口臭測定器を取り入れた検査を
口臭の原因となる疾患発見に活用
トヨムラ歯科医院
(江東区/亀戸駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
自分は口臭があるのではないのかとひそかに悩んでいる人、家族や友人から口臭を指摘され気まずい思いをしたことがある人は意外に多いのではないだろうか。デリケートな問題だけに精神的な負担になっている場合もあるだろう。「くよくよ一人で悩むより、まずは検査を」と言うのは「トヨムラ歯科医院」の豊村康太副院長だ。口臭測定器のデータを元に口臭があるのかないのか、原因は口腔内にあるのか、それとも全身疾患と関連があるのかといった可能性まで追求する。数値として出てくるので、口臭の原因となる疾患の治療後に再検査を行うことで、口臭の変化の確認もしやすいという。手軽にできる口臭検査について豊村副院長に話を聞いた。
(取材日2019年6月11日)
目次
口臭測定器で三大ガスの値をそれぞれ測定。データを元に原因となる疾患を推測し、適した治療へ導く
- Q口臭の原因にはどのようなことが考えられますか。
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A
いろいろなことが考えられます。朝起きた時や空腹時、加齢による唾液の減少など生理的な口臭もあれば、アルコールやニンニクなど飲食による口臭もありますが、多いのはやはり歯周病や虫歯、舌の汚れなどお口の中に原因のある口臭です。また見逃せないのが全身の疾患が原因となっている口臭ですね。逆流性食道炎や胃がんなど消化器系の疾患や糖尿病、心筋梗塞、あるいは鼻炎などの耳鼻咽喉科系の疾患等が原因となって口臭が発生する場合も少なくありません。まずはほんとうに口臭があるのか、あるとしたら何が原因なのかをはっきり知る必要があります。それには口臭測定検査が役立ちます。
- Q口臭検査によってどのようなことがわかるのでしょうか。
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A
当院で使用する口臭測定器では口臭の三大要素ガスを分離してそれぞれの値を測定することができます。そのデータから、まず口臭があるのかないのかを数値化して探ることができるのが特徴です。次に3つのガスのどの値が高いかを測定することで、口臭の原因を推測していきます。歯周病などでお口の中が汚れている場合は硫化水素とメチルメカブタンが、全身疾患のある方はジメチルサルファイドの値が高くなる傾向にあります。口臭があると周りから指摘されたり、自分で心配したりすると、それが精神的な負担になりますが、数値化することによって、漠然としたストレスや恐怖心の軽減を図れるのは大きなメリットですね。
- Q測定はどのように行うのでしょうか。
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A
まずシリンジを口にくわえていただいて30秒間呼気をためます。このシリンジを口臭測定器本体に差し込むと、3〜4分ほどで結果がグラフになってモニターの画面に出てきます。患者さんにはモニターを見ながらデータのご説明をし、グラフをプリントアウトしてお渡ししています。これによって三大要素ガスの値がそれぞれどの程度あるのかがわかります。グラフの黄色い部分を越えると匂いを感じる濃度、それ以下なら日常レベルでは匂いとして感知されないとされていますが、黄色い部分を越えた場合でも数値により匂いの度合いは全然違ってきます。原因となる疾患の治療を進めた後でまた測定をすれば、口臭の変化が客観的な数字でチェックできます。
- Q口臭と関連性のある疾患について教えてください。
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A
検査データから、全身の疾患と関連がありそうだと考えられる場合は内科で検診を受けていただいています。蓄膿症などが疑われる時は、当院の隣が耳鼻咽喉科ですので、そちらをご紹介しています。また口臭が歯周病由来である場合、糖尿病や心筋梗塞、動脈硬化など全身疾患のリスクにつながっていきます。口臭の原因として一番多いのはやはり歯周病ですので、歯周病の治療をしっかり行うことでそういったリスクを軽減していくことにつなげます。当院では保険の範囲の歯周病治療も行っていますが、保険外のアプローチとして内科的治療、マウスピース型装置を用いた治療、外科的治療を患者さんに合わせて組み合わせる治療も提案しています。
- Q日常生活で気をつけるべきことはありますか。
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A
口臭が歯周病由来である場合、やはりお口の中の汚れを取り除く日頃の歯磨きが大事になってきます。正しい歯磨きをして、歯と歯の間の汚れはフロスを使って取るようにしたいですね。また意外に見落としがちなのが舌の汚れです。専用の舌ブラシで舌の汚れを取り除くのですが、やみくもに行うと舌を傷つけてしまいます。当院では歯科衛生士が時間をとって丁寧にご指導しています。正しい歯磨きや舌ブラシの使い方を身につけると、汚れの落ちが違ってきます。基本的には3ヵ月に一度定期検診を行っていますが、歯周病リスクの高い患者さんには1ヵ月に一度のメンテナンスをお勧めしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは口臭検査/3500円、2回目以降/1500円、内科的治療(歯周抗菌療法)/1万5000円~ 、外科的治療(歯周組織再生療法)/4万3000円~ 、マウスピース型装置を用いた治療/15万円~ (税抜)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。