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榊原雅義 院長の独自取材記事

イムス葛飾ハートセンター

(葛飾区/堀切菖蒲園駅)

最終更新日:2019/08/28

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緊急手術を含めた心疾患医療に24時間体制で対応する「イムス葛飾ハートセンター」。2009年に心臓病に特化した専門病院として新葛飾病院から分離・移転し、高度な術式を含め、幅広い心疾患医療を提供している。いざという時に頼れる病院であると同時に、気軽にかかれる身近な「下町の病院」として高い信頼を集めており、大規模病院とは異なる垣根の低さが、重篤な病気の予防にも一役買っている。「この規模の病院だからこそできる診断から治療までの迅速さ、丁寧な説明など、“患者が納得できる治療”をめざしています」。そう語るのは冠動脈疾患のカテーテル治療のスペシャリストでもある榊原雅義院長。高度な医療技術と、患者に寄り添う心を併せ持つ診療が満足度の高さにつながっており、開業医自身や家族の受診、かかりつけ医からの患者紹介も多いという。医師たちが大切な人を託したくなる理由を取材した。
(取材日2015年1月30日)

「下町の病院」のような気軽に利用できる身近さと、高度医療を併せ持つ心疾患専門病院

まずは病院の特徴についてご説明ください。

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当院は2009年2月に、新葛飾病院の循環器・心臓疾患の部門をパワーアップし、心疾患に特化した専門病院として分離・移転しました。新葛飾病院の前院長、清水陽一先生は心臓カテーテル治療で全国的に有名なドクターで、就任当初から地域に密着したハートセンターの設立をめざしていました。循環器内科、心臓血管外科を新たに立ち上げ、葛飾区・江戸川区・足立区の心疾患医療を担う病院として、大学病院や近隣の総合病院からも支持・信頼されるまでに成長しました。分離・移転後は循環器内科、心臓血管外科に特化した、より高度で広域にわたる心疾患医療を24時間体制で提供しています。病床数50床の小規模な病院ながら、手術室2室、心臓カテーテル室2室を完備し、心臓病の高度専門治療に24時間対応できるフットワークの良さが特徴です。

こちらの病院ではどのような治療を多く手がけているのですか。

循環器内科で最も多いのは冠動脈疾患に対するカテーテル治療です。当院では患者さんの負担を考慮し、可能な限り手首の血管からカテーテルを挿入します。この方法なら、ご自身で歩いてカテーテル室まで行き、治療後も歩いてお部屋までお戻りいただけます。1泊2日の予約治療も行っており、お仕事をお持ちの方でも最低限のお休みで治療が可能です。冠動脈以外にも、不整脈治療など心臓全般に対する幅広い治療を提供しています。心臓血管外科では、冠動脈疾患に対するバイパス手術、心臓弁に対する弁置換術・形成術や、大動脈瘤の最新治療であるステントグラフト、わずかな切開で心臓を治療するMICS(低侵襲心臓手術)など、高度な治療にも積極的に取り組んでいます。冠動脈のバイパス手術では、人工心肺をできる限り使わず、心臓を止めずに手術を行います。以前の心臓手術は1ヵ月程度の入院が必要でしたが、最近は1週間ほどで退院できる方もいらっしゃいます。当院の心臓弁膜症手術の最高齢者は94歳ですし、90歳を超えるご高齢の方にも安心・安全なカテーテル検査・治療を提供しています。

救急体制について教えて下さい。

24時間体制で高度な循環器・心臓疾患に対応しており、緊急心臓手術も可能です。このような体制が整った病院は都内でも限られていますが、当センターに来られる患者様に対して、循環器内科・心臓血管外科の高度医療を迅速かつ当たり前に提供することが使命だと考えます。急性心筋梗塞や急性大動脈解離など、疾患が一刻を争うことから、いざという時の緊急時の対応は、地域の開業医の先生と連携して、循環器内科と心臓血管外科の専門医が迅速に行います。

主な患者層は?

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地域の方を中心に、コンビニエンスストアのように身近な「下町の病院」として、心臓で不安なことがあれば、気軽に来院していただいています。同時に、あらゆる心疾患に対応できる技術の高さを併せ持つ病院であることも特徴であることから、国内はもちろん、海外からお越しになる方も少なくありません。患者さんの中には自国の医療レベルは高くても、病状・治療法に関する納得のいく説明がなく、相談すらできないことが多々あるようで、患者さんの立場から、本当に必要な治療を選んでいく当院の診療は、「病気の相談をしに来るだけでも十分価値がある」とおっしゃいます。

この規模だからこそできる、診断から治療までスピーディーな対応

心疾患の専門病院として、日頃から心がけていることは?

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急性の心臓病は1時間遅れるだけで命に関わることもありますから、疾患の有無の診断を素早く下し、病状によってはその日のうちに治療をするなど、診断から治療まで迅速な対応を心がけています。初診の方もできる限りその日のうちに検査をして、結果を伝えるように努めています。患者さんのなかには、心筋梗塞の発作を起こしているのに、ご自分で歩いて病院に来る方もいらっしゃいます。一刻を争う状態にもかかわらず、外来で1〜2時間座って待っているなんてこともあり得るため、当院では受付のスタッフが病状を丁寧にヒアリングしています。もし、明らかな症状がみられる場合は、医者に速やかに繋ぎ、救急外来で対処するなど、臨機応変に対応しています。

先生の診療方針は?

患者さんが何を求めてここに来られたのかを第一に考え、納得できる治療を提供することです。そのために大事にしているのは、循環器内科医としての観点から病気を診断・治療する診療スタイルです。例えば、たまたま受けた検査で冠動脈の狭窄(きょうさく)が見つかっても、主訴の直接的な原因だとは限りません。医者の自己満足で、今問題になっていない病気だけを治すような、とんちんかんな治療はしてはならないのです。専門である冠動脈疾患に対するカテーテル治療についても、最初からカテーテル治療ありきではダメ。カテーテル治療はあくまで治療法の一つに過ぎません。患者さんの話をよく伺い、触診も含め、病気の正しい診断を下すことが重要で、薬物療法から手術まで、あらゆる治療法を考慮しながら、患者さんにとって本当に必要な治療を選んでいきます。開業医の先生ご自身やご家族の受診や、患者さんからの紹介で受診される方も非常に多く、大切な人を紹介していただけるということは、当院の診療に満足していただいているものと自負しております。

開業医からの信頼も厚いですが、地域医療連携についてのお考えをお聞かせ下さい。

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私を新葛飾病院に誘ってくださった清水陽一前院長は、開業医の先生方との連携をとても大切にしており、地域連携の重要性を最初に叩きこまれました(笑)。地域の先生方は何を期待して、大切な患者さんを紹介してくださるのか。それぞれのニーズを把握するためには、紹介状の表面だけではなく、行間までしかり見て、真意を読み取ることが大事です。一般的な心臓病のチェックをしてほしいだけなのか、特殊な検査・治療をしてほしいのか、隅々まで丁寧に見るように心がけていきます。文面だけで判断できなければ、直接お電話で確かめることもあります。開業医の先生方とは常に人対人の連携を取りながら、日常の生活管理はかかりつけ医の先生にお任せし、定期的な検査やいざという時の緊急時の対応は当センターをご利用いただくなど、地域にとってより良い医療を追及していきます。

愛し愛される医療をめざし、患者が納得できる治療を追及

医師を志したきっけかは?

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元々は、精神科医になりたくて医学の道を志したのです。高校生の時に、二重人格や多重人格を題材にしていたテレビドラマが放送され、ユングやフロイトなど精神分析の本などを読むうちに興味を持ちました。学生時代から精神科医局にもよく出入りしていたのですが、当時の精神科は精神分析というよりは、脳代謝などの観点からの診療が中心で、私がやりたい医療との方向性の違いから断念しました。すでに5年生だったのですが、迷った末、循環器を専門にすることに決めました。研修医の最後の3ヵ月は、希望を出すのが遅れていく科がなくなってしまって(笑)。困っていた私に「どうせ循環器に入るなら、3ヵ月早く仕事を始めたら」と先輩が声を下さいました。その3カ月は家に帰る暇がないほど忙しかったのですが、カテーテル治療や心筋梗塞の患者さんを担当させていただくなど、とても勉強になりました。今振り返ると、この3ヵ月間が今に繋がっていると感じています。

今でも覚えている患者との思い出深いエピソードはありますか?

不整脈の発作を起こし、何度か心停止し電気ショックを受けるなど、重度の心疾患の患者さんが当院に転院されてきました。カテーテル検査をするにもお腹に大動脈瘤があり、手足の血管も詰まっていて、どこからも安心してカテーテルを入れられないような状態でした。ご家族とも相談し、一旦は薬物療法で治療することにしました。ところが、心臓麻痺を起こし、このまま何もしなければ命が危ないと判断し、リスクは承知の上で、検査・治療をさせてほしいとお願いしました。ご家族のご了承いただき、調べてみると心臓の血管3本とも詰まりかけており非常に危険な状態でした。ギリギリの判断でしたが、幸いその後の治療がうまくいき、今では一人で生活できるまでに回復され、元気に外来に通っていらっしゃいます。入院中に死を覚悟するほど悪かった方が順調に回復し、笑顔で外来に来てくださることが、医師として一番うれしく、この仕事をしていて良かったと感じる瞬間です。

病院に対する評価、満足度の高さはどこにあると分析されますか?

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当院の理念は「愛し愛される医療」です。この理念を実現するため、患者さんが納得できる治療を追及していることが、満足度の高さに繋がっていると思います。病院の特性上、最終的に残念な結果となることもありますが、ご家族が納得してお帰りいただけるよう、スタッフ全員が高度な医療と親身な対応を心がけています。私自身は分かりにくい医学用語を使うのではなく、わかりやすい言葉で説明すること。病気について絵でわかりやすく説明している小冊子や、たとえ話などを入れて説明すると、よく理解していただけます。また、患者さんの不安や心配事を一旦受け止め、理解することも大切にしています。不整脈を心配して来院された方に「異常ありません」と伝えても、到底納得できません。大丈夫と言われても、ドキドキするのは事実ですから、「異常はなくてもドキドキすると辛いし、心配になりますよね」と一旦受け止めます。地域柄一人暮らしの高齢者も多いので、急な発作に不安を覚える患者さんの心に寄り添い、納得いく治療を一緒に考えていきます。これからも多様化するニーズに応えるため病床数の増加も視野に、さらに地域医療に貢献してまいります。心疾患は早期発見・早期治療が重要です。気になることがあればまずは検査を受けて、病気の有無を確認することをお勧めします。

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