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黒田典子 院長の独自取材記事

宮川産婦人科

(葛飾区/四ツ木駅)

最終更新日:2021/10/12

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京成立石駅と四ツ木駅の中間に「宮川産婦人科」は位置している。昭和31年に開業された歴史あるクリニックで、清潔で落ち着いた雰囲気と女性スタッフの明るい雰囲気にほっとできる。現在院長を務める黒田典子先生は、先代院長である父を身近にみて、同じ産婦人科医の道を選んだ。「婦人科は敷居の高い場所だと思っている方が多いので、もっと気軽に来られる場所にしていきたいですね」と話す黒田院長は、同じ女性として患者と共感できる診療を実践。処置や薬物療法だけでなく、心の相談にも乗ってくれる。押しつけがましいところが一切なく、それでいて相手が安心できるまで丁寧に接してくれる黒田院長に、女性の誰もが知りたい婦人科の全貌を伺った。


(取材日2014年9月22日)

婦人科はすべての女性のための診療科 オープンで明るいクリニックをめざす

先生はなぜ産婦人科医をめざしたのでしょうか?

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父が産婦人科の開業医で、その仕事を身近に見てきたことがこの道を選んだ一番の理由です。産婦人科は「おめでとう」「良かったね」と、病気が治って良かったねとはまた違う、心から言える科。「無事に生まれたよ」と話す父の嬉しそうな表情に、産婦人科の魅力を感じてきました。病室に行ってはいけないと父に言われていましたけれど、生まれたばかりの赤ちゃんが見たくて当時はよく沐浴を見に行っていました(笑)。小さい頃から命の感動とじかに触れ合えたことは、貴重な経験だったと思います。2年前までは分娩も行っていたのですが、現在は大学病院でいうところの女性診療科のように、子どもからご高齢の方までトータルで女性を診ていく婦人科を中心としています。妊婦の方を診る場合は、妊娠8か月ごろまで当院で健診を行い、その後は近くの信頼できる産婦人科を御紹介し、帝王切開等は私も一緒に立ち会わせていただいています。

先生は「骨粗しょう症」について力を入れているとお聞きしました。

骨密度が下がり、骨折しやすくなってしまう骨粗しょう症は、閉経後の女性に多い病気なんです。女性ホルモンは骨が溶けるのをブロックしてくれる役割があるため、閉経によって女性ホルモンがつくられなくなった高齢者は骨が溶けやすくなるのです。そこで当院では40代後半から骨密度を測るようおすすめし、骨密度の低い方には食事や運動のお話をして投薬を行い、骨密度の維持に努めています。激しい運動をする必要はありませんが「毎日家の近所を散歩する」「朝、ラジオ体操をする」などの簡単な運動は必要です。外に出て陽の光にあたることも骨に良い影響を与えます。一度骨密度が低くなってしまった骨は完全には元に戻りませんから、今より悪くならない生活習慣を心がけるよう指導しています。

クリニックでは食事指導にもお力を入れているのですね。

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そうですね。もちろん、食生活の改善だけで病気が治るわけではありませんが、食事はとても大事です。バランスの取れた食生活は高脂血症や高血圧、糖尿病、骨粗しょう症などの予防にもつながります。先ほど骨粗しょう症は閉経がリスクになるとお話ししましたが、高脂血症もまた女性ホルモンがなくなることで発症率が高くなります。月経のある方は女性ホルモンのエストロゲンの作用によって肝臓に悪玉コレステロールが取り込まれ、血液中の悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化になりにくいのですが、閉経後はエストロゲンがなくなり、血中に悪玉コレステロールがどんどん流れ、高脂血症になってしまいます。患者さんにも病気のメカニズムをご説明し、食事や運動、体重のコントロールなど日々の生活を少し改善することで、いろいろな病気の予防につながることをお伝えしています。

ピルが月経痛を軽減 正しい知識と処方を患者に指導

診療の際、先生が最も心がけていることは何ですか?

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患者さんのお話をよくお聞きし、しっかり説明すること、そして患者さんにその話の内容を理解していただくこことですね。漢方薬を処方するのであれば、ただ処方するだけでなく薬効についてもお話しさせていただきます。また、当院ではできるだけ薬を出さないように心がけています。運動や食生活の改善によって症状が緩和されるなら、それが体にとって一番。状況が好転しなかった方にはお薬をお出ししますが、その前にできることをいろいろ行ってから処方するようにしています。私は皆さんに「快適に楽しく」毎日を過ごしていただきたいのです。来院した患者さんの気持ちをほぐし、体を思いやる診療ができるよう、つねに努力しています。スタッフも元気で明るい人ばかりなので、その元気が患者さんにも伝わったらうれしいですね。

先生は漢方薬を積極的に取り入れているそうですが、漢方薬を婦人科で使う利点は何でしょうか?

1つの症状にピンポイントで効くのが西洋薬。それに比べ、漢方はさまざまな生薬が混ざっているので、体全体に多角的な効果をもたらすところがいいですね。西洋薬ほどの即効性はないものが多いですが、徐々に「体のだるさが取れた」「片頭痛が改善された」「冷え症が治った」などいろいろな例が多く見られます。精神的に落ち着く成分が含まれていることもあり、ストレス過多の現代人にとってたくさんの利点がある薬だと私は考えています。ただし、漢方もあくまでお薬ですから副作用がないわけではありません。最近「漢方は副作用がない」と思っている方が多いですがそれは大きな間違いですので、正しい知識を持っていただきたいと思います。

多くの女性にとって悩みの種である「月経痛」には、どのような対処が効果的ですか?

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月経痛がとてもひどく仕事や学校を休んだりする方は我慢せず、早めに痛み止めを飲んでください。鎮痛剤が効かなかったり、何度も鎮痛剤を飲んでしまうような方は将来、子宮内膜症になってしまうことがあると言われています。低用量のピルを服用することにより、月経痛が楽になるだけでなく、子宮内膜症のリスクも減らせるという研究結果も出ています。若い方は内診しなくてもお薬は出せます。低用量ピルは月経痛を緩和させるだけでなく、月経不順も治りますし、月経量が多い方も少なくすることができます。治療に使うピルは保険適応にもなっています。月経痛で悩んでいる方は、早めにご相談にいらしてください。

日本女性の乳がん患者は14人に1人。検診の必要性を強く訴える

近年、女性の病気として乳がんが注目されています。

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乳がんは近年増加しているのですが、食事の欧米化が原因と考えられています。アメリカでは今、7人に1人の女性が乳がんだといわれています。日本は戦後にアメリカの食文化が入ってきてから乳がん発症率が急増し、以前は40人に1人だったのですが、現在は14人に1人になりました。この数字をもっと女性の皆さんに知っていただきたいですね。乳がんは早期なら手術で治せる病気です。しかししこりが大きくなり、進行がんになると、すぐに摘出はできず、抗がん剤で腫瘍を小さくしてから摘出、という手順を踏まなければなりません。早期発見するために、定期的に自己検診を行い、2年に1回は乳がん検診を受けてください。

「乳がん検診」は産婦人科で受けられるのですか?

葛飾区では産婦人科を含め26件のクリニックで検査を受けることができます。そしてマンモグラフィーの撮影は保健所で女性のレントゲン技師が行っています。葛飾区は保健所が一括してマンモグラフィーの撮影を行っているので、精度管理がとてもしっかりしています。マンモグラフィーは決して怖い検査ではありません。まずは検診を受け、ご自分の身体について知っていただきたいです。

葛飾区での「子宮がん検診」「乳がん検診」の受け方を教えてください。

葛飾区の場合はまず検診申し込み専用の「はなしょうぶコール」というコールセンターに電話をかけ、受診票を取り寄せてください。必要事項を記入し、それを各医療機関に持参してください。子宮がん検診の場合は細胞診と内診を行い、後日、結果を聞きに来ていただきます。乳がん検診は視触診で異常があれば大学病院などへご紹介し、異常がなければマンモグラフィーを受けに保健所へ行っていただきます。結果は後日郵送されます。子宮がん検診、乳がん検診ともに当院で受けつけています。現在、欧米の乳がん検診受診率が7割なのに対し、日本人の受診率は3割とまだまだ少ないです。是非検査を怖がらずに、お気軽に「はなしょうぶコール」か当院にお問い合わせください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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産婦人科とは女性専用のトータルケアをする診療科であって、妊娠した女性のためだけにある科ではありません。当院では乳幼児からご高齢の方まで女性のライフステージに合わせて診療を行い、時には日々の悩みや心のケアにも対応させていただいています。「話をしてスッキリした」と思っていただければそれほどうれしいことはありません。皆さんには、内科や歯科に通うように、もっと気軽な気持ちで足を運んでほしいと思います。また、最近ご自分が月経時の出血過多で貧血になっていると気づいていない方が多いのですが、ご自分の身体の状態を知るためにも女性検診だけでなく、ふだんから健診を受けておくことも女性特有の病気を早期発見するための手がかりになりますよ。何でも相談できるかかりつけ医として、地域の方の健康の手助けができれば良いと思っています。

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