大切なセルフケアは医師の指導で
歯周病の予防と治療
用賀駅東口歯科
(世田谷区/用賀駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
日本では成人の8割以上が患うとされる歯周病。歯を失う原因になるといったリスクが広く知られるようになり、予防と早期治療のために定期的な受診をする人も少なくない。歯周病治療の方法やセルフケアのポイントを「用賀駅東口歯科」の袴田明彦院長に聞いた。
(取材日2016年9月27日)
目次
まずマスターしたい「正しいブラッシング」
- Q歯周病を心配して受診する人が年々増えているそうですね。
-
A
▲プライバシーに配慮された個室の診療室
はい。用賀で診療を始めて15年目という私の経験からも、歯周病予防への意識はここ数年でかなり高くなったと思います。以前は「あまり歯磨きをしておらず、冷水がしみるようになった」といった、いわば事後的な受診も少なくなかったのですが、最近は「歯磨きをしていて違和感がある」など、日ごろケアを欠かさない方が小さな異変に気づいて早期受診なさるケースが増えています。
- Qありふれた病気ですが、怖い一面もあると聞きました。
-
A
▲歯周病治療、予防歯科に注力している袴田先生
しばらく自覚症状がないまま進行する慢性の病気ですので、はっきり異常を感じたときには相当悪化している可能性が高いという怖さがあります。重度の歯周病では歯が抜けるだけでなく、歯の土台となる歯茎の中の「歯槽骨」も溶けてなくなってしまいます。ご自身のあごから骨を移植して土台を補強し、インプラント治療するなどの方法もありますが、消失が広範囲に及ぶとそれも難しく、結局入れ歯になることもあります。歯周病は虫歯と並んで、中年期以降に歯を失う2大要因ですが、「残す治療」の選択肢が広い虫歯に比べると、進行した歯周病から歯を守るのは容易ではないといえます。
- Q歯周病の治療法には、どのようなものがありますか?
-
A
▲正確な診断に欠かせない歯科用CT
「歯周ポケット」と呼ばれる、歯と歯茎の境目にある溝から歯垢や歯石を取り除くのが基本です。具体的な方法は進行の度合いを見極めた上で選択します。例えば、比較的軽度の歯周病は細い器具を使って汚れをかき出すだけの処置で改善しますが、歯周ポケットが深い場合は奥までしっかり処置するために部分麻酔を行います。もっと進行している場合は部分麻酔の後、歯茎を切開して骨からはがし、歯の根元や歯茎の内側を露出させた状態で処置します。細菌感染した組織は切除することもあります。なお、これらの処置・手術はすべて健康保険が適用され、長くても数時間で終わります。抜糸は1週間後で、軟らかいものなら手術当日から食事ができます。
- Q予防とセルフチェックの方法を教えてください。
-
A
▲口腔内のチェックポイントについても丁寧に説明している
歯周病は、自宅での日常的なケアで防げる病気です。もっとも大切なのが正しい歯磨きで、特に歯ブラシの毛先を正しい角度で当てることが欠かせません。ここをマスターしない限り、いくら高性能な電動歯ブラシを使っても、頻繁に歯科検診を受けていても無意味というくらい重要なポイントです。正しい歯磨きをしているのに歯茎からじわりと血がにじむような場合はごく初期の歯周病が疑われ、このサインを見逃さないことで大抵の歯周病を早いうちに治療できます。歯科医院では健康保険を使ってブラッシングの指導を受けられますから、信頼できる歯科医師に一度しっかり習うのがよいと思います。
- Q特に念入りなチェックが必要なのは、どういった方ですか。
-
A
▲患者との対話を大事にしている院長の袴田先生
まず、喫煙なさっている方です。歯茎が固くなりやすく、もし歯周病になっても出血というサインがなかなか出ません。定期的に受診するなど、早期発見するための工夫が必要です。また、口内環境は遺伝の影響も受けるので、生まれつき歯周病になりやすい方がいらっしゃいます。私の経験上、診察する方の1割程度にそういった素因があり、ご両親のいずれかが30~40代で総義歯になられている場合は特に、歯科医師への相談をお勧めします。あとは、審美治療をご検討中の方ですね。歯周病があるとホワイトニングの施術が禁忌になるといった理由もありますが、なによりピンク色の健康な歯茎が、口元の印象をぐっと良くしてくれます。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。