痛みの緩和と息む力の温存を
スムーズな分娩に導く和痛分娩
きりんウィメンズクリニック葛西
(江戸川区/西葛西駅)
最終更新日:2023/04/14
- 保険診療
陣痛の痛みについて、生理痛の比ではないくらい痛い、痛みで気が遠くなるほど、などといった声を聞くことも多い。妊婦の中には、その痛みに耐えられるかどうか、不安に思っている人もいるだろう。そんな陣痛の痛みに配慮した分娩方法として「きりんウィメンズクリニック葛西」で行っているのが和痛分娩だ。これは麻酔によって陣痛の痛みを和らげつつ、息む力を温存できるように麻酔量をコントロールしながら分娩する方法だ。「ご自身の息む力が出せるため、スムーズなお産に導ける点が特徴です。痛みに強い恐怖心を抱いている人などに適していますね」と矢後尚文院長は話す。和痛分娩の方法や出産に向けた取り組みなどについて話を聞いた。
(取材日2023年3月29日)
目次
分娩方法はメリット、デメリットをよく理解して選択することが大切
- Qこちらで行っている分娩について教えてください。
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A
当院ではできるだけ自然な分娩を重視しており、自然に陣痛が来るのを待って、お産の流れに沿ってご自身の力で分娩する普通分娩を行っています。また、お母さん、あるいは赤ちゃんに何らかの問題が生じた場合や経腟分娩が難しいと判断した場合、帝王切開による分娩を行います。1人目が帝王切開の場合、2人目も帝王切開を当院では選択しております。さらに、痛みに配慮した和痛分娩にも対応しています。
- Q和痛分娩とはどういったものなのでしょうか。
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A
和痛分娩は、陣痛の痛みを麻酔によって和らげて、実際に息みが始まったらその力が出るように麻酔量をコントロールして分娩するという方法です。分娩の最後まで麻酔を効かせてしまったら、息む力が弱くなってしまうことが考えられ、結果、吸引分娩や鉗子分娩になる可能性もあります。少し痛みはありますが、ご自身の力によってスムーズな分娩に導ける分娩方法が和通分娩なのです。麻酔は、硬膜外麻酔法で、背骨にある硬膜外腔という所に細いカテーテルを挿入し、麻酔薬を投与します。全身麻酔ではないので意識はあります。自然に陣痛が出てくるのを待って行う方法と、計画的に日を決めて行う方法、両方に対応できます。
- Q和通分娩は誰でも選択できますか?
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A
基本的にどなたでも選択できます。最近では希望する方が増えてきていますね。特に痛みに敏感な人や痛みに強い恐怖心を抱いている人、1人目の出産時の痛みに懲りて2人目の妊娠、出産をためらっている人などに適している分娩法といえるでしょう。ただ、お母さんの状態によっては希望されても行えないケースもあります。例えば血液が固まりにくい疾患のある人や極度の肥満の人などです。他にもさまざまな要因で行えないケースもありますので、医師によく相談するようにしてください。
- Q分娩の際に心がけていることを教えてください。
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A
安心、安全、スムーズなお産になるよう努めています。スムーズなお産をするためには、お母さんが安心感を抱いていることがとても重要と実感しています。ですので、初診の時からコミュニケーションをしっかり取りながら診察して、不安や疑問など抱くことなく安心してお産に臨めるよう配慮しています。助産師の力もとても大きいですね。当院では経験豊富な助産師が患者さん一人ひとりに寄り添って、心身ともにこまやかにサポートしています。特に分娩時のメインは助産師といってもいいかもしれません。また、当院で分娩する場合には、必ず超音波診断を専門とする医師による超音波検査を行い、胎児の健康状態を確認しています。
- Q出産の不安に寄り添うさまざまな取り組みを行っているのですね。
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A
安心して出産に臨んでいただけるよういろいろと工夫しています。入院中の食事は、バラエティーに富んだメニューで、味にもこだわり、出産後の夕食には少しぜいたくなお祝い膳もお出ししています。病室の個室は、当院で2人目を出産する場合、優先的にご利用いただけます。退院前には出産で疲れた心身を癒やせるようアロママッサージの施術も提供しています。ただ今は新型コロナウイルス感染症の対策のため休止中ですが、今後、状況を見ながら再開できればと考えています。車がなくて歩いての通院が難しい江戸川区内の方には送迎も行っていますのでご相談ください。