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大嶋 康 院長の独自取材記事

コウクリニック

(江戸川区/瑞江駅)

最終更新日:2019/08/28

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「コウクリニック」に入って最初に目にするのは「明るく やさしく あたたかく」と書かれた受付。その言葉と大嶋康院長のポジティブな人柄が合わさると、クリニック全体がより一層明るくなったように感じられた。「ふれあい」をテーマにする大嶋院長が院内設計でこだわったのは、仕切りのない開放的な空間。オープンカウンターの受付は患者からスタッフに声をかけやすいようにと配慮され、患者が人の助けを必要とした際には、スタッフがすぐに待合室へ出られるよう動線も工夫されている。「患者さん一人ひとりの体と心に合ったオーダーメイドの診療を行いたいです」と語る大嶋院長の医療へかける思いにふれた。
(取材日2015年2月25日)

「病気」ではなく「人」を診る医療

こちらでは漢方医学に力を入れているそうですね。

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はい。大学在学中、大学卒業後と西洋医学を学んできたものの、僕は「この病気には、この処方」とする治療方法をずっと疑問に思っていました。新任の医師だった頃、僕は病棟で任された患者さんのカルテに、その日の機嫌や手のぬくもり感など、患者さんとふれあってわかったことをすべて書き記していました。でもある時、先輩の先生から、「カルテには所見だけ書くように。細かな情報は、自分の中だけに留めておきなさい」と指導されたのです。その時はそういうものかと納得したものの、逆に実際にはカルテに記さない情報を軸に患者さんと向き合う診療が自分のスタイルに。そしてその中で得たものが、治療方針に直接結びついていないズレを感じるようになっていきました。漢方医学では、人とふれあって得た情報こそが医療につながります。それこそが自分の求める「人とふれあう医療」だと思い、当院では漢方医学を取り入れています。

漢方医学に興味を持つようになったきっかけは?

新人の頃担当していた方の中に、もう手の施しようがないほど重い病気なのにいつも生き生きと輝いているおばあちゃんがいました。不思議になって元気な理由を尋ねると、その方は「私は病気になって良かった。病気に感謝している」と。当時の僕にはその言葉の真意がわかりませんでしたが、ある時、患者さんの言葉を理解できない自分は、今まで病気だけを診て、患者さん自身を診ていなかったのだと気づいたのです。その時から、僕は「病気に感謝すること」をテーマに診療を続けています。当院が漢方医学中心なのは、漢方が西洋に勝ると思っているからではありません。ただ、漢方医学の持つ自然現象の見方や、「人間をトータル的に診る」考え方が、自分のめざす医療と共鳴するから取り入れているのです。医療には、治療と癒やしが必要で、その「癒やし」の部分を漢方医学は補ってくれていると思っています。

「漢方医学の考え方」とは?

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漢方は人の過去・現在・未来を想定しながら、その流れに合わせて治療方針を変えていく特性があり、「時の医学」とも呼ばれています。漢方の役割は、病気を強制的に治すことではなく、患者さんの持つ自然治癒力を高め、心身のバランスを取ること。ですから、症状によっては薬を出さないのも、治療選択の一つなんです。心身のバランスは生活のバランスでもあり、生活リズムの改善が必要なら、それに対するアドバイスもします。また、同じ症状でも、人によって体質や精神状態、生活習慣が違いますから、おのずと処方薬も異なってきます。患者さんの人生をひっくるめて読み取り、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの診療・処方ができるのが漢方医学なのです。

病気にも人にも感謝する、ポジティブな心を患者と共有

医師になったきっかけを教えてください。

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父が外科の医師だったものの、進路を決める時の僕は、まったく医療に興味がありませんでした。世間知らずだった僕は当時、お坊さんになって世界中で見聞を広げたいと本気で思っていたのです。小さい頃から根拠もないのに「明るく楽しい未来」を疑ったことがなく、その期待に膨らんだ心が何にも縛られない世界を求めていたんですね。高校卒業後ははっきりとした目的が思い描けず、地元の山に登ったり、自然の中で空手の練習をしたりしながら過ごしていたんです。しかし、そんな生活の中で突然、自分がやりたい「人と話すこと」「人を救うこと」に近い職業は医師ではないかと思い至りました。すぐに「医師をめざす」と父に言ったところ、「今さら何を言っている」と呆れられましたが、どこかうれしそうだったことを覚えています。

先生の診療モットーは?

「患者さんとの出会いに感謝すること」です。出会いに感謝して患者さんのためを思う気持ちが強くなれば、より一人ひとりに合った診断や処方をしていけると思うのです。僕の思う治療のゴールは「病気の完治・改善」ではなく、その人の人生がこの先どうなってほしいか、例えば完治しない病気だった場合、どのように病気と向き合っていってほしいかを考えながら治療方針を決めます。患者さんと一緒に人生を考えていきたいので、当院では普通の診療の3回分の情報を引き出せるよう、1回の診療にたっぷり時間をかけます。よりたくさんのお話を聞かせていただくには、診察室の外で患者さんと接するスタッフの協力も必要不可欠。みんなで力を合わせ、患者さんの未来を考える診療を心がけています。

先生は『病気に感謝できますか?』というタイトルの本を出されているそうですね。

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はい。最初に「病気に感謝している」とおっしゃった方以外にも、同じ言葉を口にする方と何人かお会いしました。その言葉を何度も聞いているうちに、この感覚は、思ったよりも多くの人が持っているのではないかと思うようになったのです。そして、この言葉は投げやりな気持ちではなく、深く自分を見つめているからこそ出てくる言葉なのだと気づきました。患者さんたちが持つその前向きな精神は、小さい頃から僕が持っている、根拠のないわくわく感と一緒かもしれない……そうひらめいた時、この希望に満ちた明るい気持ちをたくさんの人とシェアしたいと考え、本を出版しました。

失敗してもいい。前進することが未来を切りひらく

先生のご趣味やリラックス方法は何ですか?

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今はゴルフにはまっています。7年ほど前から突然その楽しさに目覚めてしまいました(笑)。昔は空手や体操など激しい運動をしていて、比較的運動神経の良かった僕はどれも上達に苦労したことがなかったんです。しかし、人の誘いで初めてゴルフをしてみたら、どんなに練習してもまったく思いどおりにうまくならなくて。その難しさが最高に面白くなってしまいました。毎日の生活で癒やしになっているのは、ペットのぷーちゃんと過ごすこと。院内でもずっと一緒ですが、散歩に出かける時は幸せいっぱいです。

今後の展望を教えてください。

「ふれあい」をコンセプトによりいっそう理想とする診療を行っていきたいです。その第一歩として、患者さんと一緒に散歩に出かける日をつくったり、旅行の計画を考えています。診療をする上で、患者さんの生活をよく知り、ご本人と仲良くなるのはとても大切。プライベートでもちょっとした接点を持つことで、患者さんとの信頼関係は強くなっていくと思うのです。そして当院が、健康についてだけでなく、人生観について語られるような場所になっていければうれしいですね。現在、当院には子どもから高齢者まで多くの方がいろいろな心身の悩みで来院されます。その多くは、薬の処方だけでは根本的な解決につながりません。患者さんのお悩みと真正面から向き合い、僕自身常に初心を忘れず、患者さんにとって良い結果となる診療を行っていきたい。治療技術の向上はもちろん、さらに“心に訴えかける医療”をめざしたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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患者さんの健康のため、正しい治療を行うのはクリニックとして当然の役目です。しかし、当院が一番大事にしたいのは、患者さんが自分らしい人生を送れるよう手助けすること。誰しも自分が病気と知った時は、不安にもなりますし落ち込みます。でも、病気になった瞬間に人生が終わるわけではありません。病気そのものを治すのはもちろんですが、その不安と恐怖を克服し、病気に立ち向かっていくしなやかさが人生には大切です。患者さんが一人でつらい時、「ここに来ると元気になる」と言っていただけるクリニックであるようスタッフ一同努めていきます。体の不調だけでなく、不安や心配事を抱えている方はぜひ一度お話しに来てください。物事や人、病気にさえも感謝して生きる。そんな人生への前向きな姿勢を分け合えればうれしいです。

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