方もいらっしゃいます。そこで役立ったのが骨髄移植の経験。パーティションで区切った空間のばい菌の数を減らしたのですが、簡単に言うと大型の空気清浄器を使うことで、通常の1万分の1くらいに落とせるようにしました。骨髄移植の際に衛生面の管理を徹底していた経験を生かした診療を心がけているので、少しでも安心してワクチン接種をしていただけたらと思います。

確かに安心して受けることができそうですね。

ただ、そもそもワクチンは受けさせないという方針の親もいらっしゃいますね。でも、ワクチンを接種しておけば予防できる病気もありますから、積極的に受けてほしいと思っています。また、ワクチンを受けない方の中には「副反応が怖い」とおっしゃる方もいらっしゃいます。もちろん副反応が出る方もいますが、それよりもずっと多くの方が、ワクチンを受けることで病気を予防できているんです。そのことをしっかりと説明するようにしています。不安がある方は、ぜひ相談にいらしてください。それから、診察のときは「他に心配なことはありますか?」と患者さんから引き出すことも心がけています。「10のことを言おうと思ったのに5くらいしか言えなかった」ということがないように配慮していますので、安心して相談していただければと思います。

診療で心がけていることはありますか?

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開業したての頃は、私も若かったので、お子さんを楽しませる工夫をしていたんですよ。ポケットに指人形を入れておいて、治療の最後に出すとかね。でも、だんだん忙しくなって余裕がなくなり、また自分自身も年を取ったせいか(笑)、やらなくなりました。でも最近再び、一人ひとりの患者さんとゆっくり向き合う時間をもつようにしています。お子さんもお母さんも楽しい気持ちになって帰ってほしいと、初心に返って思うようになったんです。もともとそういう気持ちで診療していましたからね。お子さんが泣いていたら申し訳なく感じますし、お母さんが不安でいると、お子さんも感じとって笑顔になれない。また、泣いた思い出は子ども自身の中にも残り、「あのクリニックに行くのは嫌だ」ということにもなりかねません。そういったこともあり、当院のおもちゃは丸くて、木のぬくもりが感じられる素朴なものが中心なんです。僕が選んで買うこともありますよ(笑)。

絆をつくれることが、小児科のやりがい

先生が小児科の医師をめざしたきっかけを教えてください。

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父が内科の勤務医で、祖父も自宅の一角で歯科医院を開業していたんです。なので、もともと医学が身近にあったというのが下地になっていますね。東京慈恵会医科大学に進学し、さまざまな科で学ぶうちに、未来のある子どもたちのために働きたいという思いが芽生えました。診察したお子さんが将来、健康ですくすく育ち、人生が輝かしいものになればこんなにうれしいことはありません。そのお手伝いをすることに人生を捧げようと思ったのです。

学生の頃から、子どもが好きだったのですか?

僕は少しドライなところがありましてね。大学を卒業後は、附属病院や、静岡や神奈川の300床以上の大きな病院の小児科で勤務してきましたが、最初は子どもたちをあくまで患者として見ていました。重い病にかかっているお子さんに対して女医さんが涙を流している場面でも、「自分の子でもないのに……」と不思議に思っていたほどです。でも年を重ね、僕自身も子どもを持つようになると、次第に考えが変わっていきました。医師である以前に親の目線になってしまうんです。白血病や小児がんのお子さんを診察していたときは、「自分の子と同じ年齢なのに」と泣けてきてしまうんですよ。その時に「最前線で難病の子どもたちを診察し続けるのは、僕にはできない」と感じ、身近な町のクリニックで、子どもたちの日々の健康を支えていこうと決めたんです。

最後に、メッセージをお願いします。

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開業して15年になりますが、すでにご自分のお子さんを連れて来るようになった患者さんもいらっしゃいます。この先も、患者さんとはそんなお付き合いができたらいいなと思います。大きい病院では「また先生が変わってしまうんですか」と寂しそうに言われたこともあります。一人の先生が患者さんを診続けることについてはいろんな考え方がありますが、良い面も多いと思いますよ。一人で患者さんを診ていると、お子さんの顔、親御さんの顔、カルテを見れば、昔のことでも思い出します。「あの時はね」とお母さんに思い出話をすると、お母さんはとても喜びます。それが小児科の医師の楽しみ。こういうのが「絆」というものでしょうね。大切にしていきたいと思っています。時々、大学の先生に非常勤で来てもらおうかと悩むこともありますが、できるだけ患者さんを自分で診続け、絆を大事にしていきたいですね。

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