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矢後 尚文 院長の独自取材記事

きりんウィメンズクリニック葛西

(江戸川区/西葛西駅)

最終更新日:2024/04/16

矢後尚文院長 きりんウィメンズクリニック葛西 main

エントランス横に立つ大きなキリンが印象的な「きりんウィメンズクリニック葛西」。これまで「池下レディースチャイルドクリニック」として地域の人々に長く親しまれてきたが、法人化に伴いキリンを冠した名称に変更した。2022年7月から院長を務める矢後尚文先生。大学病院や総合病院、同グループ内のクリニックで婦人科診療や産科医療に携わってきた矢後院長は「クリニックでのお産は時間が短く、スムーズな場合が多い印象です。その大きな理由が妊婦さんの安心感だと思います」と話す。同クリニックでは、よりリラックスして出産に臨めるよう、こまやかな配慮のもと診療を実施。クリニックの特徴や、どのような思いで産科医療に取り組んでいるか、矢後院長に話を聞いた。

(取材日2023年3月29日/更新日2024年4月10日)

産科医療を中心に、婦人科でも専門的な医療を実践

こちらはかわいらしい名前に変更されたのですね。

矢後尚文院長 きりんウィメンズクリニック葛西1

当クリニックは1991年の開設以来「池下レディースチャイルドクリニック」として地域の方々に親しまれてきましたが、法人化を機に、より愛されるクリニックをめざして2022年4月に優しいイメージのキリンをトレードマークにして名前も変更しました。グループ内のすべてのクリニックで大きなキリンが迎えてくれます。一つの目印にもなりますし、地域の方々にもすぐに覚えていただけたようです。

先生のこれまでのご経歴について簡単に教えてください。

帝京大学を卒業後、同大学医学部附属病院の産婦人科に入局し、産科医療を重点的に診療してきました。周産期母子医療センターの立ち上げや重症患者さんの出産などを担当し、その後入職した総合病院では、がんの診療や手術などにも携わってきました。2005年に当クリニックが江東区・東雲に分院を開設して分娩にも対応するということで、大学の先輩でもある池下先生からお誘いを受けて、東雲院の院長に就任しました。以来、約16年間、東雲院で数多くの分娩を取り扱ってきました。近年の出生数の減少に伴って分娩を葛西院に集約することとなり、2022年1月から当クリニックに移動し、7月から院長を務めています。

クリニックのコンセプトを教えてください。

矢後尚文院長 きりんウィメンズクリニック葛西2

今、お話ししましたように、当クリニックは分娩を行っていますので、産科医療を診療の中心に据えています。安心してスムーズなお産を迎えられるよう、妊娠初期の段階から助産師らとともにこまやかにサポートしています。また、婦人科診療も行っていて、各領域を専門とする医師が在籍し、専門的な医療を提供している点も特徴です。不妊治療、卵巣や子宮の腫瘍、子宮筋腫、月経困難症など婦人科疾患全般に対応しています。更年期になるとホルモンバランスの変化によっていろいろな症状が出てきますので、そうした更年期症状も診ています。思春期から妊娠・出産期、更年期、老年期まで女性の一生にわたってそれぞれのライフステージに沿った医療を提供しています。

自然な分娩を重視。痛みを和らげる和痛分娩にも対応

産科医療の特徴としてどのようなことが挙げられますか?

矢後尚文院長 きりんウィメンズクリニック葛西3

お産は基本的に自然な分娩を大切にしていて、安全性に配慮したスムーズなお産をめざしています。大学病院や総合病院でも分娩に携わっていましたが、クリニックでの分娩は病院と比べて、陣痛が起きてから生まれるまでの時間が短いことに最初驚きました。とても不思議に思ったのですが、その大きな理由は恐らく妊婦さんの安心感ではないかと思います。助産院の方ともよく話すのですが、妊婦さんの安心感や信頼感はスムーズなお産にとても重要なのですね。大きな病院ですと、初診時や外来診療、出産時など担当する医師が変わるケースが多いのですが、クリニックでは、毎回同じ医師が診て説明しますので、患者さんとの信頼関係が築きやすいのかもしれないですね。

その信頼関係を築くためにどのようなことを心がけているのでしょう。

懇切丁寧に説明することです。患者さんとよくコミュニケーションを取って、細かいことまでお話ししています。一方的に説明するのではなく、患者さんによくわかってもらうこと、その点を特に意識しています。些細なことを気にしてしまう方もおられますから、言葉遣いや表現にも注意しています。例えば、成長変化の標準的なラインから少し少なかったりすると、何げなく「あ、小さいな」などと発してしまいがちです。客観的に言っただけで特に何も問題はないのですが、その一言をとても気にする方もおられますので、不用意な発言には気をつけています。もちろん医学的に問題があれば適切にお話ししますが、余計な不安や疑問を持たず、安心して出産を迎えられるように配慮しています。

こちらでは和痛分娩にも対応していると聞きました。

矢後尚文院長 きりんウィメンズクリニック葛西4

はい。これは陣痛の痛みを麻酔によって和らげるため、息みが始まったら麻酔量をコントロールして分娩するという方法です。分娩時にまで麻酔がしっかり効いてしまったら、ご自身の息む力が弱くなってしまう可能性も少なくありません。ですので、痛みを和らげながらも息む余力を残せるように、麻酔の量をコントロールしてスムーズなお産に導いていくのです。痛みに恐怖心を抱いている方や、どうしても痛みに耐えられない方などに適しています。あと和痛分娩に限らずスムーズなお産には、助産師さんの力がとても大きいと感じています。初診時から健診時、分娩時、出産後まで患者さんとコミュニケーションを取りながら支えているのが助産師さんです。医師は何か異常があれば出番がありますが、何も問題がなければ出番はありません。言うならば当クリニックは助産師さんをメインとするクリニックかもしれませんね。

4D超音波検査で妊娠を実感

4D超音波検査も行っているそうですね。

矢後尚文院長 きりんウィメンズクリニック葛西5

4D超音波検査は妊婦健診の時に積極的に行っています。初期では胎児の全身を映すことができるため、まだ胎動が感じられない時期でも妊娠を実感できると思います。おなかの中で動いている姿をリアルに見られますから、お母さんはとてもうれしいのではないでしょうか。実は私自身、見ていてとても楽しいんですよ。おなかを蹴った時の振動もこちらの手に伝わりますし、この子はお母さん似だなとか、 1人目にそっくり、などと思わず見入ってしまいます。検査の動画はDVDや写真データとてお渡ししています。妊婦健診で何か疑いがある場合やより精密な検査が必要な場合は、超音波診断を専門とする医師が検査しています。胎児の心臓の異常など高度な技術を必要とする診断も可能です。

ところで先生はなぜ医師をめざされたのですか? 産婦人科を選んだ理由もお聞かせください。

父が浅草で産婦人科を開業していましたので、子どもの頃から産婦人科は身近な存在だったのです。赤ちゃんは複雑なシステムで生まれてきます。それをもっと深く研究していきたいとも思いました。これまで長くお産に携わってきましたが、出産が困難な状況の方ほど、医師としてやりがいを感じます。実は、産科の仕事は力仕事なんですよ。意外と腕の力が必要なことを実感する時も多いですね。

お忙しいとは思いますが、プライべートはどのようにお過ごしですか? 趣味なども教えてください。

矢後尚文院長 きりんウィメンズクリニック葛西6

アコースティックギターの弾き語りが趣味です。好きな楽曲は1970年代の日本のフォークソングです。ちょうど青春時代を過ごした時期で、良い曲が多いですよね。あとは健康維持のためにジムに通ったりしています。

では最後に、今後の展望とメッセージをお願いいたします。

これからも安心してスムーズなお産ができるようにスタッフ一同、心を込めてお手伝いしていきたいと思います。当クリニックでは産科だけでなく婦人科においても専門的な診療を提供しています。思春期から妊娠、出産、更年期、老年期まで女性の生涯にわたってサポートする体制が整っています。些細な悩みでも構いませんから何か気になることや体調不良を感じることがあればぜひご相談ください。

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